HOME > 日本語・日本語教師 > 日本語教育能力検定試験ナビ > 20. 思考能力を問われる問題


 検定試験の形式と内容は2003(平成15)年度から変更され、出題範囲や配点、試験時間などが変わりました。試験の内容も、それ以前は知識をきちんと積み上げさえすれば合格点に届いていたのが、知識だけでは解けず頭で考えて答えを出さなければならない問題が増えました。やみくもに記憶力に頼っているだけでは通用しないのです。


 例えば、2004年に起きた新潟県中越地震のときに、日本語に不慣れな人々が十分な情報を得ることができず避難所で混乱した件が取り上げられたことがあります。その中で、中国・フィリピンほか、さまざまな出身者のいる避難所で毛布と水の配給についての掲示を出す場合に、どんな表記が適当かを選ぶ問題がありました。


  平仮名だけのもの、漢字仮名交じりで漢字に振り仮名を付けたもの、ローマ字のものなどの中で、どれが一番よいかというのです。

 


   

どう勉強するか

 

 これは、日本語教師養成や検定対策講座の授業で普通に教わるような内容ではありませんでした―この出題があった年以降、取り上げられるようになりましたが。与えられた条件を踏まえて、自分の頭で考えなければいけない問題です。ちょっと考えてみましょう。


 日本に住む外国人の母語はさまざまで、特にアジアの出身者の中には、英語ができないだけでなく、ローマ字を苦手とする人たちもいます。そして、少なからずいる漢字圏出身者については、せっかく持っている漢字の知識を利用しない手はないと考えられます。つまりこの問題の正解は、振り仮名付きの漢字仮名交じり表記ということになります。


 問題解決能力や現場対応能力を問う問題は、このような「社会・文化・地域」の分野だけでなく、言語分野、教育分野のすべてにわたって出題されています。そしてこういった能力は、検定の対策に必要なだけでなく、将来教育の現場に出たらすぐに必要になるものでもあります。


 過去問や模擬問題で、考える訓練を繰り返しておきましょう。時間を限って時間内に解答していく練習もしなければなりませんが、問題解決能力や現場対応能力を問われる問題の訓練としては、最初は多少時間をかけても、最後まで考え抜いて解答にたどり着く練習も必要です。




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