記述式問題の変更

 検定試験の長い1日の終わり、試験IIIの最後に、記述式の問題が1題あります。その時間まで、聴解試験も含めて、4択あるいは一部5択のマークシートを塗りつぶしてきた鉛筆で、今度は原稿用紙形式の升目を文字で埋めていかなければなりません。  記述式の問題は、以前は、学習者の誤用を指摘して訂正する問題とか、新人教師や日本語教育実習生の授業の様子が紹介されその中の問題点を指摘して改善案を出すような出題などでした。教育の実技試験を実施したいがそれは無理なので、代わりに記述式で実技的な知識・能力を試すというような意味合いがありました。


検定試験の改定と、新しい記述式問題

 1987(昭和62)年度から始まった検定試験は、2003(平成15)年度に、出題範囲の変更を伴う大きな改定が行われました。そし て、2011(平成23)年度に、また改定がありました。日本語教育の多様化、細分化が進んで一つの試験ではそのすべての領域に対応できないという状況に応じたものです。今回の改訂では、出題範囲の変更は行わず、従来の出題範囲の表の項目を「基礎項目」とそうでないものに分け、基礎項目の中から優先的に出題するように変わりました。

 同時に、「記述式」の改訂も行われ、ここでは、論理的説明能力を問うとされています。テーマが与えられて、それについてどう考えるかを 答える形式です。イメージとしては、大学入試などで行われる「小論文」の形式などを考えればいいのでしょうか。従来の記述式問題は、幾つかの 小問に分かれていて、1問については30字とか50字、長くても120字以内程度で答えるようになっていましたが、文字数が400字程度と変更されています。つまり、論理的な文章を書く練習をきちんとしておくことが必要になったわけです。

 改定の際の問題例として、「ら抜き言葉」や「れ足す言葉」などの日本語の乱れに関する例題が示されました。日本語の乱れについてどう考えるか、その考えを授業の中でどう反映させようとするか、考えを述べよというものです。また、短期留学生の会話の授業で「間違ったところはすべて直してほしい」という希望を受けたが、間違いの指摘・訂正をどのように扱うか理由と共に述べよというのが、改定後最初の2011年の記述式問題でした。

 考えや主張の是非は問わず、その伝え方を論理性と日本語力の両面から測るとされていますが、上記のような内容について、意見を出し、論理的に述べることができるようになっていなければなりません。





日本語教育能力検定試験ナビ トップへ  



  • アルコムワールドで日記を書く

メルマガ登録

JSST

アルクオンライン日本語スクール

アルク日本語教育公式Facebookページ