■ほぼ満員のスタジオ。人気クラスに参加する
オープンしてからまだ2カ月半であるにもかかわらず、すでに200人の生徒が通っていることからもその人気度がうかがえる。シャニータのクラスは一番人気とあって、ざっと見てもこの日の参加者は30人以上。男女の比率は1:2といったところだろうか。自分に合ったパート──ソプラノ、アルト、テナーのいずれかを選んで、いざレッスン開始。「でも、ゴスペル初心者がついていけるのか」と不安がよぎったのもつかの間、配られた『WE SING GLORY』の歌詞カードを見てほっと胸をなで下ろす。知っている単語、わかりやすいフレーズ、これならなんとか歌えるはず!
初めてのコンサートとなるジャパン・ゴスペル・フェスティバルが近いこともあり、レッスンはそこで歌う予定の曲のおさらいが中心。中には歌詞カードが手放せない人もいたが、そんな生徒に向かってシャニータは、OK!
OK! No Problem.(歌詞を見ても問題ないわ)と、笑顔で声をかける。そして「曲に入る前に発音の練習をしましょう」と、不思議なフレーズをリズミカルに歌い出した。それは、I
can throw the man in the pan.。この一文に特別な意味はなく、日本語でいう「なまむぎ、なまごめ、なまたまご」のようなものらしい。何度も繰り返すうちにスタジオの熱気も徐々に上がり、いつの間にか腹筋にもグッと力が入る。
カーク・フランクリンの名曲『MY
LIFE IS IN YOUR HANDS』では、make と take の発音に注意することや、「Aメロ・Bメロのことを英語では
verse と言う」などの豆知識を教えてもらう。特に楽しめたのは、Down by the riverside.(川岸を下っていこう)と
Study war no more.*(戦争なんてたくさんだ)の2つのフレーズのみで構成されている『Down By The
Riverside』**で、いつの間にか体がリズムに合わせて動いていることに驚いた。
* Study war no more.は、I ain't study war no more.(これ以上、戦争のことなど学びたくない)と歌われることもあり、聖書に出てくる表現をなぞったもの。
** 奴隷制時代に作られ、伝承された歌。決まった楽譜などはなく、歌い手により節や歌詞が変わる。この日のレッスンは、シンプルにアレンジした歌詞を採用していた。