第49話:住所(address)と王の(royal)
「向ける、導く、支配する」のイメージを持つ語根“regere”
学生:今回は「語源ランキングトップ50」で第7位の“regere”(向ける)ですね。“regere”を語源に持つ単語を予習してきました。例えば
address(住所)がそうですよね。address
の語源は a(…に)+L.dirigere(向ける、送る)と辞書にありました。address
というのは「何かを送り届ける所」という意味なのですね。
松澤:よくできました。ラテン語の dirigere は to direct(真っすぐに向ける、指導する、支配する)という意味です。dirigere はさらに、di(離れて)+rigere(to be still [固くする])に分解できます。
学生:rigere は“regere”とスペルが違いますね。
松澤:鋭いですね。ラテン語の rigere(固くする)と“regere”(to
guide、to direct [向ける、支配する])は、フランス語に派生して以来、混同して使われています。「語源辞典」では“regere”と
rigere を一緒に扱っています。また、rigere
を語根に持つ rigid(固い)も一緒にしてあります。
学生:“regere” は「向ける」、rigere は「固くする」ですよね。少し違いますね。
松澤:“regere”(向ける)の意味が残っているもので典型的なのは、英語の direct(真っすぐに向ける)です。direct は dis-(真っすぐに)+“regere”(向ける)に分解できます。dis- は「離して」、という意味のほかに、「まったく」という意味があります。英語の direct の元になったフランス語は diriger(管理する、指導する)です。本来ならば direger となるはずが、diriger と e が i になってしまいました。フランス語にも direct と同じスペルで direct という単語があります。フランス語の direct(直線的な)は形容詞ですね。
学生:またまたフランス語と英語がほとんど同じだという例ですね。ところで、royal(王の)の語源も“regere”(支配する)みたいですが、loyal(忠実な)といつも混同してしまいます。語源から区別できないかなあ。
松澤:royal(王の、王家の)の語源は“regere”(支配する)から来ているので r でいいですね。loyal の語源はラテン語の legalis(法律)から来ています。またラテン語の legare は「代理する、ナンバー2として行動する」という意味です。つまり r の方が主人で l はその家来と覚えるとよいでしょう。loyal は「法律や主人に忠実に従う」というイメージから、「忠実の」という意味で使われています。
●関連語彙
correct:正しい、訂正する
cor-=com=con(=with [一緒に])+L.regere(=to rule、guide [支配する、導く])
erect:直立の、直立させる
e-(=ex [完全に])+L.regere(=to rule、guide[支配する、導く]) = まっすぐ上に出る
escort:警護する、護送する、お供をする
es-=ex-(=out [外に])+cor-=com-(共に)+L.regere(=to rule、guide [支配する、導く])
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