今回の課題のポイントは主人公の心情を正確に読み取ることにあります。その後チルダースが資金提供者の家に行くと、5,000ドルを要求したチルダースに対し、渋る提供者が差し出したのはたったの150ドル。生活が苦しいと言いながら、豪華な自宅で贅を尽くしたバーベキューパーティーを開くその人物に、チルダースが怒りを爆発させます。
悲惨な状況に置かれている子どもたちを尻目に、自分たちだけが安穏な暮らしをしているという憤懣やるかたない気持ちを、単に“住んでいる”ではなく、『住みやがって』という語尾に表現しています。
更に、もう1つ重要なポイントは「タージ・マハル」の訳出方法です。タージ・マハルは、インド北部に位置するユネスコの世界遺産。ムガール帝国の皇帝が、亡くなった王妃のために22年の歳月をかけて造営したと言われており、国家的大事業として莫大な資金を投じた墓廟。試しにインターネットで画像検索をしてみれば、白くそびえ立つ豪華絢爛な建築物だと一目でわかるでしょう。サムが言った「タージ・マハル」という固有名詞は、「豪邸」という言葉を効果的にするために使った、単なる比喩表現です。このシーンはアメリカという設定ですから、実際にタージ・マハルに住んでいるわけではありません。
英語は比喩表現が豊かな言語ですから、何かを説明する時に画的なイメージでものを伝えることが少なくありません。比喩表現をそのまま使ったのでは、視聴者に伝わらない可能性がある場合は、その本意をくみ取って分かりやすい言葉に置き換えてあげましょう。