世界で活躍する 国際派プロフェッショナル

グローバルに活躍する日本人プロフェッショナルが語る、仕事、自分自身、言葉……。


中国、台湾、日本をつなげる
「お笑い」の道を切り拓く

お笑い芸人 ねんど大介さん/台湾


雑技団の子に再会したい一心で中国へ行く

ねんど大介さん
1973年、長崎県生まれ。19歳の時、中国雑技団に魅せられ、独学で中国語と雑技(大道芸や中国武道など)を学ぶ。21歳で上海へ渡り、夜は日本料理店で働きながら、昼は雑技学校に通って芸を磨く。24歳で帰国して日本での芸能活動を始める。30歳を機に活動の場を中国に移し、2012年には台湾に進出。現在は自称「日中お笑い親善大使」として活躍中。
ブログ: ねんど大介の亜州笑星大作戦

2013年末、『NHK紅白歌合戦』の台湾中継で、台湾側の司会をしていた一人が日本人お笑い芸人のねんど大介さんだ。日本ではあまり知られていないが、中国や台湾では歩いていると街の人に声を掛けられるほどの人気者。とはいえ、中国での活動は常に政治問題に左右される。尖閣諸島問題で12年に勃発した大規模反日デモが記憶に新しいが、当時中国にいたねんどさんは、決まっていたレギュラー番組が片っ端からキャンセルされ、仕事がまったくなくなってしまった。それでもねんどさんは、これからも中国・台湾を含めた中華圏で、「お笑い親善大使」として笑いを提供し続けていきたいと語る。

そもそものきっかけは、1992年、19歳の時だった。長崎のハウステンボスで働いていた時に、そこで働く中国雑技団に魅せられたことから始まった。正確には、その雑技団の一員でねんどさんと同じ年の少女に魅せられたのだと言う。

「あの子とおしゃべりがしたい」。そう思ったねんどさんは、独学で必死に中国語を勉強した。それと同時に雑技の魅力にもはまっていった。もともと人とおしゃべりをするのが大好きなねんどさんは、雑技団のメンバーともすぐに打ち解け、空き時間などに雑技を教えてもらいながら、片言の中国語で楽しい時間を過ごした。

5カ月の公演が終わると、雑技団は中国に帰ってしまった。勇気を出し、一目ぼれした女の子に会いに中国まで行ったが、あっさり彼氏を紹介され、ねんどさんの恋はあえなく終わる。そんな時、知り合いから「上海で日本料理の店を始めるので、店長をやらないか?」と持ち掛けられる。中国雑技に魅せられていたねんどさんは即答。昼は雑技学校に通い芸を磨き、夜は日本料理店の店長として働きながら中国語の勉強も続けた。

当時は片言でしか話せなかった中国語。料理店のスタッフと意思の疎通ができず、トラブルも多かったという。時には殴り合いのけんかもした。しかし本音で付き合ううちに彼らとも打ち解けていった。その後、友人に誘われて天津の語学学校に移り、留学生仲間と一緒に中国を旅行したり、人前でパフォーマンスを披露したりしながら、さらに語学力を高めていった。ねんどさんの語学力は常に実践で鍛えられていったのだ。




上海で言われたある一言で中国進出を決意

中国にだいぶ慣れた時、ふと「日本の芸能界も知りたい」と思い、97年、日本に一時帰国。路上で大道芸人をしていたところを現在の事務所、ワハハ本舗のスタッフにスカウトされて本格的に芸人の道を目指すことになる。

ねんど大介という芸名は、事務所の社長が「どんな形にも変われるように」という意味を込めてつけてくれた。先輩の久本雅美さんの付き人などもしながら、少しずつ芸能活動を続けていたが、05年、ある雑誌の取材で中国に行く記者に通訳を頼まれて同行。8年ぶりの上海訪問がねんどさんの転機となった。

「中国で活動する日本人のお笑い芸人はいない、あなたがやればいい」――地元の人に言われたこの言葉がねんどさんを変えた。「そうだ、人と同じことをしていても駄目だ。人のやらないことをやらなければ」と思ったそうだ。

もともと中国の雑技が好きで、中国語も話せるねんどさんは、自分の居場所を見つけたのだ。そして06年から本格的に中国での活動を始めた。日本の事務所も承諾してくれたものの、中国の活動はサポートできない。現地での所属事務所探しから営業活動まで全て自分で行った。

日本人相手に出張お笑い芸人を始めたところ、上海のテレビ局が注目し、ねんどさんを追った人物ドキュメンタリー番組が放送された。それから、じわじわと仕事が増え始め、10年の上海万博では、多数のイベントに司会者として参加。そのうちに中国の人気連続ドラマにも出演。上海に自分のタレントショップを出すまでになった。『アエラ』誌の「中国に勝った日本人100人」にも選ばれた。


語学力が支えたねんどさんの活動 »


中国の人気番組『中国達人秀』でドラゴンボールの悟空にふんする。日本のアニメ人気は世界共通


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