文:いそのゆきこ コーディネーション:ホリコミュニケーション
イラスト:佐藤ワカナ
イギリス人女性の足が太いのは硬水のせい?

From イギリス
イギリスの6割以上の水道水は硬水、その中でも323mg/lと、最も水道水の硬度が高い地域に住んでいる私は、この噂(うわさ)を聞いてドキッとした。確かに足が太くむくれて歩きにくそうなお年寄りをよく見掛ける。一方、カモシカのように飛び跳ねている女学生、ハイヒールで闊歩(かっぽ)する若い女性は皆足が細い。彼女らの足がだんだん太くなり、やがて歩けなくなるのは、本当に硬水のせいだろうか。ちなみに日本の水道水の平均硬度は50〜60mg/l、氷河や雪解け水を使うスイスは東京より硬度が低いそうだ。

硬水は水が通る管に石灰などが付着して詰まり、ボイラーや家電器具の寿命を短くする。これと同じことが人体にも起きていれば大変だ。最近水道水を軟水に変える装置を付ける家庭が増えているが、飲料水の水質保持監察を行う Drinking Water Inspectorate や水道会社、保健省はこぞって飲料水を軟水にしないよう指導している。硬水に含まれている豊富なミネラルこそ私たちの体に必要だからだ。BBCニュースで「水道水は心臓疾患を予防する。硬度が1パーセント上がるごとに心臓マヒが1パーセント減少する」と報道されたこともある。

私が骨折した時、医者に毎日カルシウム錠剤を飲むよう言われた。超硬水地域にいるから過剰でも不足のはずがないと反発する私に、医者は「取り過ぎという人はいない」と骨粗しょう症予防の目標カルシウム摂取表を示した。1日5リットル近くの水道水を飲まないと、私は目標カルシウム摂取量に達しない。コップ1杯の牛乳に250mgだから乳製品で補っても足りない。なるほど錠剤の助けが必要なわけだ。国際骨粗鬆(しょう)症財団の調べでは、イギリスの50歳以上の女性の2人に1人、男性の5人に1人が骨折するという。

老婦人の太い足はカルシウム摂取過剰が原因ではない。太り過ぎの重い体を、カルシウム不足や運動不足で弱り切った足で支え切れなくなって、さまざまな障害が起きるという。足がはれるのは関節リウマチや慢性の肝硬変、心不全などが考えられるそうだ。日本人から見て、西洋婦人のくるぶし辺りが太いのは、正座などしたことがなく、あまり動かさないからではなかろうか。
ロシアでは写真を撮る時笑わない? イギリス人は傘を差さないって本当?
などなど、気になって仕方がない世界の噂、外国人への疑問を大募集しています。
投稿はこちら>>


世界の噂大検証 トップへ