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Lesson11 麻酔に関する英語表現

執筆 押味貴之
Lesson11 麻酔に関する英語表現

患者さんが「手術(surgery)」を受けると決まったら、必要になるのが「麻酔」です。この麻酔を行うためには、事前に患者さんにさまざまな質問や説明をしなければなりません。また、実際に行う際には細かい指示も必要です。英語を話す患者さんにインフォームドコンセントをしっかりと行うためには、英訳された問診票や医療通訳が必要になると思いますが、看護師の皆さんにも、ちょっとした質問や説明の英語表現が求められます。そこで今回は、麻酔をする際の質問および説明の英語表現を集めてみました。何度も声に出して練習して、身につけてください。

「麻酔で異常が起きたことはありますか?」
まずは麻酔前の質問表現からです。以下の日本語を英訳してみてください。最初は解答を見ないで、自分なりの英語で表現してみてください。

Q1 麻酔で異常が起きたことはありますか?
 
Q2 今までにかかったことのある病気を挙げてください。
 
Q3 何か薬を飲んでいますか?
 
Q4 血が止まりにくい体質ですか?
 
Q5 医療に影響を与える宗教的、文化的な習慣はありますか?


どうですか? 何とか自分なりに表現できたでしょうか? では、それぞれの英語表現を見ていきましょう。

A1 “Have you ever had problems with anesthesia?”
「麻酔」は英語では“anesthesia”と言います。これは“without”を意味するギリシア語の接頭辞“a-”と、“sensation”を意味するギリシア語の“esthesia”から成り立っています。つまり“anesthesia”とは、もともと「感覚のない状態」という意味なのです。このほか、“Do you have any family members or relatives who have shown an abnormal reaction to anesthetic?”(ご家族や親せきの方の中に、麻酔薬に異常な反応を示した方はいらっしゃいますか?)という質問もあります(“anesthetic”は「麻酔薬」を意味します)。これはもちろん「悪性高熱症(malignant hyperthermia)」の素因を知るためです。家系によっては、麻酔によって急激に体温が上昇し、致死的になる場合がありますからね。

A2 “Please list any illness you have had.”
こう質問すれば、患者さんは既往歴や現病歴を話してくれます。しかし、中には重要な疾患を話し忘れる方もいらっしゃいます。そのような場合は、“Have you ever been diagnosed with heart problems?”(心臓が悪いと言われたことはありますか?)のように、個別に疾患を確認しておくことも大切です。

A3 “Are you taking any medication?”
以前にも紹介しましたが、「何か薬を飲んでいますか?」は、“Are you taking any drug?”ではありません。これでは「何か麻薬をやっていますか?」の意味になってしまいます。術前において、内服薬の確認は非常に重要です。「抗凝固薬(anticoagulants)」などは、そのまま言っても一般の方はわからない場合もあるので、そのようなときには“medications that that help prevent blood clots”(血を固まらせないようにする薬)と説明すれば良いでしょう。

A4 “Is it hard for you to stop bleeding?”
このほか、「アレルギー」や「入れ歯」に関する質問も麻酔には重要です。“Do you have any food or medicine allergies?”(食べ物や薬に何かアレルギーはありますか?)や、“Do you have dentures?”(入れ歯をしていますか?)も覚えておきましょう。ちなみに「差し歯」や「ぐらついている歯」は英語で何と言うでしょう? それぞれ“bridgework”、“loose teeth”と言います。どうです? 言われてみると「なるほどね」とは思いませんか?

A5 “Do you have any religious or cultural customs we need to know about that could affect your care?”
患者さんによっては「輸血(blood donation)」など、宗教的、文化的に受け入れられない医療処置があります。そういう意味ではこの質問表現はとても重要です。また、麻酔のリスクを説明するときには、“Of course all the staff will perform to give you the best care possible, but please understand that as with every procedure, there is a risk of complications.”(もちろん、われわれスタッフ一同最善を尽くしますが、どんな処置にも合併症の危険性があるということをご理解ください。」と誠意を持って説明することが大切になります。


「ベッドの上では動かないでください」
次は、麻酔処置の説明・指示の表現です。次の5つの日本語を英訳してみてください。

Q6 これから硬膜外麻酔を受けてもらいます。
 
Q7 心電図を付けますね。
 
Q8 背中に麻酔の注射をするので、左向きで横になってください。
 
Q9 痛みや吐き気があればすぐに教えてください。
 
Q10 ベッドの上では動かないでください。


A6 “You’re having epidural anesthesia now.”
「硬膜外麻酔」は、英語では“epidural anesthesia”となります。“epi-”は「外側」、“dural”は「硬膜の」という意味ですので、“epidural”で「硬膜外側の」という意味になるのです。現在進行形は非常に近い未来も表現します。ですから「これから…を受けてもらいます。」というのは、”You're having...” と言えば良いのです。

A7 “We're hooking you up to the electrocardiogram.”
この“hook you up to...”という表現がパッと言えれば、かなりの英語力があると言えるでしょう。これを使えば“We're hooking you up to the blood pressure machine / the arterial oxygen monitor.” 「血圧計/酸素飽和度を調べる器具を付けますね。」と色々と応用できます。

A8 “The anesthesia will be injected into your back, so could you turn onto your left?”
この後“Please pull your knees up to your chest and hold them.”(膝を曲げて胸の前で抱え込んでください。)と言って背を丸めてもらいます。背中に局所麻酔針をする際には、“You'll feel a little pain as we inject the local anesthesia now.”(局所麻酔の注射をするのでちょっと痛いですよ。)と声をかけると良いでしょう。

A9 “Tell us right away if you feel any pain or nausea.”
このほか、麻酔から覚めた患者さんには“If you have phlegm in your throat, please cough it out.”(喉に痰があれば、咳をして出してください。)と指示します。また不安の強い患者さんには“The operation was successful.”(手術はうまくいきましたよ。)と声をかけてあげると良いでしょう。

A10 “You need to try to keep still on the bed.”
日本語で「じっとしていてください。」と「動かないでください。」では、どちらが強い命令だと思いますか? 一般的に日本語では「動かないでください。」のように、否定形の方が強い命令になります。しかし、英語では逆になります。つまり、“Don’t move!”よりも“Freeze!”の方が強い命令になるのです。従って、術後に安静を促したいときは、“Try not to move on the bed”よりも“Try to keep still”の方が、動かないでもらえるわけです。そういう意味も含めて、上記の “You need to...”の表現は微妙なニュアンスまで表現しています。ぜひ覚えておいてください。



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