かつての英語キッズはこう育った


(株)mpi代表取締役社長
松香 マックドゥーグル 明子さん
日本のフォニックス教育の草分けである(株)mpi社長の松香マックドゥーグル明子さん。 幼児期から英語を学んだことが、その後の人格形成にも大きく影響したといいます。
幼いころから英語にふれる環境に
「英語でコミュニケーションを取れるようになったのは、幼いころから英語が必要な環境にいたからだと思います」と話す松香マックドゥーグル明子さん。日本で暮らしていた幼児期は、自宅の近所にアメリカ人のお母さんがいる友人宅があり、よく遊びに行っていたそうです。英語の歌を歌ってくれたり、英語の絵本を読んでくれたりしたという友人の母親は、日本語をまったく話さなかったため、明子さんは、幼児なりに英語でコミュニケーションを取っていました。
「私は食いしん坊だったから、とくにおやつが楽しみでした(笑)。ブラウニーやオートミール入りのクッキーなど、アメリカ人のお母さんが作るお菓子は本当においしくて。私は、『おいしい』という気持ちを伝えたくて、一生懸命に英語を話しましたね」
5歳からの2年半は、母親の洋子さんの留学に伴ってアメリカで暮らしました。現地校に通ったため英語に慣れるのは早く、帰国した7歳のころには、日本語よりも英語が得意なほどでした。日本の小学校卒業後は、自身で進路を選択して中学時代にインターナショナルスクールと日本の公立校、高校時代にオーストラリアの高校と日本の高校で学びました。
「小中高のすべての段階で、日本の普通校と英語圏の学校の両方に通いました。英語圏の教育でいちばんよかったと思うのは、実は英語ではないんです。もちろん、英語ができて得なことはいっぱいありましたが、『自分の意見をもち、それが必ずしも皆と同じでなくてもよいと思える』ことのほうが、私にとっては大きかったですね。日本だけで教育を受けていたら、今の私はなかったと思います」
親が英語を話せば子どもも話したくなる
明子さんの母親は、日本にフォニックス教育を紹介した松香洋子さんです。母親から英語の教育は受けたのでしょうか。
「英語を強制されたことは一度もなかったですね。ただ、家には英語の本がたくさんあり、英語にふれるには恵まれた環境でした。母が外国人と英語で楽しそうに会話をする姿を目にして、『あんなふうになりたい』という思いは抱いていました」
母親の姿を見て、自分で英語を求め、学んできた明子さんは、子育て中の親たちに、「もっと英語を話すこと」を提案します。
「英語がコミュニケーションのツールであることを、親は子どもに見せる必要があると思います。英語がネイティブ・スピーカー・レベルではないから話すのが恥ずかしいと思っていれば、子どもも同じになってしまうでしょう。親がブロークンでも英語を使ってコミュニケーションを楽しむ姿を通して、『自分も英語でコミュニケーションをしたい』と思わせることが大事なんです」
7歳の男の子の母親でもある明子さんは、英語の早期教育をどう考えているのでしょうか。
「子どもはそれぞれの単語を知らなくても言語を固まりで覚えますし、耳がよく、聞いたとおりに発音もできますよね。英語はイントネーションやリズムが日本語と大きく違うので、幼児期からふれておくのはとてもよいことだと思います」
そう言いつつも、過熱気味の早期教育には警鐘を鳴らします。
「幼児期は母語を豊かにする時期ですから、家庭では母語である日本語の表現をたくさん吸収させることが重要です。私がおすすめしたいのは、1日30分程度の英語のインプット。英語を使ったり楽しんだりするチャンスを作ってあげるのが重要な役割と認識しましょう」
(株)mpi代表取締役社長
松香 マックドゥーグル 明子さん
1970年東京生まれ。母親の留学に伴い5歳から約2年半アメリカ在住。立教大学法学部比較法学科を卒業後渡豪、大手航空会社や旅行会社に勤務。2004年松香フォニックス研究所(現:株式会社mpi)入社。2009年より現職。
English Learning History
0〜5歳
近所の友人のお母さんがアメリカ人。よくその家に遊びに行き、生の英語にふれる。
5〜7歳
母親の留学に伴い、アメリカへ。現地の託児所、幼稚園、小学校へ通う。
小学校2〜6年
帰国後編入した私立小学校で週1回英語の授業。母親の英語教室でも週1回学ぶ。ハーフの友達とは英語で会話。英語の本を多く読む。
中学校〜高校時代
インターナショナルスクールに1年通った後、日本の公立中学校を卒業。オーストラリア・キャンベラの高校に半年留学の後、都立高校に入学・卒業。
大学〜オーストラリア時代
大学在学中は海外旅行や映画で英語にふれる。卒業後渡豪し、企業で働く。10年間在豪。
帰国〜現在
2004年に帰国し、松香フォニックス研究所(現:株式会社mpi)入社。2009年同社代表取締役社長に。
いろいろな段階・環境で英語を学んできたことが娘の財産になっています
松香洋子さん
明子は社交的で、声が大きく、本好きだったので、言葉を学ぶのに向いているとは思っていました。幼児期の近所のアメリカ人のお母さんや、学童期のアメリカ暮らしなど、英語にふれる環境にいたことはラッキーだったと思います。彼女はインターナショナルスクールやオーストラリアの高校で「若者言語」を、オーストラリアで働いているときには「生活言語」と「仕事言語」を身につけています。英語もそれぞれの世代や環境でなければ学べないものがあるのです。英語学習はとてもスパンが長いもの。子どもに生きた英語を身につけさせたいなら、親御さんは、子どもが英語好きでいられること、成長の段階に応じて英語を学んでいけるようにすることに心を砕くといいと思いますよ。
※『子ども英語カタログ2012』より一部抜粋して掲載