執筆 まつだあいこ

ハッピーフライト

ハッピーフライト
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監督:ブルーノ・バレット
出演:
グウィネス・パルトロウ、マイク・マイヤーズ
発売日:2004年11月2日
ポスター写真:www.allposters.com

田舎町に住むドナの夢は世界を飛び回るスチュワーデス。テレビで目にした現役スチュワーデスの言葉に触発され、受けた採用試験に見事合格。順風満帆なスタートをきったかのように思えたものの、配属されたのは国内線。憧れの国際線スチュワーデスを目指し、彼女の挑戦は続く。


我らはファミリー

 田舎娘が国際線の客室乗務員を目指して奮闘するキュートな本作に、80年代ころの雰囲気が漂っているのは挿入歌のせい。オープニングからジャーニーの“Don’t stop believin’”で始まり、主人公が期待に胸を膨らませて仕事の面接へ向かうときにはボン・ジョヴィの“Livin’ on a prayer”、そして愛する人に会いに行くときにはシンディ・ローパーの“Time after time”と、大事なシーンで80年代ヒットソングが使われているのですから。
 極めつけはエンドクレジットに流れるシスタースレッジの“We are family”の替え歌、“We are Royalty”。主演のグウィネス・パルトロウほか出演陣がにぎやかに歌うこの曲は残念ながらサントラには収録されなかったようですが、噂によると本作中のどのシーンよりもウケたとか。ちょっとオリジナルとの歌詞を比べてみましょう。
※厳密にはWe are familyは79年発売です。

オリジナル歌詞 ハッピーフライト版歌詞

※コーラス We are family
I got all my sisters with me
We are family
Get up ev'rybody and sing

Ev'ryone can see we're together
As we walk on by
(FLY!) and we fly just like birds of a
feather
I won't tell no lie
(ALL!) all of the people around us
they say
Can they be that close
Just let me state for the record
We're giving love in a family dose

※くり返し

※コーラス We are Royalty
Frying up as high as can be
We are Royalty
Safety is our policy

There's oxygen masks up above you
in the hidden shelf
Before helping people who love you,
put it on yourself
Here's your seatbelts
And if you don't know, make it nice
and tight
Take a look at exits
They are up ahead and to your left
and right

※くり返し

 お気づきのように、この替え歌は、航空会社の宣伝文句と、飛行機に乗れば必ず聞く機内アナウンスをもじったものです。振り付けの一部には、客室乗務員が機内アナウンスに合わせて行うデモ(最近ではビデオに変わってきていますが)も取り入れています。非常設備の酸素マスク、シートベルト、そして非常口の説明だというのに、曲にうまく乗せて歌われると、こんなにも楽しく聞こえてしまうんですね…。下線部分は機内ではアナウンスされないことも多いですが、酸素マスク利用時の常識です。劇中の乗務員トレーニングのシーンでも出てきました。
 この歌詞の字幕は以下のようになっています。
※すべてタテ表示。/は改行。

私たちはロイヤルティ
空高く舞い上がる
ロイヤルティ航空は
“安全”がモットー

酸素マスクは/頭上から
下りてきます
人を助ける前に
まず自分が着けて
シートベルトは
きちんとお締め下さい
非常口は前方ですよ
それから左右にも

 コーラス部分での「航空」という語の補足のおかげで、歌詞の意図が明確になっています。また、「下りてきます」「お締め下さい」などのいかにもアナウンスらしい語尾の中に、「着けて」「ですよ」とくずした部分があることで、この歌のおふざけ感も伝わっています。
 『バードケージ』や『フル・モンティ』にも使われていた曲だと気づいてニヤリとした映画ファンもいるでしょう。日本語の機内アナウンスを知っていれば、字幕に出た歌詞も楽しめます。でも、本作でのこの曲の面白さは、曲や機内アナウンスのほかに、オリジナル歌詞、そしてオリジナルタイトルを英語で知らねば満喫できたとはいえません。だって、劇中にはマイク・マイヤーズ扮するシャレ好き教官の「訓練生はロイヤルティ航空の特別なファミリーの一員だ」という、セリフによる替え歌への伏線まであるんですよ!

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