4 副詞:副詞の位置、before と ago など
 4.1 程度・量を表す this / that
Q  But it isn't that loud. の that はどのような意味で使われているのですか。
A

 口語では、this、that は so と同じように形容詞・副詞の意味を強調し、「こんなに〜、そんなに〜」という意味を表します。質問の文は「でも、それはそんなにうるさくないよ」という意味です。

 Is it this cold every day?
 (毎日こんなに寒いのですか)

発展解説
「この(あの)ような〜、この(あの)種の〜」という類似を示したいときは、like this [that] や this [that] sort of 〜を用いることができます。

 I want to have a house like that.(あのような家が欲しい)
 「〜ような」に惑わされて(×)like such a house などとしないように注意しましょう。

4.2 副詞句の順序
Q  I'm supposed to meet a friend in front of the Sears Tower at 2:00.(私はシアーズタワーの前で2時に友達と会うことになっているの)では、in front of the Sears Tower が長いので、at 2:00 in front of the Sears Tower と入れ替えたほうがいいのではないですか。
A

 副詞句は「場所+時」の順に並べるのが普通ですが、実際には、副詞の順番はさまざまです。迷ったら次のふたつの原則に従いましょう。

1 文の最後のほうに(聞き手にとって)新しい情報、大切な情報を置く
2 長い語句、文構造が複雑なものは文の最後のほうに置く

(1) in front of the Sears Tower at 2:00と (2) at 2:00 in front of the Sears Tower を比べると、(2) は長い in front of the Sears Tower が文の最後のほうにあり、原則2にのっとっています。ただ特に at 2:00 を強調して伝えたいのであれば、原則1にあるように (1) のほうが適切です。何を伝えたいのかによって判断しましょう。

4.3 副詞の位置
Q  My presentations probably aren't that exciting.(僕のプレゼンテーションは、たぶんそれほどおもしろくないだろう)は My presentations aren't probably that exciting. となるのではないですか。probably のような副詞は、be動詞の後ろに置くと習ったのですが。
A

 probably(たぶん)は文全体を修飾する副詞です。このような副詞の位置は、原則として次のいずれかです。

  • 文頭(直後にコンマを付けることが多い)
     Naturally, he was dissatisfied with the results.
     (もちろん、彼はその結果に不満だった)

  • 一般動詞の前、be動詞・助動詞のあと
     He surely knows the truth.
     (彼はきっと真実を知っている)

 以上の原則から言えば、質問の文は My presentations aren't probably 〜 となるのですが、aren't、can't、don't のような縮約否定形がある場合、副詞はその前に置かれることが多いのです。そのため、My presentations probably aren't 〜 となります。
 なお、文中における副詞の位置はかなり自由で、はっきりと決められるものではありません。原則によらない用法に出合っても柔軟に理解しましょう。

発展解説
really のように、意味によっては縮約否定形の前にもあとにも置かれるものがあります。(2) は (1) より否定をいっそう強調する形です。

(1) I don't really like apples.
 (私はリンゴがあまり好きではない)
 *I don't like apples very much. とほぼ同じ意味
(2) I really don't like apples.
 (私はほんとうにリンゴが嫌いだ)
 *I don't like apples at all. とほぼ同じ意味

4.4 once と動詞の形
Q  I went on a trip to Germany once.(私は以前、ドイツに旅行に行った)は副詞 once があるので、I've been to Germany once. のように、現在完了形にするべきではないのでしょうか。
A

 副詞の once は意味によって、さまざまな形の動詞とともに用いられます。質問の文の once が「かつて、今まで一度だけ」という意味なら、現在完了形になりますが、「以前、昔(一度)」のように漠然と(過去の)ある時を表すなら過去形になります。次の例文で意味の違いを確認しましょう。

  • 「かつて、今まで一度だけ」という意味のとき
    I've been to Germany once. は「私はかつてドイツに行ったことがある」を意味します。
     We've met only once.
     (私たちは今までに一度だけ会ったことがある)

  • 「以前、昔(一度)」と(過去の)ある時を表すとき
     I went on a trip to Germany once.(私は以前、ドイツに旅行に行った)はこの例です。
     Once there was a king.
     (昔、ひとりの王様がいました)

発展解説
なお、次の例文は「今」を中心にして過去から未来にわたって習慣的に繰り返される動作を表すので、現在形が用いられています。この場合の once は「(2度、3度ではなく)1度」という意味を持ちます。

 I have a nightcap once a week.
 (私は週に1度、寝酒を飲む)

4.5 only の位置
Q  We only allow two pieces of carry-on luggage per person.(機内持ち込み手荷物は、おひとりさまにつき2個だけです)は only が two pieces of carry-on luggage を修飾しているので、We allow only two pieces of carry-on luggage 〜 とするべきではないでしょうか。
A

 only の文中における位置はかなり自由なので、We only allow two pieces of carry-on luggage 〜 でも We allow only two pieces of carry-on luggage 〜 でも誤りではありません。

 ただし only は原則として、主語を修飾するときには主語の前、文のほかの要素(動詞や目的語など)を修飾するときは一般動詞の前、be動詞・助動詞のあとに置かれます。We only allow two pieces of carry-on luggage 〜 はこの原則にのっとって、一般動詞 allow の前に only が置かれています。

