Presented by 世界の日本語教室から

世界の日本語教育Q&A

世界の日本語教育に関する素朴な疑問を、わかりやすく解説します。

Q1世界中で、どのくらいの人が日本語を勉強しているの?
Q2日本語は、どんな国で勉強されているの?
Q3どんな人たちが日本語を勉強しているの?
Q4なぜ、日本語を勉強しているの?
Q5日本語って、どんな人が教えているの?


Q1 世界中で、どのくらいの人が日本語を勉強しているの?

 
A 約300万人の人が日本語を勉強しています。
   国際交流基金が3年に1度実施している「海外日本語教育機関調査」(以下、機関調査)の2006年調査結果によると、297万9,820人という結果が出ています。ただし、この数には、テレビやラジオの日本語講座、個人教授などで日本語を学習している人は含まれていないので、実際はもっと多くの人が日本語を勉強していることになるでしょう。
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Q2 日本語は、どんな国で勉強されているの?

 
A 海外の133カ国で勉強されています。
厳密には126カ国と7地域)
   東アジア、東南アジア、南アジア、大洋州、北米、中南米、西欧、東欧、中東・アフリカの9つに分けて、機関数・教師数・学習者数の分布を見ると、全機関の4割強、全教師の5割強、全学習者の約6割が、東アジアに集まっています。学習者数が東アジアに次いで多いのは東南アジア(14.8%)で、次に大洋州(13.4%)が続きます。アジアと大洋州だけで全学習者数の約9九割を占めています。
 学習者の数を国別に見ると、韓国が約91万人で1位、次いで中国が約68万人、3位はオーストラリアで約36万人となっています。

学習者数の国別構成
グラフ
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Q3 どんな人たちが日本語を勉強しているの?

 
A 約6割は、初等・中等教育機関で勉強している子どもたちです。
  学習者数の教育段階別割合
 日本語教育機関を、初等・中等教育機関(小学校、中学校、高校など)、高等教育機関(大学院、大学、短大、高等専門学校など)、学校教育以外の機関(語学学校、大学などの公開講座、生涯教育機関、企業内語学研修など)の3つに分けると、海外の日本語学習者の6割弱は、初等・中等教育機関の学習者です。高等教育機関の学習者が約2割半、学校教育以外の機関の学習者が約1割半ですが、2006年の機関調査では、学校教育以外の機関で学習者の増加率が一番大きいという結果になりました。

日本語教育の地域別特徴
 主にどのような人が日本語を学習しているのかは、地域や国によりそれぞれ特徴が見られますが、東アジア、東南アジア、大洋州、北米は、初等・中等教育機関の日本語学習者が多い地域で、特に大洋州では、ほとんどが初等・中等教育機関の学習者です。南アジア、中南米は、学校教育以外の機関が日本語教育の中心になっていることが多いです。高等教育の比重が比較的高い地域は、東欧、中東・アフリカで、西欧では3つの教育段階がほぼ同じ割合になっています。

教育機関別学習者数
グラフ
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Q4 なぜ、日本語を勉強しているの?

 
A 日本文化を知りたい、日本語で会話したい、日本語という言語に興味がある、などの理由を挙げる人が多いです。
   日本語を学習する目的は、国や教育段階などによって異なりますが、1日本文化を知りたい、2日本語で会話できるようになりたい、3日本語という言語そのものに興味がある、という3点が、どの教育段階でも主要な学習目的になっています。この傾向は特に、初等・中等教育機関で顕著に現れていますが、高等教育機関では、上記の3つに加えて、就職や留学といった将来との結び付きが重視される傾向があります。学校教育以外の機関で特徴的なのは、3つの主要目的だけでなく、「今の仕事で必要」「留学のため」「就職のため」という実利目的、また、「日本に観光旅行するため」という目的で勉強している人も、それぞれ3割程度を占めています。

教育機関のレベル別に見た日本語学習の目的トップ5
(15項目から5つまで選択)
  初等・中等教育
(5,548機関)
高等教育
(2,385機関)
学校教育以外
(2,508機関)
1位 日本語で
コミュニケーション
したい(73.8%)
日本文化に関する
知識を得たい
(79.0%)
日本文化に関する
知識を得たい
(63.6%)
2位 日本文化に関する
知識を得たい
(68.3%)
日本語で
コミュニケーション
したい(60.3%)
日本語で
コミュニケーション
したい(60.0%)
3位 日本語そのものに
興味がある
(59.5%)
将来の就職のため
(56.1%)
日本語そのものに
興味がある
(51.7%)
4位 大学や資格試験の
受験準備
(38.0%)
日本語そのものに
興味がある
(44.7%)
今の仕事に必要
(36.6%)
5位 異文化理解
(35.2%)
留学のため
(42.3%)
留学のため
(35.1%)
各機関数は、機関調査で「日本語学習の目的」の質問に回答のあった数
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Q5 日本語って、どんな人が教えているの?

 
A 世界で日本語を教える先生の7割は日本語が母語ではない人です。
   海外で日本語を教えている教師の数は4万4,321人、2003年機関調査と比べると1万1,197人増えています。教育段階別にまとめた教師の状況は、下の表のとおりです。
 教育機関別に見ると、高等教育機関や学校教育以外の機関では、平均すると1機関に約5人の教師がいますが、初等・中等教育機関では、2人以下で、教師1人当たり約135人もの学習者に日本語を教えています。
 また、海外で日本語を教える人のうち、日本語を母語とする教師は約3割、残り約7割が日本語を母語としない現地の教師です。
 教育段階別に見ると、高等教育機関や学校教育以外の機関では、日本語母語話者教師が全教師の3割以上を占めていますが、初等・中等教育機関では、日本語を母語とする教師の割合が低く(約2割)、主に日本語を母語としない現地の教師が日本語教育を行っています。
 また、日本語を母語とする教師がいる機関の比率で考えると、高等教育機関や学校教育以外の機関のおよそ3分の2に、日本語を母語とする教師が少なくとも1人はいますが、初等・中等教育機関の約8割には、日本語を母語とする教師が1人もおらず、現地の教師だけで日本語を教えています。

教育段階別の教師の状況
教育段階 1機関当たり
の平均教師数
※1
(単位:人)
教師1人当たり
の平均学習者数
※2
(単位:人)
日本語母語話者教師 
比率
(単位:%)
機関カバー率
※3
(単位:%)
初等・
中等教育
1.7 135.0 18.9 22.9
高等教育 5.2 44.8 30.7 66.8
学校教育以外 4.9 31.1 39.7 65.6
全体 3.2 66.0 30.5 42.5
※1 教師数を回答している機関の教師数を、その機関数で割ったもの。
※2 教師数と学習者数の両方について回答のあった機関の合計学習者数を、その機関の合計教師数で割ったもの。
※3 日本語母語話者教師が1人でもいる機関の比率。
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「世界の日本語教育Q&A」は『世界の日本語教室から 日本を伝える30カ国の日本語教師レポート』(アルク刊)から転載したものです。
「世界の日本語教育Q&A」は、国際交流基金が3年ごとに行っている「日本語教育機関調査」の最新調査(2006年版)の数字です。


世界の日本語教育のことをもっと知りたい方はこちら!
世界の日本語教室から 本書は、『月刊日本語』に長年連載したものをもとにし、国際交流基金が海外30カ国に派遣した日本語教師が活躍する姿を通して、海外の日本語教育の状況全体と、リアルな日本語教室の様子がわかるようにまとめあげたものです。各レポートには、各国の日本語教育歴年表、対日関係や日本語学習者数・教師数・機関数などの基礎データ、文化紹介などさまざまな情報が盛り込まれています。



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