仲間を得てモチベーションアップ
“朝活”でスコアアップを目指す

取材・文 鈴木香織

辻本雅彦さん

1年半で685点→915点点達成
辻本雅彦さん(会社員)

神戸学院大学法学部卒業。旅行会社を経て、現在ホームセンター勤務。旅行が好きで、海外に行くたびに「もっと英語ができるようになりたい」という思いが強まる。TOEICではスコアが思うように伸びず、何度か挫折を経験。TOEIC仲間と出会ってから学習が軌道に乗り、現在さらなるスコアアップを目指して日々奮闘中。



初受験で大打撃

辻本雅彦さんがTOEICを初めて受験したのは、20年近く前のことだ。大学卒業後、趣味の海外旅行に出掛けるたび、「もっと英語が話せるようになりたい」と思い、帰国後に勉強するものの、長続きはしない……というパターンを繰り返していた。そんなある日、自分の英語力をチェックする手立てとしてふとTOEIC受験を思い立つ。

「大学受験までそれなりに勉強していたのに、こんなにも歯が立たないなんて、とびっくりしました」。

スコアは360点。あまりにショックで、受験後はしばらく、英語学習から遠ざかる。

しかし、その後も“英語への思い”が募ることはたびたびあった。そんな折に「英会話喫茶」への参加を試みたこともあるという。

「レベル別のテーブルに分かれて、英語でフリートークをする、という集まりです。週に1回、2、3カ月ほど通ったのですが、自己紹介が終わると人の話を聞くことに終始してしまって積極的に話せず、効果を感じられませんでした」。

受験テクニックとの出合い

辻本さんがよく使用した教材
『新TOEIC(R) TEST 出る単特急 金のフレーズ』
(朝日新聞出版)
覚えたフレーズがパート5、6でそのまま出題されたこともあり、繰り返し復習している1冊。「単語もフレーズと一緒に覚える習慣にしています。この本のアプリ版も重宝しています」

再びTOEICと向き合ったのは、初受験の約5年後。書店でたまたま目に留まった本が、辻本さんのやる気に火を付けた。『TOEIC(R) TEST「正解」が見える』(講談社インターナショナル)がその本だ。

「TOEIC受験のテクニックにフォーカスしていて、『この方法なら、自分も楽にスコアを上げられるかも』と思ったんです」。

この本で徹底的にテクニックをマスターし、リストアップされていた「必要最小限」の語彙を覚えてから臨んだ受験では、約200点のスコアアップを果たした。英語学習に弾みがついた辻本さんは、この後も約半年間、TOEIC対策本以外の教材も使って勉強を継続する。その結果、スコアは690点まで上がる。しかし次は再び500点台に戻り、ひそかに700点突破を目指していた辻本さんのやる気は、また下火になってしまう。

「690点まで上がったのは偶然だったんでしょうね。テクニック偏重の勉強で、英語の実力はあまり伸びていなかった気がします」。

その後しばらく英語と距離を置いていたが、2014年になって、今度はオンラインの英会話レッスンを受け始めた。

「週2、3回でしょうか。単語を並べて何とか会話ができると、『もっとすらすら話せるようになりたい』と思うようになりました。基礎から勉強すればスムーズに会話できるようになるかと思い、文法書を買ってみたのですが、うまく活用できなかったんです。それで、『具体的な学習目標が必要なのかもしれない』と思い始めました」。

こうして、辻本さんは三たび、TOEICに挑戦する決意をする。

同志がいるから頑張れる

辻本さん自作の教材
暗記用のエクセルシート

覚えにくいフレーズは、本から抜き出してエクセルで一覧表に。印刷して持ち歩いている。「ページをめくるのでなく、ひと目で見渡せるようにすることで、一気に覚える気になれます」

さまざまな対策本を買い、学習法を試行錯誤する中で出会ったのが、学習仲間だ。きっかけはTOEIC対策本の著者が主催するセミナーに参加したことだった。

「セミナー後の懇親会でいろんな参加者と話をして、ショックや刺激を大いに受けました。ひとつには、900点を超える人はざらにいるということ。そしてそういう人たちの多くが、留学など特に恵まれた環境で英語を勉強してきたわけではなく、ほんの数年前まで600点台、700点台を行ったり来たりしていて、地道に勉強した結果ハイスコアを手にした、ということにも驚きました。そこから、自分も頑張って彼らの仲間に入りたい、と強く思うようになったんです」。

初めはスコアの低さを引け目に感じ、躊躇していた辻本さんだが、スコアが700点を超えてからは仲間と積極的に連絡を取るようになり、今では試験の結果を報告し合ったり、互いに新刊の対策本を薦めたりしながら、切瑳琢磨の日々を送る。

「合格、不合格が分かれる資格と違い、TOEICの場合はスコアアップを目指す仲間がライバルでなく、同志になれるのがいいんです」



日々の学習で目的を意識

こうして、やる気もスコアも上昇気流に乗った辻本さん。仕事は以前と同様に忙しいが、出勤前の1時間の勉強時間は死守している。実は、職場近くのカフェなどで毎朝、勉強する習慣は、20年以上続いているのだそうだ。以前は仕事関連の資格取得のための勉強に費やしていたこの時間が、今はもっぱらTOEICのための時間になっている。

「あとは、隙間時間も大切にしています。例えばジムで走りながらリスニング教材の音声を聞くことが多いです。そうすると覚えてしまうので、それを入浴中に思い出しながら文法要素を分析したりして、復習するんです」。この11月には、リスニングセクションで満点を達成した。

TOEIC受験を何度も経て、辻本さんが実感しているのは、「基礎の勉強」に加えてテスト用の準備もそろわないとスコアアップにつながりにくいということだ。

「基礎の勉強に集中し過ぎてスコアが伸びない時期がありました。試験直前に、問題の『先読み』やタイムマネジメントなどの訓練もして備えないと」。この実感は、日々の学習にも生かしている。「音声を繰り返し聞き、しっかり復習する教材と、時間を計りながら新しい問題をどんどん解いていくための教材とを使い分けています」。前者については、解説の充実した『TOEIC(R) テスト究極の模試600問』(アルク)を、後者は、韓国で出版された模試本などを活用しているという。

さらなるスコアアップを目指しつつ、ゆくゆくは読書や情報収集などに英語力を活用したいと考えている辻本さん。受験や勉強のストレスはないかと尋ねると、笑顔でこんな答えが返ってきた。

「TOEICにはスコアで自分の成長過程がわかるという魅力があります。さらに、仲間と一緒にゲーム感覚で楽しめる要素もある。むしろワクワク感のほうが強いんですよ」。

マガジンアルク』2017年1-2月号掲載
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