HOME > 英会話 > 看護に役立つ!実践メディカル英語 > Lesson5 医療面接での英会話 ~既往歴・家族暦・社会暦~

Lesson5 医療面接での英会話 ~既往歴・家族暦・社会暦~

執筆 押味貴之
Lesson5 医療面接での英会話 ~既往歴・家族暦・社会暦~

前回から「医療面接での基本的な表現」を紹介していますが、2回目の今回は「既往歴」「家族歴」「社会歴」をテーマにさまざまな英語表現を見ていきます。婉曲的(遠回し)な表現を好む日本語に対し、英語は「直接的ではっきりと伝える」というイメージがあります。しかし、英語には英語なりの婉曲的な表現があります。また、日本人が「正しい」と思って使った英語でも、時として違う意味で伝わったり、思わぬ印象を相手に与える場合があります。今回は、そのような微妙な表現にこだわって「医療面接での基本的な表現」を紹介します。

「今までに入院した事はありますか?」
まずは「既往歴(Past History)」に関する表現から見ていきましょう。Have you ever had any major illnesses before?(今までに何か大きな病気をしたことはありますか?)とたずねれば、患者さんは幅広く「既往歴」について答えてくれるでしょう。もし具体的に手術や入院の有無について知りたければ、Have you ever had any operations?(今までに何か手術をしたことはありますか?)、Have you ever been hospitalized before?(今までに入院したことはありますか?)とそれぞれ聞けばいいでしょう。後者に関しては Have you ever been in hospital before という表現を使う日本人の方が多いのですが、この be in hospital には「入院する」のほかにも「(見舞い等で)病院を訪れる」「病院に宿泊する」という意味もあるため、入院の有無を聞きたい場合には前者を使った方が混乱は少ないでしょう。

そのほか、例えば、輸血歴の有無を聞きたい場合は、Have you ever had a blood transfusion?、予防接種の有無を知りたいときは、Have you been vaccinated for tetanus?(tetanus=破傷風)などとたずねればいいでしょう。また、アレルギーに関しては Do you have any allergies?(何かアレルギーはありますか?)と聞きますが、allergyの発音には注意が必要です。日本語のように「アレルギー」と発音すあると、ほぼ間違いなく伝わりません。正しい発音を、あえて日本語表記するならば「えレジィ」が近いでしょう。また、名詞のallergyだけでなく、「~にアレルギーがある」という意味の allergic to ~ という形容詞を使った、What are you allergic to?(何にアレルギーがありますか?)という表現も覚えておくと便利でしょう。

Key Phrases
Have you ever had any major illness before?
(今までに何か大きな病気をしたことがありますか?)

Have you ever had any operation?
(今までに何か手術をしたことはありますか?)

Have you ever been hospitalized before?
(今までに入院したことはありますか?)

Do you have any allergies?(何かアレルギーはありますか?)

What are you allergic to?(何にアレルギーがありますか?)


「何か麻薬をやっていますか?」
続いて「家族歴(Family History)」に関する表現を見ていきましょう。Has anyone in your family ever had the same or similar illness?(ご家族の中で同じ、もしくは似たような病気をされた方はいますか?)、Is there any history of high blood pressure in your family?(ご家族の中で高血圧の既往のある方はいますか?)、Does anyone in your family have diabetes?(ご家族の中に糖尿病の方はいますか?)などは、どれもよく使う表現ですので、何度も反復して覚えておくといいでしょう。

そして「社会歴」と訳される Social History ですが、ここでは広く患者背景についてたずねていきます。しかし、こういった事柄をたずねるときには少し注意が必要です。というのも、英語圏では「職業」「年齢」「既婚・未婚」といった情報は非常にプライベートなものとみなされ、履歴書にも「年齢」や「家族状況」などは書かせてはいけないことになっているくらいですから。

ですから年齢はともかく、「職業」や「家族状況」に関してたずねるときには、たとえ医師や看護師であっても多少配慮するのが普通なのです。つまり、What's your occupation?(職業は何ですか?)とそのまま聞くのではなく、May I ask what your occupation is?( 職業をお聞きしてもよろしいですか?)や、May I ask if you're married?(ご結婚されているかお聞きしてもよろしいですか?)と聞く方が好まれるのです。

飲酒量をたずねるときには、How much do you drink a day?(一日にどのくらいお酒を飲みますか?)と言います。また、「たしなみ程度ですか?」「機会飲酒程度ですか?」ということを伝えたければ、Are you a social drinker? と言えばいいでしょう。

最後に「薬」に関する表現を少し。「何かお薬を飲んでいますか?」と聞きたいときには Are you taking any drugs? とは言わず、 Are you taking any medication? となります。前者は、「何か麻薬をやっていますか?」の意味になるので注意してください。そして、たとえ麻薬を使用しているかどうかを知りたいときでも、前者のようにそのままたずねてしまっては、ほとんどの人は正直に話してくれないでしょう。こういうときには Are you taking any other drugs that we need to know about?(ほかに私たちに話しておくような薬を何か飲んではいませんか?)とたずねて、その後に相手の目を見てうなずくような「間」を取ると、「私たちは、何もあなたを麻薬で訴えようとしているわけではないのですよ」というニュアンスが伝わり、相手も話しやすい雰囲気になります。

とかく「直接的な表現を好む」というイメージが先行する英語ですが、英語には英語なりの気持ちの込め方があります。このような表現を身につけて、ぜひ皆さんも「心の伝わる医療面接」をしてください。


Key Phrases
Has anyone in your family ever had the same illness?
(ご家族の中で同じ病気をされた方はいますか?)

May I ask what your occupation is?

(職業をお聞きしてもよろしいですか?)

Are you a social drinker?(機会飲酒程度ですか?)

Are you taking any medication?(何かお薬を飲んでいますか?)

Are you taking any other drugs that we need to know about?
(ほかに私たちに話しておくような薬を何か飲んではいませんか?)



看護に役立つ!実践メディカル英語 トップへLesson6へ>>


  • アルコムワールドで日記を書く

メルマガ登録