職場における個人行動の考え方

執筆 ロッシェル・カップ

世界を相手にビジネスを行うためには、英語力だけでなく、多様な文化を受け入れるためのグローバルマインドセット、つまり視野の広いもののとらえ方が必要となります。本コラムでは、経営コンサルタントのロッシェル・カップさんにグローバルマインドセット獲得のヒントを教えていただきます。

第18回 職場における個人行動の考え方

グループで働く? 個人で働く?

あなたは中国進出した日系企業の幹部として働いています。部下である中国人マネージャーは、頻繁にあなたに相談しに来ます。彼の悩みは、日本人駐在員マネージャー(こちらもあなたの部下)の管理方法に関することです。「日本人側はいつも仕事の詳細にまで口を挟んでくるが、独りで仕事に取り組み、独自の考えで働く自由を部下には与えるべきだ。独りで仕事をすることができなければ、従業員たちは成長するチャンスを得られないと思う」。この中国人マネージャーの意見に対し、どのように対応したら良いでしょうか?

a)
部下の仕事を詳細にわたって管理するのは良いマネージャーの証であると説明する
b)
中国文化で期待される働き方について日本人マネージャーに教育し、中国人社員が受け入れられるような管理方法を取り入れることを奨励する
c)
中国人社員に日本の「報・連・相」について教える

多くの日本人はこの中国人マネージャーに対し、a) のように反応するでしょう。マネージャーは責任があるし、部下を教育しなければならないので、仕事の詳細にまで首を突っ込むのは当然かつ必要だという考え方があります。仕事というのは共同作業なので、上司が部下の仕事に立ち入るのは全然珍しくないことです。

しかし、そのような考え方が文化によるものであったらどうでしょう。下記のチャートをご覧ください。

互いの歩み寄りで文化ギャップを埋める

左の方にある文化ほど、独立的に動くことを好みます。独りで仕事をし、物事を自分で行うのが好きです。この文化に属する人は仕事ができ上がるまで、それについて他の人に相談をしない傾向にあります。また、自分のやった仕事を他の人が(たとえそれが上司でも)変えたり修整したりする事に対して、憤慨を感じるかもしれません。

対照的に、右の方にある文化は、調和と共同作業を重視します。 他の人と頻繁に相談しながら仕事をすることを好みますし、複数の人が同時に同じプロジェクトに参加することもよくあります。こういった文化では、従業員は頻繁に上司に進捗状況の報告を出すよう期待されます。

このチャートでは、中国はかなり左の方で、日本は比較的右の方に位置しています。このギャップは、期待される管理方法についての違いを表していると言えます。左側の文化の中国人は、個人が独立的に働ける環境が好ましいと思っています。一方、日本人は右側の文化なので、共同作業的な働き方を好む傾向があります。

このギャップを埋めるために、上記のb) とc) の両方を推薦します。管理方法に関する考え方の違いは、片方の責任ではなく両グループの責任であると言えます。b)をすることによって、日本人マネージャーはなぜ中国人がより高い自由度を望んでいるのかを理解し、中国でも通用するマネージメント法を身に付けることができます。そしてc) をすることによって、中国人は日本人マネージャーがどんなことを期待しているのかを理解し、彼らをより満足させられるような働き方を学ぶことができます。このように両サイドから歩み寄りがあると、文化的ギャップを埋めて、より生産的な職場環境を構築することができるでしょう 。



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