取材・文 杉谷知子
第5回 柏木しょうこ先生
profile

映像翻訳家。慶應義塾大学法学部卒。翻訳作品に、海外ドラマ『ブレイキング・バッド』(字幕)、『プリティ・リトル・ライアーズ』(吹き替え)、訳書に、映画ノベライズ『恋とニュースのつくり方』(早川書房)、『アンジェリーナ・ジョリー 暴かれた秘密』(ぴあ)、監修書に『英語で楽しくtwitter!-~好きを英語で伝える本~』(主婦の友社)など。雑誌やウェブサイトなどに映画紹介コラムの執筆も行う。
※記事の内容は取材当時(2012年)のものです。

集中学習で数年後にはプロ並みの英語力を

映画『E. T.』が英語学習のきっかけ

「私は帰国子女でもないし、長期留学したこともない、Made in Japanの日本人」という柏木しょうこ先生が英語を習い始めたのは小学校3年生の頃だ。「当時大ヒットしていた映画『E. T.』で、初めて英語音声+日本語字幕の映画を見たんですね。『わあ、こんな世界があるんだ!』とすごく驚いたのが映画を好きになったなれそめです。同時に英語にも興味を持って、子ども英会話教室に通い始めました」。


映画好き、英語好きはその後変わることなく、柏木先生は好きなことを仕事にしようと、映像翻訳家の道を歩み出した。「ずっと英会話の勉強はしていたのですが、映像翻訳で必要とされるリスニング力は普通の英会話でのそれとは異なります。そこで、自分が専門としたいエンターテインメント分野の映像翻訳に特化して、リスニング力を付けていくことにしました」。


エンターテインメント分野で新人翻訳家が比較的仕事のチャンスを得やすいのが、スターのインタビュー翻訳。この仕事には英語原稿がなく、聞き取って翻訳していかないといけない。すでに吹き替え翻訳の仕事は始めていた柏木先生は、仕事の締め切りに追われながら、インタビュー映像を聞きながらリスニング力を鍛えていった。「今でも映画スターのインタビューは聞き取れます。でも、例えばゴルフのインタビューなどになると全然駄目。言い回しや語彙に慣れていないから、何を言っているのかすぐに分からないんですよ。やはり自分が好きな分野か、過去に学んだり、仕事をしていたりした分野でないとリスニングには苦戦します。そのため苦手な分野は、背景やその業界でよく使う言い回しなどを調べてから取り組むようにしています。学習者の皆さんも、まずは知識のある分野から取り組んでみたほうが、リスニングの勉強も進むのではないでしょうか」。

リスニング力アップには毎日聞くことが大切

柏木先生ご担当の「シネマ試写室」 毎月最新の映画を使ってリスニングの学習をできる。

柏木先生がリスニング力を付けるためにこだわったのは、毎日聞くことと、英語と日本語のスクリプトがある素材を使うことだ。「私がよく見ていたのは連続ドラマの『フレンズ』です。登場人物の中には話すスピードが速い人もゆっくりの人もいる。スラングやジョークもある。1話が30分という長さもちょうどいい。そして何よりも、何も考えずに楽しんで見ることができるのが最大の魅力でしたね」。


そしてそのときに大切なのは、最初は日本語字幕で、2回目は英語字幕で、そして3回目は字幕なしで見ること。「最初から単語も聞いて、意味も理解して、というのは、少し欲張り過ぎかもしれません。まずはだいたいの意味を把握してから英語を聞いた方が、英語に集中できるため、ニュアンスを感じ取りやすくなります。そして何回か繰り返して聞くことで、英語の音に慣れ、聞き取れる単語も増えて、自信も付きますよ」。


そういう意味で、「1000時間ヒアリングマラソン(HM)」はよくできた教材だと柏木先生。「英語の音声があるだけでなく、日本語と英語のスクリプトやバックグラウンドの説明、さまざまなインフォメーションもしっかりと紹介されている。そして毎月1冊ずつ、多様なコンテンツが入った教材が届くので、日常的にしっかり英語を聞くことができます。私の経験からアドバイスすると、いろいろな教材をつまみ食いしながらやるのは逆効果。浮気せずに、HMのテキスト1冊をしっかり勉強する方が絶対に力がつきますよ」。


「丸暗記」で英語のリズム感を養う
柏木しょうこ先生

HMと一緒に毎月送られてくる『ENGLISH JOURNAL(EJ)』も大切な情報源だと柏木先生は言う。EJに掲載されたインタビューを聞いて、幅広い知識を仕入れたり、新しい言い回しや固有名詞をインプットしたりしておくことが、リスニング力の基礎になっていくからだ。


「そして、HMの中で気に入ったシーンや表現があったら、ぜひ丸暗記してみてください。そうすることで、英語のリズムが自分の体に入ってきて、とっさにその表現や単語が出てくるようになるんですよ」。


柏木先生は、英語ではリズムが本当に重要だとアドバイスする。例えば『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』で第84回アカデミー主演女優賞を受賞したメリル・ストリープなど、どんな人物にも変身できる名俳優たちは、こうした言葉のリズムやアクセントを体得する名人なのだそうだ。

柏木先生にとって「語学は永久学習」だ。新しい単語や言い回しが生まれてくる中で、常にアップデートを心がけていかなければならない。「よく、1万時間費やして初めて何かのプロフェッショナルになれると言います。これは通訳や翻訳家でも同じで、やっぱり1万時間ぐらいかかっていると思いますね。HMに費やす1000時間はその10分の1ですが、集中して学習を続けていれば、数年後にはプロ並みの英語力が身に付いていると思いますよ。語学は一日にしてならずですから、根気よく頑張っていきましょう」。



  1982年の開講以来、のべ120万人以上にご受講いただいている通信講座「1000時間ヒアリングマラソン」。教材は、旬の素材を使って毎月新たに作られます。また、取り上げられるトピックも、ニュースや映画のほか、ドラマ、インタビューなどバラエティー豊か。だから、楽しく飽きずに無理なく英語学習を続けられます。

詳細・お申し込みはこちら>>


1000時間ヒアリングマラソン活用法 トップへ

  • アルコムワールドで日記を書く

メルマガ登録