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***ビジネス英語通になるための25話***
第11話
■実務文書で気を付けたい表現
今回は、英文の実務文書で数字や日数を扱うときの基本的な約束ごとを見ておきます。
例えば、年金の運用を任される投資顧問会社は、年間顧問料率を運用資産が30億円以下なら0.5パーセント、30億円超100億円以下が0.4パーセントという具合に定めたりしますから、30億以下か、30億超かで、300万円の違いがあります。また、債券を発行する場合、発行額が50億円というのはざらにあります。仮に年利3パーセントで発行総額50億円とすると、一日当りの金利は40万円。1日、2日の違いぐらいいいじゃないか、とのんきなことを言ってられません。
ところが立派な英和辞典が、意外にもこういったことに無頓着なのには驚かされます。例えば「○○未満」を意味する under の項を引くと次の説明が目に止まり、思わず読み返しました。
…より少なく、…以下(less than)
―― a match between under forties and over forties 40歳以下と40歳以上の対抗試合
まず under は「未満」を意味し、基準となる数字を含まない言い方ですから、訳として示されている「以下」は誤りです。一方、カッコの中の
less than は「未満」を指す言い方ですから何を言おうとしているのかさっぱり分かりません。
もっと分からないのが例文です。英文を読むと40歳未満の人と40歳を超える人しか参加できず、40歳ちょうどの人はどちらのチームにも入れずに気の毒な様子が浮かびます。ところが訳文では、40歳ちょうどの人はどちらのチームに行くべきか悩むことになります。
under の項だけがおかしいのかと思い、その辞典で less than と over を引くと、次のようになっていました。
- less than …以下の、…を下回る
- over …を越えて、以上 (more than) ―― over a mile 1マイル以上
そもそも less than は基準値を含まない言い方ですから、「以下の」では困ります。また over は基準値を含まずに、それより大きい数字ということですから、「以上」はやはり間違いと言わざるを得ません。もっとうるさいことを言えば、この場合は、ものの上方を通り越すのと違いますから、「超えて」と書くべきです。
一方、よく分からないのが、カッコ内の more than です。これを見る限りでは over が more than 同様、基準値を含まないことがわかっているようでもあるのですが、どっちつかずで終わっています。
考えがまとまらないうちに出版されたのでしょうか。
ここで、「以上」「以下」といった言い方をまとめておきましょう。
- 100万未満(100万は入らない)
less than 1 million
- 100万以下/100万まで(100万は入る)
1 million or less / up to 1 million / not
exceeding 1 million
- 100万以上(100万は入る)
1 million or more / no less than 1 million
- 100万超(100万は入らない)
more than 1 million / in excess of 1 million
■日数の表現にも注意
こういった、基準点が入るか入らないかの問題は、以下のとおり日数に関してもあります。
- after Friday 金曜日は入らない
- before/prior to Friday 金曜日は入らない
この点、「仕事の英語はこれで万全!」という帯のついたビジネス英語の本の中に、Please be sure to apply before
December 1. とあり、訳文が「12月1日までにお申し込みください」となっていましたが、1日に出向いて受付は昨日で終了しましたと言われるようでは、万全とは言えますまい。
- up to / through Friday 金曜日は入る
- from Friday 金曜が入らないという説もある
以上の場合に、当日も含まれることを明示したいときは、inclusive を入れます。月曜から金曜までで、月曜も金曜も計算に入れるのなら、from
Monday to Friday both inclusive というふうに表現します。
- on and after Friday 確実に金曜が入る言い方
- on or before Friday 確実に金曜日が入る言い方
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