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Lesson7 症状に関する英語表現

執筆 押味貴之
Lesson7 症状に関する英語表現

「口内炎があります」「おりものが多いです」「残尿感があります」――これらを、英語で表現できますか? また、簡単な症状に関しても、自分が正しいと思っていた英語が患者さんが実際に使う英語と違っていた、という経験はないでしょうか。そこで今回は、「症状」をテーマに、日本語とは表現の発想が異なるために多くの人が間違える表現を集めてみました。皆さんもご自身が患者さんになったと思って、英訳にチャレンジしてみてください。

「筋肉痛があります」
それでは早速問題です。以下の日本語を英訳してみてください。始めは難しいと思いますが、まずは解答を見ないで、自分なりの英語で表現してみてください。

Q1 目が痛みます。
 
Q2 筋肉痛があります。
 
Q3 ズキンズキンする痛みがあります。
 
Q4 チクチク刺されるような痛みがあります。
 
Q5 指がピリピリします。


どうですか? 特にQ.4とQ.5は難しかったのではないでしょうか? では、それぞれの英語表現を見ていきましょう。

A1 “My eye hurts.”
“I have eye pain.”と訳した人が多いのではないでしょうか? 残念ながら英語ではそうは言いません。英語では「painの前に身体の名称を置く」という表現はほとんどないと覚えてください(例外:chest pain など)。「~が痛む」の表現では、動詞の“hurt”を使うことが多いのです。従って「耳が痛い」は“My ear hurts.”となります(もちろん両耳が痛いときは“My ears hurt.”となります)。

A2 “I have sore muscles.”/“My muscles are sore.”/“My body feels achy.”
これも“I have muscle pain.”と訳した人が多いのではないでしょうか? Q.1と同じ理由で、英語圏の患者さんはそのような表現を使いません。この“sore”という形容詞は“hurt”という動詞と共に、覚えていただきたい単語の一つです。例えば寝違えて「首が痛い」と言いたいときは“My neck is sore.”と言えばよいのです(もちろん“My neck hurts.”でもかまいません)。

A3 “It’s throbbing.”
「ズキンズキンする痛み」というのは「拍動に伴う痛み」のことですが、これはpainを使わず、単に“It’s throbbing.”と表現すればよいのです。また「ズキズキする痛み」であれば“It stings.”でよいでしょう。

A4 “It feels like a sharp prick.”
“prick”というのは「針のような先のとがったもので刺される感覚」のことです。「痛み=pain」という発想にしばられていると、なかなかこういう表現ができません。日本語の表現にとらわれずに、「その表現がどのような状態を示しているか」に目を向けるとよいでしょう。

A5 “My finger tingles.”
擬態語の翻訳というのは本当に難しいものです。「ピリピリ」だけを翻訳しようとしても、その状態を正確に表現することにはつながりません。この“tingle”という動詞は、「ピリピリする」「チリチリする」のように「細かい刺激がたくさんあるようなイメージ」を表現するものです。これも是非覚えておきたい単語です。


「おりものが多いです」
さらに、次の5つの日本語を英訳してみてください。最後の文は「尿が残っている感じがする」ではなく、「尿を全部出し切れない感じがする」という文にするのがヒントです。

Q6 最近、耳が遠くなりました。
 
Q7 口内炎があります。
 
Q8 痰が出ます。
 
Q9 おりものが多いです。
 
Q10 残尿感があります。


今度はどうでした? ではまた、それぞれの英訳を見ていきましょう。

A6 “Lately, my hearing is getting worse.”/“Lately, my hearing is deteriorating.”
“hearing”=「聴覚/聴力」、 “hearing test”=「聴力テスト」というのは有名ですね。ですから皆さんが学生時代に経験した「(英語の)ヒアリングテスト」というのは、正しくは“Listening Comprehension Test”となるわけです。患者さんによってはこの“deteriorate”のように、多少難しい言葉遣いをしてくる方もいます。これは「悪くなる」「機能が衰える」という意味の動詞で、“My vision is deteriorating.”(視力が落ちてきています)のようにも使えます。覚えておいて損は無い単語です。

A7 “I have a canker sore.”/“I have stomatitis.”
「口内炎」を正確に翻訳すれば“stomatitis”となりますが、患者さんがそのような医学的に正確な表現をするとは限りません。この“canker sore”というのは「口腔潰瘍」のことですが、一般には「口の中にできる痛みのあるできもの」と認識され、これが日本語で一般に言われる「口内炎」に最も近いものとなります。

A8 “I cough up phlegm.”
“phlegm”という単語はご存知の方も多いと思います。ここで注意していただきたいのは、“cough up”という動詞を使っているということです。患者さんが日本語で「痰が出ます」と言うとき、普通は「咳と共に痰が出ます」という状況を指します。従って“I have phlegm.”ではなく“I cough up phlegm.”が、より自然な表現となります。

A9 “ I have heavy menstrual discharge.”
“discharge”は広く「分泌物」を意味する名詞で、これも覚えておきたい単語です。例えば、「患者は右耳から耳漏がある」というのは“The patient has discharge from the right ear.”となります。

A10 “I feel like I can’t release all my urine.”
「尿が残っているような感じがする」と「尿を全部出せない感じがする」というのは同じ意味ですが、どちらを好んで使うのかという点に、その言語・文化の特徴が表れていると思います。こういった点に意識を向けながら学習すると、語学学習も実に楽しいものになりますよ。



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