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| 「『合格するための教授法37』の「37」は、名前のミナに合わせました(笑)」 |
−小林先生が日本語に興味を持ったのはいつだったのですか。
小林 中学生のとき、国語の文法の授業で、「動詞の終止形はすべてウ段で終わる」ということを習いました。「今まで何気なく使っていた言葉の背後に、そういう仕組みがあったのか!」と衝撃を受けて、それからは品詞分解が生きがいのようになりました(笑)。
高校に入ってから習った古典文法も大好きでした。高校の教科書には、内容を解説する「教科書ガイド」というものがあります。当時、古典の教科書ガイドの内容にはいくつか間違いがあって、その間違いの箇所は、テストに出やすいんです。だからわたしは教科書ガイドの「正誤表」を作って、クラスメートにコピー代実費で売っていました。古典文法の好きな生徒などほかにいなかったので、少し変わっていると思われていましたね(笑)。
大学は日本文学科に進み、4年生のときにアルバイトで稼いだお金をはたいて日本語教師養成講座に通いました。大学を卒業してから数年は、地域のボランティア教室やプライベートレッスン、日本語学校の非常勤講師をして食いつなぎました。日本語教師として働き始めてから30年経ちましたが、面白くて日本語教育から離れられません。
−小林先生にとって、「面白くて離れられない」日本語教師の醍醐味とは何でしょうか。
小林 人が新しい言葉を学ぶというのは、素晴らしく創造的な営みです。その現場に立ち会えるのは何にも替え難い経験です。
クラス分けのインタビューテストを行ったときのことです。日本語をよく話せる中国人の学習者が、「中国のどこから来たんですか」という質問に対して、「そうですねー、北京です」と答えました。「そうですねー」の不自然な使い方を不思議に思って、後日、なぜそう言ったのか聞くと、「日本のドラマやアナウンサーの言葉は普段使わない不自然な日本語です。だから、わたしは街頭インタビューや視聴者参加型番組を参考にしています。その中で、日本人は答える前に、『そうですねー、あのー、えーと』と必ず付けるので、使いました」と答えました。「ではなぜ、『あのー』や『えーと』ではなくて『そうですねー』を使ったのですか」と聞くと、「目上の先生に答えるときは『です』を使って丁寧に言った方がいいからです」。
たしかに、この文法は正しくはありませんが、ここまで自らで新しい文法を作りあげているのかと感動しました。このような学習者の、学びたい気持ちに応えられるように、教師は日々成長する努力を怠ってはいけませんね。
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| 日本語教師の卵たちが集う、研究室で |
−「成長していく教師」になるには、何が大切でしょうか。
小林 実際に行った授業を振り返るとき、「時間配分がうまくいかなかった」「指示がうまく伝わらなかった」と反省するだけではなくて、例えば「どうして時間配分がうまくいかなかったと思うのか」「どうして指示がうまく伝わらなかったのか」と、「どうして」をよく考えましょう。自分の失敗を見つめることは、精神的にタフでなくてはできない作業ですが、それが必ず成長につながります。
また、基礎体力をつけることが大切です。フィギアスケートでいきなり3回転半回ろうとしても無理で、腹筋を付けたり、走り込んだりすることが必要です。日本語教育も同じで、表面的なテクニックを覚えるだけでは、応用がききませんから、地道に基礎を積んでください。基礎を積む一歩として、検定試験に挑戦するのは意味のあることですね。
−検定試験の中でも、「教授法」は教室活動について多く学ぶ分野です。まだ実際に教壇に立っていない人は、どのように勉強するのが効果的でしょうか。。
小林 おすすめなのは、自分の部屋でもリビングでもいいので、実際に立って、声を出して、想定した授業をしてみることです。市販の教え方のDVDを見る、授業見学をする、など教室場面のイメージを膨らます手はいくつかあると思いますが、学習者との距離や、話すテンポ、声の大きさはどのぐらいがいいかなど、やってみないとつかめないことはたくさんあります。
『合格するための教授法37』の中の教室活動に関する箇所を勉強するときは、是非自分の体を動かして、授業の様子をつかんでください。将来、実際授業に入るときに、役に立ちますよ。
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