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異文化とコミュニケーション―どう勉強するか

 現行の「出題範囲」の表は、2011(平成23)年度から「基礎項目」とそれ以外のものに仕分けが行われましたが、本体自体は2003(平成15)年度に改定されたものです。そのときの変更によって加わった分野で目立つのは、「言語と心理」の区分、それに「異文化」あるいは「コミュニケーション」をキーワードとする幾つかの項目でした。

  心理に関する部分は、一つの塊になっているのでまだ分かりやすいものです。記憶・視点や認知言語学などを中心とする「言語理解の過程」、それに言語の習得過程や中間言語・バイリンガリズム・学習ストラテジーなどの「言語習得・発達」などを、講座のテキストや入門書に従って勉強していけば、間違いなく全体をとらえられるという安心感があります。

 これに対して、「異文化」あるいは「コミュニケーション」をキーワードにする項目は、「出題範囲」を五つに分けた区分の、「1.社会・文化・地域」から「5.言語一般」までのすべてに顔を出しています。どう勉強していったらよいのか、悩むところです。


 

順番につぶしていく

 異文化、あるいはコミュニケーションについて、一つの塊として勉強できるものなら、「出題範囲」の表の中でこれほどばらばらな場所に散らばしてあるはずがありません。つまり、これらのキーワードを持つ項目は、それぞれが別個のものであるとして勉強を進めていく必要があり、一つずつの項目を順につぶしていかなければならないのです。

  例えば「異文化接触」の項目であれば、「1.社会・文化・地域」に分類されていることからも分かるように、「学習者の多様化」と関連する内容を持っています。「異文化理解と心理」は「3.言語と心理」に分類されている通り、社会的スキルや異文化の受容・適応を扱う、個人の心理に関連する側面を扱います。

  日本語教育に限らず言語の教育では従来、ともすれば、音声や語彙、文法といった言語そのものの教育が主体となりがちでした。けれども、言語を言語としてだけ学んでも使いこなせるようにはなりません。

  言語の違いだけではなく文化の違いまで視野に入れないと、外国語教育は成功しないという視点で取り組む必要があります。文法や語彙などを教えていれば済むわけではないのです。文脈での使われ方を学び、コミュニケーションを成り立たせるようになって初めて言語学習は成功するのだという考え方で、教師も取り組んでいかなければなりません。そういう意味で、「異文化」「コミュニケーション」という言葉が、今、それぞれの分野の中で重視されているのです。





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