「児童英語教師は高い英語力が必要」の
一言でハイスコアへの本気スイッチON

取材・文 鈴木香織

梛良圭子さん

400点 → 870点達成
梛良圭子さん(児童英語教師)

大学卒業後、3年間の会社勤務の後、結婚退職。子育てが一段落した十余年前に一念発起して英語学習を開始。英検、TOEICなど、その時々の目標に応じて学習法を変えながらレベルアップする一方で、児童英語教師として仕事を再開。現在は通訳案内士の資格取得を目指して勉強中。



ブランクを経て再挑戦したのは苦手意識のあった英語

今でこそ児童英語教師として子どもたちに英語を教え、自身の勉強にも日々熱心に取り組んでいる梛良さん。しかし英語に絶えず触れていたわけではない。大学の教養課程で学んだ後は、英語学習とは無縁の日々。しかし、子育てが一段落したころに「もう一度勉強したい」という思いに駆られて取り組んだのは英語だった。その背景には、長年抱いていた英会話への苦手意識があったという。

「子どもがまだ小さいころ、夫の仕事の都合でアメリカに住んだ時期があるんです。その時に、中学・高校時代に一生懸命勉強したはずの英語が、全然口から出てこなくて愕然としました。でも当時は子育てに忙しくて勉強はできず、帰国後もそのままになっていました。あの時の悔しさがふつふつとよみがえってきたんですね」。

英語へのチャレンジを決意した梛良さんは、まず近所の公民館で開かれていた英会話教室に通い始める。そこで知り合った学習仲間から、NHKのラジオ講座を薦められ、初級から中級レベルまで、複数の講座を毎日のように聞いた。この学習スタイルを3~4年続け、少し英語が聞き取れるようになったと感じたころに、英検2級を受験。「合格して努力が報われたこともあって、『ああ、試験って楽しい』と思ったんです。そこで次はTOEICを受験しようと決めました」。

ある講師の言葉で“本気スイッチ”が入る

梛良さんが使用した教材
アルク児童英語教師養成コース
子どもと英語が大好きな方が、子どもに英語を教えるための知識と技能をマイペースでリーズナブルに習得できるコース

TOEICの初受験は2004年だった。英検2級受験時と同様、対策本を1冊勉強して受験に臨んだが、スコアは400点台。この結果に満足のいかなかった梛良さんは、アルクのTOEIC受験対策講座を受講している学習仲間に刺激を受け、「TOEIC® テスト650点突破マラソン※」を受講し始める。しかし講座半ばで挫折。「1日40分、1週間に5日」と推奨される学習スタイルを習慣付けられなかったのが原因だった。その後、時折カルチャーセンターで英語関連の講座を受講したものの、積極的な英語学習からはしばらく遠ざかった。

しかし数年後に「やっぱりもっと英語を学びたい」という思いが再燃する。そして受講を決めたのが「アルク児童英語教師養成コース」だった。通信講座で半年学び、09年11月に、資格取得のため2日間の研修講座に参加。その際、ある講師の言葉が梛良さんのモチベーションを一気に引き上げる。「『児童英語教師になるなら高い英語力を目指してください。TOEICなら800点以上、英検なら1級を』と言われて、『私、このままじゃダメだ!』と強い危機感を持ったんです」。実はこの講座の受講以前から地域の子どもたちに英語を教え始めていた梛良さん。講師の言葉に、「中途半端なことはしていられない」と目が覚める思いがし、本気で英語を勉強する覚悟を決めた。

“本気スイッチ”の入った梛良さんはまず、未修了のまま押し入れにしまい込んでいた「650点突破マラソン」の教材を引っ張り出し、4カ月かけて全てやりきった。そして先述の研修講座での授業が印象的だったロバート・ヒルキ氏の著書を購入。『新TOEIC® テスト「直前」模試3回分』を指示通り3回ずつ解き、TOEICの再受験に臨む。“本気スイッチ”が入ってから4カ月後、10年3月のことだった。スコアは初回から約300点アップの735点を取得した。

新たなキャリアを見据え、発信力向上に取り組む

梛良さんが使用した教材
1000時間ヒアリングマラソン英検対策用に受講を開始。TOEICのリスニングにも大いに役立ち、今や副教材の『ENGLISH JOURNAL』とともに、英語学習のペースメーカーに

梛良さんがアルクの「1000時間ヒアリングマラソン」を受講し始めたのは、2回目のTOEIC受験後。目標を英検準1級合格にシフトして勉強を続けていたころだ。なかなか合格に至らない英検対策にと、同講座の受講を決め、その数カ月後にめでたく準1級合格を果たす。「『ヒアリングマラソン』ではリスニング力がアップしたと実感しています。英検はもちろんのこと、TOEICについても、受講前には難しく感じていたリスニングテストが、とても楽になりました」。

児童英語教師として働く傍ら、自身の英語力の向上を心掛けてきた梛良さんは、このころから通訳案内士の仕事にも関心を持ち始める。「子どもたちに英語を教えるのはとても楽しいんです。英語の勉強を続けてきた結果、より説得力のある説明ができるようになりましたし、教える際に自信も持てるようになりました。今後はさらに、違う分野でも英語を使いたいと思っています」。通訳案内士として働くには国家試験の合格が必須だが、その条件の一つに、14年からTOEIC840点以上の場合は英語の筆記試験が免除される、という項目が加わった。

ここから梛良さんの、具体的な目標スコアに向けての学習が始まる。最新の試験傾向を知るため、ネットで知ったヒルキ氏の「TOEIC® テスト 860点突破セミナー」に参加し、久しぶりの受験に備えた。そして14年の間に数回受験し、700点台から徐々にスコアを伸ばして最後には目標を上回る870点に到達する。

現在は通訳案内士試験に向けて地理や歴史の勉強もしながら、引き続き「1000時間ヒアリングマラソン」を受講中。「副教材の『ENGLISH JOURNAL』も活用しています。毎号収録されているインタビューは、近いうちに受験を予定している英検1級のリスニング問題対策としても重宝しているんです」。

学習仲間との出会いをきっかけに、さまざまな英語の試験や資格の存在を知り、実力の伸びに応じてそれらを目標に設定してきた梛良さん。「TOEICのスコアはそれ自体が目標ではなくて、次のステップに進む際の目安です。受験のために勉強したことに加えて、自分の必要とする知識を補っていくよう、心掛けています」。今後は、通訳案内士として働く日々を思い描きながら、英語で日本を伝える発信力に磨きをかけるのが目標だ。


マガジンアルク』2015年3-4月号掲載

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