会社員時代に培った「仮説→検証」方式で
満点獲得⇒ TOEIC指導者に転身

取材・文 岡田真紀

875点 → 990点 → TOEIC指導者
TEX加藤さん(神田外語学院常勤講師)

神戸市外国語大学英米学科を卒業後、約20年の会社員生活を経て、2009年にTOEIC講師に転身。13年4月より現職。『TOEICRテストPart 5 できる人、できない人の頭の中』(アルク)など著書多数。「TOEICオタクのブログ



英語は日常的に使っていたがTOEICには興味がなかった

TEX加藤さんがTOEIC指導を始めたのは2009年末のこと。それまでの約20年間は、会社員として働いていた。高校時代、受験用の通信講座テキストで問題を解くうちに英語を学ぶ面白さに目覚め、神戸市外国語大学に進学して専門に学んだが、英語の先生になりたいという気持ちは、特になかったという。

「メーカーで英語を使って仕事をしたいと思っていたので、大学卒業後はある音響メーカーに入りました。国際本部に配属され、海外営業に出掛けたり米軍基地を回ったり、英語でセールスするのが主な仕事でした」。

国際本部では課長への昇進要件の1つがTOEICテスト730点で、入社後、新入社員は全員、受験させられた。これが加藤さんとTOEICテストの最初の出合いだ。この時のスコアは目標を大きく超える875点。「学生時代の勉強の積み重ねのおかげだと思います。目標は超えたので、そのままTOEICテストのことは忘れてしまいました」。

その後、会社が早期退職者を募集したのを機に退職。おもちゃが面白そうだと、外資系の大手玩具量販店に転職した。外国人上司の下、バイヤーとして海外に商品の買い付けに行くなど、英語は仕事に必須だったが、まだTOEICテストに興味を抱くことはなかった。

そんな加藤さんだが、2000年に2度目の受験をする。「病気で1カ月ほど入院し、退院後もしばらく、休日に趣味のテニスができなくなったんです。代わりに英語を勉強することにしました」。TOEICテストのことを思い出し、900点突破を目指して取り組むことにした。早速、2カ月後の試験を申し込み、受験勉強を開始。

当時はまだ対策書の数も少なく、約2カ月間、数冊の問題集に集中的に取り組み、結果は950点。ところが、目標を達成して満足し、またしても加藤さんの足はTOEICテストから遠のいてしまった。

「仮説と検証の繰り返し」で弱点を克服し、満点を獲得

よく使用した教材・参考書・『TOEICテスト 新公式問題集』Vol.2~3
・『総合英語Forest』(桐原書店)
公式問題集の問題を繰り返し解き、わからないことは調べてどんどん書き込む。調べる時によく使ったのが『総合英語Forest』。「TOEICの文法問題にはこの参考書がちょうど良いように思います」

加藤さんの3度目の受験は、08年6月のこと。8年の間に外資系玩具量販店から国内の玩具メーカーに転職し、商品企画を担当してヒット商品を作るなど、充実した日々を送っていた。「でも、英語を使う機会が減り、ある日、新商品の展示会で海外からのお客さまに商品の説明をしていた際、思うように英語が出てこなかったのです。『まずいな』と思い、もう一度英語を勉強することを決心。TOEICテストで満点を取ることを目標に据えました」。

                                

加藤さんの場合、リスニングセクションは前から満点だったが、リーディングセクションのPart5で常にミスがあった。その強化のため、公式問題集を繰り返し解くうちに、毎回同じタイプの問題で間違えることに気付いたという。そこで、自分がなぜ同じ箇所で間違えるのかを考え、その傾向を分析し、あやふやな部分は文法書で理解を深めた。

「Part5の出題パターンは毎回ほぼ同じなので、満点獲得には弱点を徹底的につぶすのが近道だという仮説を立て、その検証のため、何度も練習問題を解きました。この『仮説→検証』の作業は仕事に通じるところがありました。例えば、あるおもちゃが売れなかったらその理由を考え、仮説を立てて検証し、売れるおもちゃを作るのです。その感覚で問題に取り組むのは楽しかったですね」。

約2カ月でPart5の問題を約1万問解いたという加藤さん。その結果、見事満点の990点を獲得。続けて受けた7月の結果も990点。ここでTOEICテストから離れても良かった。だが、そのころ始めたブログ「TOEIC連続満点サラリーマンのブログ」で、スコアアップのコツや学習法をつづっていたところ、読者からの質問や励ましなど予想以上の反響があった。それが励みとなって以降も毎月受験し続けることになる。

TTTに参加して刺激を受け、英語講師への転身を決意

TOEICテストを受けながらネットを通じて受験者や指導者たちと交流を続けるうちに、加藤さんは徐々に教えることに興味を持つようになる。そして、09年2月に開催された、TTT(TOEICテストスコアアップ指導者養成講座※)に参加。受講生の大半は、すでにTOEICあるいは英語の指導経験のある先生で、「世の中にこんなに一生懸命TOEICを教えている人たちがいるんだ!」と、驚くとともに感動した。

「TTTでは、講師のロバート・ヒルキ先生とヒロ前田先生からはもちろんですが、周囲の受講生の皆さんから非常に刺激を受けました。講座内容も面白く、とりわけ、Abilities Measured(項目別正答率)の見方を教えてもらえたのは良かったですね。スコアレポートからセクションやパート別の得意・不得意が読み取れるようになったので、どこを強化すればスコアアップにつながるのかがわかるようになりました」。

結局、TTTへの参加をきっかけに、同年11月には会社を辞め、TOEIC講師へと転身。現在は、人気講師として、自身の学習経験とTTTで学んだことを生かし、学生たちを熱心に指導している。

「学生の英語レベルやTOEICテストを受ける動機はさまざまなので、できるだけ多くの学習方法を提示し、それぞれのニーズに合う方法をアドバイスすることを心掛けています。私の授業を通して、学生たちが少しでも英語を学ぶ楽しさを感じてくれたらうれしいですね」。

※すでに大学や専門学校で英語指導経験のある人や指導者を志す人を対象にした年1回・4日間の特別プログラム。TOEICテストを指導する上で必要な技術を磨く。講師はロバート・ヒルキ先生とヒロ前田先生。


マガジンアルク』2014年1-2月号掲載
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