TOEICのスコアアップとともに
海外勤務の夢を現実に引き寄せる

取材・文 鈴木香織

565点 → 715点突破
近江谷 旦さん(防衛省職員)

2006年防衛大学校電気電子工学科卒業後、防衛省に入省。3年の勤務の後、防衛大学校大学院に進学し、2011年に理工学研究科修了。現在は情報システムの維持、運用業務に携わる。大学院時代に海外の学会発表で英語に苦労した経験から、英語学習に取り組むようになる。以来、年に1、2度のペースで実力アップ確認のため、TOEICを受験。



転機となった海外でのプレゼン

近江谷旦さんとTOEICとの出合いは高校卒業の直後、防衛大学校に入学した2002年のことだった。典型的な理系人間で、英語は苦手だったが、年に1度の受験を大学から義務付けられていた。そのスコアは当然、成績に連動していたため、1年生から毎年、受験することに。市販の対策本を使って試験に備え、初受験時の325点から、学部卒業前の400点台前半までスコアは伸びた。

けれども、それ以上スコアを伸ばしたいという意欲は、当時はなかったそうだ。英語を使った仕事に漠然とした憧れはあったものの、そういった仕事は英語が得意な人に任されるもので、自分には縁遠い世界、と考えていた。

そんな意識が変化したのは、大学を卒業し、自衛隊内での専門教育課程や通信機器関連の部隊配属を経て、大学院に進学してからだった。海外で学会に参加する機会に何度か恵まれ、英語での発表に加え、質疑応答もこなすことが求められたのだ。

「発表や、予想できる質疑応答は暗記して何とか乗り切りましたが、想定外の質問が来た時は対応できなくて。引率の先生にアイコンタクトで助けを求めました(笑)。この時の経験がとても悔しくて、頑張って英語を勉強しようと思うようになったんです」。

 

「ヒアマラ」を活用し新たなキャリアプランを目指す

近江谷さんが使用した教材
1000時間ヒアリングマラソン
好きなコーナーは“ラジオドラマ劇場”。副教材『ENGLISH JOURNAL』の「Tea Time Talk」もリスニングやディクテーションに欠かさず活用。

大学院を修了したころ、近江谷さんがまず始めたのは、近所の英会話学校に通うことだった。週に1度、3〜4人のグループレッスンを受けることで、英語の感覚が養われた。転勤のため半年で辞めざるを得なかったが、直後に受験したTOEICでは、英会話学校に通う前よりスコアが100点強上がり、その効果がはっきり表れた。

文法の知識が増えたので、前よりも解ける問題が増えましたし、リスニングも楽になりました」。

その後しばらくは自宅で、CDを多用する英会話教材を使ってみたが、うまく活用することができず、別の学習法を模索するようになった。

そんな時、ネット検索でアルクの「1000時間ヒアリングマラソン」を知る。学生時代から少しずつTOEICのスコアを伸ばしてきた近江谷さんは、このころになると“頑張ればもっとスコアを伸ばせるんじゃないか。そして、海外勤務に応募できるんじゃないか”という欲が芽生えていた。職場では、TOEICのスコアが730点以上あれば、海外勤務の選考に合格する可能性が高いとされている。

自分は縁がない、と思っていた海外勤務が、努力次第で手の届くものになったような気がしてきたんです。それで、英語学習の目標としてまずはTOEICのスコアを少しでもアップさせようと決めました。それまで使っていた教材の音声が、いかにも“教材然”としたわかりやすい英語で不満だったので、生の英語を扱っていて、TOEIC対策にもなりそうな『ヒアマラ』の受講を決めました」。

12年7月に受講を開始した時は、難易度の高さに圧倒されそうになったと笑う近江谷さん。それでも、副教材の『ENGLISH JOURNAL』(EJ)を含め、難易度の低いコーナーを重点的に使って学習した。

教材の密度が濃く、活用し切れないまま1年で受講を修了。その後2年間かけて、同講座のやり残した部分を自習に使い、納得のいくまで学習し尽くした。

そして15年6月から、「ヒアマラ」を再び受講。勉強は通勤時の2時間を主にリスニングに割き、その他に自宅でも就寝前の1〜2時間を充てている。自宅では家族を起こさないよう、声を出さずに頭の中でシャドーイングをするのだそうだ。

                                

また、最近気に入っている学習法はディクテーション。マンスリーテストの「HEMHET」の長文問題、そしてEJ の「Tea Time Talk」を教材として活用している。書き取るために、定冠詞や動詞の過去形など、細かい箇所にも注意を払いながら聞くようになったので、リスニング力の向上に役立っていると感じている。

日常の一部としての英語

「ヒアマラ」を受講してからは年に1、2回、TOEICを受験し、着実にスコアアップしながら目標に近づいている。ここ数年、日ごろの勉強は「ヒアマラ」が中心だが、TOEIC受験の直前には、模擬問題集を使った学習も取り入れている。ただし、電車での通勤時間に解きやすいよう、本ではなく、携帯のアプリやゲーム機を使って問題を解いているそうだ。

またいわゆる“お勉強”以外に、趣味・楽しみの中でも英語に触れている。その一つが、NHKで放映されているTEDのプレゼンテーションだ。英語のみならず、プレゼンのテクニックそのものにも学ぶところが多く、日ごろの業務で人前で話す機会の多い近江谷さんにとって、とても参考になるのだとか。その他にも、簡単な英語で書かれた小説を読んだり、映画をなるべく字幕無しで見るようにしたり、英語が日常生活の一部となるよう、心掛けている。

海外勤務のための目標スコアとして730点を目指している近江谷さんだが、達成が目前に迫ってきた最近では、その先の課題も意識し始めている。

「今まではインプット主体の勉強をしてきたので、そろそろスピーキングやライティングといった、アウトプットの勉強にも時間を充てたいです。海外業務では、そうした発信力も必要になってきますから。知人から英語で日記を書くことを勧められたので、まずはそれを試そうかと思っています」。

奥さんやお子さんも地域の英語教室に参加するなど、積極的に英語に親しんでいるという近江谷さん。TOEICに導かれて目指し始めた海外生活の夢が、現実のものとなる日はもう目の前だ。


マガジンアルク』2016年1-2月号掲載
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