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“Tips”とは「ヒント」や「コツ」、そして「秘けつ」を表す英単語。身近な映画やテレビ番組の字幕・吹き替え翻訳からあなたの英語学習に役立つ“Tips”を見つけてください。

5月の字幕『キラー・エリート』より

もう限界だ 足を洗う

英文スクリプト
I'm done with this. I'm finished.
解説

特殊任務を専門に請け負う凄腕(すごうで)の殺し屋ダニー。仲間とともに日々、極秘任務に駆り出される彼は、その残虐で過酷な仕事に疲れ果てていた。

今回のセリフは映画の冒頭で、ダニーがいつものように極秘ミッションを遂行しに行った時のシーン。ターゲットが乗っていると思われるリムジンを襲い、ドアを開けるとその中には子どもがいた……。どうしてもその子どもに引き金を引くことができなかった彼は、その隙に狙撃されてしまう。自身の限界を悟り、思わず漏らした一言。

done with〜は「〜と関係を断つ」、finishedは「終わった」という意味で、直訳すれば「こんなこと(特殊任務)なんかとは関係を断つ、もう終わりだ」となります。これをそのまま縮めて「もう辞める 終わりだ」というような字幕にしても間違いではありませんが、ここでは、もう少し話者の心情が強く伝わるような言葉選びをしたいものです。

先にも述べたように、この場面は暗殺の現場に子どもがいたことで心が動揺し、その一瞬の隙に攻撃されてしまったダニーのセリフです。殺し屋の世界では一瞬の気の迷いや、感情の揺れが命取りになります。そこで、子どもを殺すことができなかった自身の殺し屋としての限界を悟った人物が語るセリフですから、前半のI'm done with this.は「もう限界だ」というぐらいの強い語彙を選ぶ方がよりよいでしょう。

さらに、後半のI'm finished.の部分は「もう終わりだ」や「仕事を辞める」といった訳にしてもOKですが、ダニーは裏社会で生きる人間なので、「足を洗う」という、それらしい翻訳にしています。

『キラー・エリート』(原題:Killer Elite/2011年)

衝撃の実話を基に描かれるサスペンス・アクション!

元SAS(Special Air Service=英国陸軍特殊部隊)隊員の実話を基にしたベストセラー小説を映画化したアクション。殺し屋を引退したダニーのもとに1通の手紙が届いた。師であり相棒でもあったハンターが、オマーン首長の息子3人を殺した男たちへの報復という依頼に失敗し、捕えられたという。彼は、その救出のために戦線復帰を余儀なくされる。課せられたミッションは、精鋭ぞろいの元SAS隊員3名を事故に見せかけて抹殺することだった。

監督:ゲイリー・マッケンドリー
主演:ジェイソン・ステイサム、クライヴ・オーウェン、ロバート・デ・ニーロ他
公式サイト: http://killer-elite.jp/
配給:ショウゲート