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Lesson14 介助で使う英語表現1

執筆 押味貴之
Lesson14 介助で使う英語表現1

入院患者さんへの看護では、さまざまな場面・状況における会話能力が必要になります。しかし、英会話を習っているような人でも、実際に患者さんの身の回りのお世話をする際の表現となるとあまりなじみがないのではないでしょうか? そこで今月から2回に渡って「介助の英語表現」をご紹介します。1回目の今回は「身体介助」と「移動介助」での英語表現がテーマです。


「床ずれができないように、身体の向きを変えましょう」
まずは、「身体介助」での表現から見ていきましょう。

安静度(bed rest level)で「ベッド上寝返りのみ可」の患者さんには、“Let's turn your body over so you don't get bedsores.”と声をかけてあげましょう。“sore” は「ヒリヒリと痛む傷」という意味で、ここから“bedsores”が「床ずれ」「褥瘡(じょくそう)」という意味になります。“turn”というのは、身体介助のときにはぜひ覚えておきたい動詞で、「身体の向きを変える」という場面で多く使われます。従ってこの文全体の意味は、「床ずれができないように、身体の向きを変えましょう。」となります。

安静度が拡大された患者さんには、できるだけ動いてもらう必要があります。そんなときには“Let's move your body at least a little so that you don't get bedridden.”という表現が便利です。この“bedridden”とは、「ベッドに乗ったままの」という意味で、日本語の「寝たきり」に相当します。従ってこの文は、「寝たきりにならないように、できるだけ身体を動かしましょう。」という意味になります。これは訪問看護でも使える表現ですので覚えておくと良いでしょう。

次に、「汚れているので着替えましょう。」“Let's change your dirty clothes.” といった「着替え」に関する表現です。

「シャツを着ましょう」“Let's put on your shirt.”、「ズボンをはきましょう」 “Let's put on your trousers.”といった表現はそれほど難しくはありませんが、「ボタン」に関する表現となると、意外と言えそうで言えない方が多いのではないでしょうか? 「自分でボタンがかけられますか?」「ボタンを外してください。」という表現は英語でどう言えば良いのでしょう?

これらは意外と単純で、 「ボタンをかける」“do the / your buttons”、「ボタンを外す」“undo the / your buttons” という表現を使います。従って「自分でボタンがかけられますか?」は “Can you do the buttons by yourself?”、「ボタンを外してください。」は“Please undo your buttons.”となります。


「肩肘立ちからゆっくり身体を起こしましょう」
次に、「移動介助」での表現です。

「歩くときには手を引いて差し上げます。」という表現は、英語でどう言えば良いのでしょう?

「手を引く」という日本語の単語に引きずられると、上手い通訳・翻訳は出来なくなります。通訳でも翻訳でも、大切なのは「その言葉がどんな場面を表現しているか」をイメージして、それにピッタリ合う言葉を紡いでいくことなのです。この場合も、「手を引く」という日本語の表現から「手をつかんで相手を誘導する」というイメージを持ち、“I'll lead you by the hand when you walk.”という、そのイメージに合う英語を紡いでいけば良いのです。

同じように、「肩肘立ちからゆっくり身体を起こしましょう。」というような表現も、日本語の「肩肘立ち」という表現から離れてその場面をイメージし、次にそのイメージを英語で表現する、という手順をとれば上手く翻訳できます。つまりここでは「肩肘立ち」から「肘に体重を乗せて起き上がる」というイメージを持ち、それに合う英語の表現を探っていけば良いのです。

相手に「~してみましょう。」と言いたいときは、“Please try to ?”という表現がよく使われます。また、「起き上がる」は“to get up”ですし、「~に体重を乗せて」というイメージには“onto”という前置詞を使います。従って“Please try to get up onto your elbow slowly.”と言えば、「肩肘立ちでゆっくり身体を起こしましょう。」という日本語をしっかりと「翻訳」したことになるわけです。

始めのうちは、このような翻訳技術は難しいと思います。と言うのも、「イメージに合う英語を紡いでいく」ためには、「この場面では英語でどう言うか?」という情報をたくさん蓄積する必要があるからです。

ですから、まずは場面ごとでよく使われる英語表現を、一つひとつ覚えていくことが大切になります。このような決まりきった表現の例としては「散歩に行きましょう。」があります。例えば、「公園に散歩に行きましょう。私が車椅子を押しますね。」は“Let's take a walk in the park. Let me push your wheelchair for you.”となります。この“Let's take a walk.”のような表現をたくさん覚えていくことが、会話の上達、ひいては通訳・翻訳技術の上達につながります。

また、日本語でもそうですが、同じイメージとはいえども、英語でもそのイメージに対する表現はたくさんあります。そのためにも、まずは失敗を恐れず、覚えた表現をどんどん話してみることが大切です。読者の皆さんもぜひ、このコラムで覚えた表現を数多く実践してみてくださいね。



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