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Lesson22 耳鼻咽喉科で使う英語表現

執筆 押味貴之
Lesson22 耳鼻咽喉科で使う英語表現

日本人医療者の中には、「難聴」を deafness と英訳される方が多くいらっしゃいます。しかし、これはネガティブな印象を与える表現で、医療者が患者さんに対して使うものとしては不適切な表現です。正しくは impaired hearing と表現します。このように実際に患者さんに向かって使う英語表現には、辞書に載っている英語とは違って、さまざまな配慮が必要になります。そこで今回は、「耳鼻咽喉科での英語」を通して、このような表現をご紹介します。

「耳が詰まるような感じがします」
「耳鼻咽喉科」は、英語で otorhinolaryngology と言います。oto-は「耳」、rhino-は「鼻」、そしてlaryngo-は「咽頭」をそれぞれ意味します。ただ、一般の方はこのような難しい表現を使わずに、ENT(Ear, Nose, and Throatの略で「イー・エヌ・ティー」と読みます)と表現します。従って「耳鼻咽喉科医」もこれを使って ENT doctor と呼ばれます。

ENTでは感覚器を扱うわけですから、患者さんが実際に使う表現も実に多様です。例えば「耳鳴(buzzing in the ear/ringing in the ear)」や「耳閉(plugged ear)」などは、“I heard a buzzing sound and it felt like my ear got plugged up all of a sudden.”(突然「ビー」と耳鳴りがして、耳が詰まるような感じがありました。)のように表現されます。

「めまい」には、「回転性めまい(vertigo)」と「非回転性めまい(dizziness)」の2種類がありますが、一般の患者さんでvertigoという言葉を使われる方はほとんどいないでしょう。vertigoの症状のある方の多くは“The room is spinning.”(部屋がぐるぐる回っている。)のように表現します。

花粉症(hay fever)が流行する時期には、“I have a runny nose.”(鼻水が出ます。) 、“My nose is stuffed up.”(鼻が詰まっています。)のような症状を訴える患者さんが増える事でしょう。このほかにもアレルギー性鼻炎(allergic rhinitis)の患者さんは、 postnasal drip という表現も使います。postは「後」、nasalは「鼻」を表すので、これは「後鼻漏」(鼻水が喉に流れてくる症状)と翻訳されます。 最近では、耳鼻科でもストレスに関する疾患が増えているようです。特に「突発性難聴(sudden sensorineural hearing loss)」や、「睡眠時無呼吸症候群(sleep apnea syndrome)」といった疾患では患者さんの訴えに詳しく耳を傾ける必要があるでしょう。 このようなストレス関連の疾患では、ボディランゲージやあいずち等を積極的に使う“Active Listening”という傾聴態度が求められます。患者さんの言葉に対して“O.K.”、“Right.”、“Fine.”、“Good.”という言葉であいずちを打つように心がけると、患者さんの不安も軽減されると思いますよ。


「検査結果」を伝える表現
次に検査に関する表現を見ていきましょう。

日本語で「ヒアリングテスト」と言えば、皆さんが英語の授業で受けてきた「聴解力テスト」の意味で使われていますが、英語で hearing test と言えば「聴力検査」の意味になります(ちなみに皆さんが英語の授業で受けてきた「ヒアリングテスト」は listening comprehension test と言います)。

では、「聴力検査の結果、左耳の聴力は平均20デシベルです。」と言いたい場合、どのように表現したらよいでしょう? このような場合には、“show”や“find”といった動詞を使って“The result of the hearing test shows you can hear at an average of about 20 db in your left ear.”などと表現したら良いでしょう。

また、行なった検査名が明らかな場合は、あえて検査名を表現しない方が自然な場合もあります。例えば「鼓膜の状態を知る検査では正常波形で左右差もなく、状況から考えると突発性難聴と思われます。」という表現の場合、“The shapes of your eardrums are normal and both the left and the right are the same. Taking into account all the information gathered so far, it can be determined that you have sudden sensorineural hearing loss.”というように、検査名を主語にしない方法もあります。

扁桃炎(tonsillitis)の検査などで、「念のために採血もして炎症のレベルを調べておきましょう。」という表現が使われる事があります。ここで注意していただきたいのが「念のために」という日本語の表現です。

以前にもご紹介しましたが、英語は「表出する言葉(メッセージの全てがそこに表出される言葉)」です。つまり、英語では「具体的に何を言いたいのか」をはっきりと表出しないといけないのです。日本語の「念のために」には「具体的に何を考慮に入れているのか」という情報が表出されていません。従って、ここでは「炎症がどの程度なのかを調べるために採血をします。」 “We're going to do a blood test to see how bad the inflammation is.”というように、目的を明確に表出して英訳するように心がけましょう。



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