執筆 まつだあいこ

口語表現の宝庫、映画。ここでは映像翻訳者のまつだあいこさんが、映画のセリフの中から会話の幅を広げる「使える英語表現」をピックアップし、解説付きでご紹介します。


『アバター(2009)』
英会話に生かせる! 映画フレーズつまみぐい

西暦2154年。惑星パンドラにある希少鉱物採掘のため、人類はこの星に基地を構え、先住民ナヴィとの交流を図っていた。そんな中、双子の兄の急死により、代わりにナヴィとの交流プロジェクトに関わることになった海兵隊員ジェイク。彼は、ナヴィの肉体を使った「アバター」を遠隔操作し、ナヴィの村を訪れるのだが……。

アバター 【初回生産限定】
発売元: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
Chop-chop.
フレーズ活用度:★★★

セリフ抜粋


Grace: Come on, Luise, chop-chop.
グレース:ほら、ルイーズ。急いで


解説


アバターの操作訓練シーンから。消灯時間となり、アバターを開発した科学者のグレースは、皆にベッドに入るよう声を掛ける。Chop-chop. は、「早く早く」「急げ急げ」のように、相手をせかす際に使う定番フレーズ。これは異言語を話す人同士の取引の場などで用いられた、英語と中国語などの混合語(Pidgin[ピジン]英語)に由来している。「速い」を意味する語 chop を2度続けて発話しているもので、つづる場合は2語の間にハイフンやコンマが入ることが多い。Chop-chop. がセリフに登場するのは、『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(09)、『ハムナプトラ/失われた砂漠の都』(99)、『ドッジボール』(04)、『ストレンジ・デイズ/1999年12月31日』(95)ほか多数。

 

こんなふうに使ってみよう


Peggy: OK, girls, chop-chop.(ペギー:オーケー、お嬢さん方。ほら急いで
『The OC』(03-)シーズン1第1話より


あいこのつぶやき


主人公ジェイクたちがパンドラへ派遣された際に、上官から掛けられた言葉は“You are not in Kansas anymore.”(もうここはカンザスじゃない)です。これは「もう住み慣れた場所ではない」という意味で引用されたセリフのため、字幕や吹き替えでは「カンザス」が本作であれば「地球」等に置き換えられ、直訳されません。出典は『オズの魔法使』(39)。主人公ドロシーが故郷カンザスから竜巻で別世界へ飛ばされたときに飼い犬に掛けた言葉(... we're not in Kansas anymore)です。他の映画ではもちろん、日常的にもよく応用されるので、覚えておきましょう。


You see?

『ハングオーバー! 消えた花ムコと史上最悪の二日酔い(2009)』

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