監修 日向清人

***ビジネス英語通になるための25話***

第23話

■営業年度と決算期

 今回は、企業業績を集計し、発表するための時間的区切り、すなわち営業年度/事業年度および決算期を取り上げます。営業活動の収支をとりまとめ、業績の善し悪しを確認するため、企業は原則として1年ごとに決算をします。この期間が、営業年度ないしは事業年度であり、年度末が決算期です。英語では fiscal year(アメリカ式)または financial year(イギリス式)で、決算期は year end と称されます。なお、決算期はこのように年度末という一定の時点であるのに、あたかも期間であるかのように訳す方が多いのが気になります。

  省略形は両者とも FY で、2000年度なら FY2000 ですが、表記に関して注意を要するのは、 FY と 2000 の間にスペースを入れない点です。 日本企業の営業年度は、大多数が4月1日に始まり翌年の3月末に終わりますが、アメリカ企業の場合は多くが暦年 (calendar year) どおりで、1月1日に始まり、12月末に終わります。こういった営業年度を英語で説明するときは以下のように言います。最初の2つが普通で、最後が定款などで使う改まった言い方です。

  • Our fiscal year begins on April 1 of each year and ends on March 31 of the following year.
 または(もっとあっさりと)
  • Our fiscal year runs from April 1 through March 31 of the following year.

  • The fiscal year of the Company shall commence on April 1 of each year and end on March 31 of the following year. (改まった言い方).

  注意を要するのは、単に fiscal year 2000 とある場合、日本人なら2000年の4月から始まる年度だと理解するのに対して、英米の人は2000年に年度末つまり決算期が到来する年度だと受け取ることです。わが国の経済紙もこういう欧米式の言い方を意識しているのか、(一般の人が考える)2000年度を指して2001年3月期と言います。英語で言えば fiscal year ending (or ended) March 2001です。

  XYZ社の2001年3月期の最終利益は10億円だという場合、XYZ posted (or reported) a net profit of 1 billion yen for the full year ending March 2001. ですが、ここで言う full year は後で説明する四半期や半期に対しての「通年」ないし「通期」のことです。なお9月中間決算を言うときは、for the half-year ending September あるいは in the first half of the fiscal year ending March 2001 と言います。

■四半期、半期の表現の仕方

 以上、1年単位の決算の話をしてきましたが、アメリカ企業は3カ月ごと、つまり四半期 (quarter) ごとに決算をするのが普通で、第1四半期決算であれば、first-quarter results です。

  第1四半期、第2四半期は first quarter, second quarter が一番普通ですが、より具体的に January-March quarter, April-June quarter といった言い方も結構使われます。会社によっては第1四半期が必ずしも1〜3月期ではありませんから、そのあたりを考えたためでしょう。簡単に書くときは、1Q、2Qと省略します。なおわが国の大手企業で四半期ごとに決算を発表しているのはまだ50社前後しかありません。

  「四半期」以外に、「半期」もよく出てきます。年度最初の6カ月、つまり上期は first half または first fiscal half 。後半6カ月、つまり下期は second half または second fiscal half で、表の中ではよく1H、2H と省略されます。

  なお、 fiscal year / financial year の訳で一番よく見る間違いは、民間企業の営業年度なのに、普通、国や自治体の財政についてしか言わない「会計年度」とするものです。会社勤めの経験がある人なら営業年度/事業年度と言うべきところを会計年度と言うことはまずないでしょうが、どうしたものか、ビジネス英語関連の本でよく「会計年度」を見かけます。語るに落ちるとはまさにこのことです。


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