文:冨久岡ナヲ・田中美貴 コーディネーション:ホリコミュニケーション
イラスト:佐藤ワカナ
風邪をひいた時にはお風呂に入ったほうがいいといわれている国がある?

From イギリス

風邪をひいたら長風呂に入り、新陳代謝をよくして治そう! というのがイギリス人。医者へ行っても、「薬なんか要りません。できるだけ熱い温度でいつもよりたっぷりお湯を張ったお風呂に、首までしっかり漬かりなさい。2〜3晩そうしてしっかり眠れば治る」と言われ治療などしてくれない。

普段はかなり浅めの湯でさっさと洗って出てくるお国柄なので、いつもと同じスタイルでの入浴というわけではないようだ。エプソム塩などの粗塩を入浴剤として湯に加える人も多く、薬局ではユーカリ油、しょうがや黒こしょうなどが配合された「風邪とインフルエンザ用バスソルト」を売っている。

また、赤ちゃんが産まれた時に病院でもらう育児ハンドブックを見ると、風邪で熱を出したら、ぬるめのお湯に入れた後、水分を拭い裸のままタオルの上に寝せて体を冷やすこと、と書いてあってびっくり。それでも熱が下がらない場合は、室温より少し冷たい水にスポンジを浸して赤ちゃんの肌をぬらし、気化熱で皮膚の温度を下げろとある。体を冷やすことは大敵! という日本とはとても対照的だ。子どものころから、寝る時は真っ裸になる人が多いという国。心臓が悪くない限り風邪の時の入浴は奨励されている。

From イタリア

イタリアでは、風邪をひいたら風呂に入らないという人が8割ほどを占めるようで、日本ほど厳格ではないが、医者も入らないことを勧めることが多い。基本的にイタリアでは、風邪の時は体を冷やさないほうがよいと考え、温かいミルクやホットワインを飲んだりするのが一般家庭での簡易治療法。風呂の後に体を冷やしてしまうのを危惧してのことだ。そもそも家にバスタブがなく、シャワーだけという家庭も多いので、風邪の時にシャワーだけというのはさすがに避けたいという必然的な理由と、ビデ文化があるイタリアでは、風呂(シャワーを含む)に毎日入らなくてもビデで局部を常に洗っていれば不潔ではないと考える人も多い。元々日本のように毎日風呂に入る習慣はないので、実際のところシャワーさえも毎日は浴びない人や、シャワーは浴びても髪は週に1〜2回しか洗わないという人も結構いる。イタリア人と話していると「今日は風呂に入らなきゃ」、「昨日は髪を洗った」などと特別な事のように話す人もいるほど。日本ほどは風呂に入らない(=体を洗わない)ことへの抵抗がないといえる。

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