TOEICで英語力を磨きつつ
子どもたちに英語の楽しさを伝えたい

取材・文 鈴木香織

福田智子さん

初受験で740点獲得
福田智子さん(児童英語講師)

獨協大学外国語学部英語学科卒業後、公立中学校の英語教員として25年間勤務。途中、小学校英語指導者の資格(J-SHINE資格)を取得して、小学校の英語活動に携わるなど、児童英語教育への関心を深める。2014年に退職後、小学校の英語講師として不定期に働きながら、TOEICの受験で英語力のブラッシュアップに努める。



ホームステイで英語の楽しさに目覚める

福田智子さんの英語との関係を決定付けたのは、中学2年生の時に体験したアメリカでのホームステイだ。1カ月の滞在中にコミュニケーションの楽しさに目覚め、それまで苦手意識を持っていた英語が、一転して大好きな科目に変わった。以降、大学で英語を専攻することを目指してコツコツと勉強を始める。念願がかなって英語学科に進学し、在学中は再びホームステイをするなど、英語のブラッシュアップに余念がなかった。そして卒業後は公立中学校の英語教員になる。

“英語の先生”になったからには、もはや英語力の伸び悩みなどとは無縁かと思いきや、実情はそうではなかったらしい。英語を教えながらも、自身の英語力はどんどん落ちていく感覚があったという。

「仕事で携わるのは中学英語まで。それ以上のレベルの語彙や文法知識は、どんどん忘れてしまって、教えるスキルは向上しても、実用的な英語については衰える一方。焦る気持ちもあったのですが、週末は部活動の指導があったり、家庭の用事で忙しかったりして、勉強する気力まで残っていませんでした」。

息子の受験が契機でTOEIC受験を決意

福田さんがよく使用した教材
『TOEIC(R)テスト 究極の模試600問』

(アルク)
3回分の模試のうち、2つしか解けなかったが、それぞれ何度も問いて復習を繰り返したのが効果的だった。

そんな福田さんがようやく自分のために勉強する余裕を持てるようになったのは、長らく務めた教員の仕事を辞めてからだった。

「辞めてしばらくは勉強、という心境ではなかったのですが、当時間近に控えていた息子の大学入試で、TOEICのスコアが一定以上あると優遇される、という情報を得たんです。それで息子用に対策本を買ってきたのですが、彼は目指すスコアを取れずじまいでした。『そんなに難しいの? 試しに私も受けてみようかな』と思ったのが、受験のきっかけでした」。

受験するからにはしっかり勉強して本番に臨みたい。そう思った福田さん。アルクのサイトで見つけたレベル診断テストを受け、自分のスコア目安を知った上で、「奪取730点TOEIC(R)テスト攻略プログラム」を受講し始めた。2015年3月のことだった。受講中は毎日1時間、机に向かって課題に取り組んだ。「1日分のタスクが1時間以内で終わるよう、コンパクトにまとまっていたので、継続しやすくて助かりました」。もう一つ、福田さんが講座を順調に継続できたのには理由があった。それは、周囲にTOEICを受験すること、そして730点を目指すことも宣言していたことだ。「後には引けない状況をあえてつくったんです」。

そして15年9月に初のTOEIC受験。あっという間の2時間だったが、初めて受験する人がつまずきやすい時間配分については、問題なかったという。「これは講座のおかげです。タイムマネジメントをとても重視した内容だったので、1つの問題の解答に、どのくらいの時間をかけるかを常に意識する癖がついていましたから」。そして初受験にしてめでたく目標を突破し、740点を獲得した。

受験後に講座の内容を振り返って思うのは、その手厚いテクニック指導だ。「練習問題を解きながらいろいろな受験テクニックが身に付くようになっています。テクニックを知らないと、ハイスコアは難しいんじゃないでしょうか」。

福田さんが特に心掛けたのは「聞かないことを増やす」テクニック。テストディレクションなど毎回同じ内容の部分や、聞く必要のない部分には極力、集中力を使わないよう心掛けた。

「例えばパート3では質問文が読まれますが、これは問題用紙にも書いてあるので、あえて聞かないようにしていました。その分、選択肢を“先読み”することにエネルギーを使う、時間を有効活用するためのテクニックです」。

またパート4では、質問が全体を聞かないと答えられないものか、特定の部分さえ聞き取れれば答えられるものかを見極め、問題の順序にかかわらず、後者から解いていくテクニックを意識的に使った。

TOEICで再び英語学習のスタートラインに

福田さんが使用した教材
奪取730点TOEICテスト攻略プログラム
タイムマネジメントと受験のテクニックが身に付き、目標スコアをクリアできた。

福田さんがTOEICを受験した背景には、実はキャリア上の思惑もあった。

「中学校で教えていた時に、公立小学校で外国語活動の時間が必修化されました。ところがいざ始まってみると残念なことに、英語に苦手意識を持って中学に入学してくる生徒がとても多かったんです。それで小学校での英語教育に興味が湧いて、小・中学校の教師の交流制度を利用して2年間、小学校に勤務したんです。中学校を退職した後は、小学校の英語講師として働き始めました。今年は、小学校の英語指導者を指導するJ-SHINEトレーナー資格を取得したいのですが、その受験要件に、TOEICのスコア730点以上が含まれていたんです」。

今後はさらなるスコアアップが目標だという。ただし、実際に対策に取り掛かる前に、まずは同じく受験要件に含まれている英検準1級を取得すべく、勉強中だそうだ。

中学校教員時代に、育児休暇を利用して小学校英語指導者資格(J-SHINE資格)を取得した福田さん。子どもちの英語との関わり方には熱い思いがある。

子どもたちには、せめてスタート時点では評価を気にせず、楽しく学んでほしいんです。英語は可能性を広げてくれるツールですから。小学校の先生にも、『英語ってこんなに楽しく教えていいんだ』と思っていただけるとうれしいです。私なりに改善できることを模索していきたいと思っています」。

TOEIC受験で再び、英語学習のスタートラインに立った心境だという福田さん。自身の英語力に磨きをかけつつ、新たなキャリアに積極的に取り組む姿勢は、きっと教え子たちにポジティブなメッセージを伝えることだろう。


マガジンアルク』2016年3-4月号掲載
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