例1 Only you understand me.
  (あなただけが私を理解してくれる)
 *主語 you を修飾しているので、you の前に置かれている
例2 I only do housework on Mondays.
  (私は月曜日だけ家事をする)
 *on Mondays を修飾しているので、一般動詞 do の前に置かれている

発展解説
なお、たとえば I only ate oysters. の場合、(1)「私はカキを食べただけだ(ほかには何もしなかった)」と (2)「私はカキだけを食べた(ほかのものは食べなかった)」という2通りの解釈ができます。このような場合、会話などでは、どの語句を修飾するかは強勢によって示します。(1) の意味なら ate を強く言い、(2) の意味なら oysters を強く言えばいいわけです。

4.6 代名詞的な so
Q  You were hungry, and so was I.(きみは腹ペコだったし、僕もそうだった)の so は、何を指しているのですか。

A

 この so は hungry の代わりをしています。このように so は、話題にされたばかりの物や人・状況などと同じであるという意味の文を導くのに用いられます。この場合〈so+助動詞(be動詞・have)+主語〉のように倒置されます。助動詞は普通、前の文と同じものですが、助動詞がなければ do が使われます。

 Alex can dance beautifully, and so can his brother.
 (アレックスはダンスが上手だし、彼の弟もそうだ)
  "I love beer." "So do I."
 (ビールが大好きなの――私もよ)

 なお、so がこのように用いられるのは肯定文でだけです(否定文を作るための同様の組み合わせについては「4.7 Me either. はOKか」を参照)。

発展解説
相手が言ったことを認める(同意を示す)ときに〈so+主語+助動詞(be動詞・have)〉の語順になることがあります。

 "You left your glasses on the table." "So I did!"
 (テーブルに眼鏡を忘れたでしょ――あら、ほんとだわ!)
 *ここでは驚いて同意する気持ちを表している

4.7 Me either. はOKか
Q  I didn't think the Giants were going to lose.(ジャイアンツが負けるとは思わなかった)に「僕もだ」とこたえるとき、Me neither. と Me either. のどちらが正しいのでしょうか。
A

 「Aは〜ではない」という否定の文に対して「私も(〜でない)」と言うときに、会話では Me neither. も Me either. も慣用的に使われます。ただし Me either. は、肯定文で「私も」とこたえるときに使う Me too. から派生した略式の表現で、Me neither. に比べると使用頻度はかなり低くなります。

 "I don't like love stories." "Me neither."
 (恋愛小説は好きじゃないわ――私もよ)

 I didn't think the Giants were going to lose. に「僕も思わなかった」とこたえるときには、Me neither. 以外に次の3通りの言い方があります。

(1) Neither did I.
(2) I didn't think so either.
(3) Nor did I.

 (3) は非常にフォーマルな言い方になります。(2) のように not 〜 either を使う場合は主語と動詞は普通の語順になりますが、neither か nor のあとでは (1)、(3) のように主語と動詞が倒置されることに注意しましょう。

4.8 過去分詞を修飾するのは very か much か
Q  過去分詞の前では very ではなく、much を用いるべきだと習いましたが、I was very surprised to see her in Venice.(ベニスで彼女に会って、すごく驚いたよ)のように very を使った例もよく見かけます。どのように使い分けるのですか。

A

 very か much かは過去分詞の表すものによって決まります。次の場合は very を使うのが普通です。

  • (動作ではなく)状態や性質を表すとき
    この場合、過去分詞はほぼ形容詞と考えられます。

     I'm very tired.
     (私はとても疲れている)
      a very worried look
     (とても心配そうな表情)

  • 心理状態を表すとき
    質問の文の surprised は、この例に当たります。

     I was very interested in the subject.
     (私はその問題にとても興味があった)

    一方、動作を表す過去分詞は much か very much で修飾します。
     Many dishes are much improved / very much improved by adding salt.
     (塩を足すと、とてもおいしくなる料理は多い)
4.9 before と ago
Q  「彼らは3日前にストに突入した」を They went on strike three days before. と言うのは間違いですか。
A

 間違いです。(○)They went on strike three days ago. と言わなくてはいけません。ago と before の区別は次のように考えましょう。

  • ago
    現在を基準にして「〜前」を表す。
     Harry left the office about half an hour ago.
     (ハリーは約30分前に会社を出た)
     *現在よりも「約30分前」のことである

  • before
     過去のある時を基準にして「その時より前に」「その時より早く」ということを意味する。
     I told her that I had seen Harry about half an hour before.
     (私は彼女に、約30分前にハリーに会ったと言った)
     *「彼女に話した」という過去の時点から見た「約30分前」である

 「彼らは3日前にストに突入した」は「現在を基準にして3日前」ということなので、before ではなく、ago を用います。たとえば質問の文は、That day, the papers said that they had gone on strike three days before.(その日、彼らは3日前にストに突入したと新聞が報じていた)のように変えれば、正しい英文になります。

発展解説
なお before は、期間を表す表現を付けずに単独で用いると、漠然と「(今より)前に、今までに」を表します。その場合、用いる動詞は原則として「現在完了」か「過去」です。

 I have seen him before.
 (私は以前、彼に会ったことがある)
  They were as prosperous as before.
 (彼らは相変わらず景気がよかった)
 次のように単独で「過去のある時点よりも前」を表す場合もあります。その場合、用いる動詞は「過去完了」です。

 I knew I had met him before, but I couldn't remember when.
 (僕は以前彼に会ったことがあるのはわかっていた。でもいつ会ったのかは思い出せなかった)


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