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Lesson23 精神科で使う英語表現

執筆 押味貴之
Lesson23 精神科で使う英語表現

海外での生活というのは言語や文化の違いによるストレスが大きく、日本に来てから「カルチャーショック(culture fatigue/culture shock)」で悩んでいる方も大勢います。しかし、カウンセリングが主体となる精神科では、多くの外国人の方が「言葉の壁」のために受診をためらっているのが現状です。確かに、十分なカウンセリングを行なえるようになるにはかなり高度な英語力が必要ですが、「英語問診票を用意する」などの対応をとるだけでも患者さんの不安を取り除くことができます。そこで今回は、問診票にも使える「精神科での英語」をご紹介します。

“psychiatric”はどう発音する? 気をつけたい精神科用語
日本の医療現場では、精神科のことを「プシ科」という業界用語で表現することがあります。これはドイツ語の発音から定着した表現ですが、英語ではどう言うのでしょう?
「精神科」は、英語で psychiatry、そして「精神科医」はpsychiatristと言います。ここで注意していただきたいのは、その発音です。決して正確なわけではありませんが、あえてカタカナ表記するならば、それぞれ「サイカイェトリィ」「サイカイェトリスッ」のように発音します。そして、これが形容詞である psychiatric(精神科の)になると、下線部の発音が変わり「サイキアトリッ」となります。多くの日本人医療者の方が、この母音を間違って発音していますので注意してください。

「統合失調症(schizophrenia)」や「うつ病(depression)」といった疾患の英語名は広く知られていますが、「老人性認知症(senile dementia)」、「せん妄(delirium)」、そして「てんかん(epilepsy)」といったものの英語名はあまり知られていないようです。また日本語では「リストカット」という表現がありますが、英語ではこれは一般的ではなく、slashing your wrists のように表現します。 また、正式な病名ではありませんが、日本では「自律神経失調症(autonomic imbalance)」という「診断名」が頻繁に使われています。これは国際疾病分類ICDにも、アメリカの精神疾患診断基準DSMにも載っていない不思議な「病名」ですが、日本では患者さんにも理解してもらいやすくまた受け入れてもらいやすいという利点から、頻繁に使われています。しかし、これはあくまでも日本国内でのみ通用する表現で、それをそのまま外国人の患者さんに、“Your diagnosis is autonomic imbalance.”というように説明してもなかなか理解してもらえません。あえて同じように説明しようとするならば、“You have stress disorder.”のような表現が必要になります。

このほかにも、「抗うつ剤(antidepressant)」や「抗不安剤(anti-anxiety drug/minor tranquilizer)」、「抗精神剤(antipsychotic drugs/major tranquilizer)」といった用語はよく使われますので、ぜひ覚えておいてください。


「なかなか寝付けない」:覚えておきたい症状の表現
精神科での患者さんの表現は実に多彩で、プロの医療通訳者にとっても最も困難な診療科と言えます。ですから、患者さんの表現を聴き取るのが困難と感じたときは、こちらから積極的に尋ねて症状を確認しましょう。ここでは代表的な病態別に典型的な症状をご紹介します。

抑うつ症状 symptoms of depression
「何をしても面白くない」
loss of interest from most daily activities

「やる気が出ない」
loss of energy

「明確な根拠もなく自分には価値がないと思い込んだり、罪悪感を持つ」
feeling unworthy or guilty without an obvious reason

「死ぬことをよく考える」
thinking often about suicide

「なかなか寝付けない」
difficulty falling asleep

「何度も目が覚める」
difficulty staying asleep

「朝早くに眼が覚める」
waking up earlier than desired the next morning


不安症状 symptoms of anxiety
「胸がドキドキする」
racing heart

「息苦しい」
feeling smothered

「窒息するような気がする」
a choking feeling

「漠然とした不安がある」
having general anxiety

「また発作が起こるのではないかと不安がある」
worrying about having another panic attack


精神病症状 symptoms of psychosis
「幻聴:誰もいないはずなのに人の声が聞こえる」
hallucinations: hearing voices that are not there

「頭の中に他人の考えが入ってくる」
thoughts being put into your head that are not your own

「誰かが自分の悪口を言う」
hearing voices condemning you

「誰かがテレパシーで話しかけてくる」
thoughts being put into your head by other people telepathically



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