HOME > 英会話 > 看護に役立つ!実践メディカル英語 > Lesson29 単数形と複数形

Lesson29 単数形と複数形

執筆 押味貴之
Lesson29 単数形と複数形

「肺」や「腎臓」を英語で表現するとき、多くの方は単数形であるlungやkidneyと英訳すると思います。しかし、これらが実際に使われる場合は、複数形であるlungsやkidneysと表現されることが圧倒的に多いのです。英語に比べて、日本語では名詞の複数形は重視されないため、英単語を覚えるときにも「単数形や複数形まで意識がいき届かない」という方が多いのが現実ではないでしょうか? そうは言っても、実際に英語を使う際には「数の概念を意識する」、もしくは「無意識に使えるまで練習する」必要があるのです。そこで今回は、「単数形と複数形」にまつわるお話を紹介します。

“LKKS”は何の略?
英語圏で臨床に携わったことのある方であれば、カルテの身体所見の欄に“LKKS”と書かれてあるのを見たことがあると思います。これは一体何の略なのでしょう? 実はこれ、Liver、Kidney、Spleen(脾臓)の頭文字なのです。なぜKが2つ並んでいるか、皆さんもうお分かりですね。そうです。腎臓は左右2つあるからKを2つ書いているというわけです。

このように、2つ以上ある臓器の場合、その単語はlungskidneysというように複数形で表現されます。もちろん、片方の臓器だけを示す場合は単数形で表現されますが、一般的に「腎臓」と表現する場合、英語では無意識にkidneysと複数形になるのです。

このように、英語では「通常複数で存在するもの」は、複数形で表現されます。ですから「毛細血管」もcapillaryと単数形で使われることはほとんどなく、capillariesという複数形で使われるのです。「お尻」を表す英語にはbumとbuttocksという表現がありますが、前者は臀部全体を指す表現であるのに対し、後者は左右の臀部それぞれを表しています。つまり、buttockは通常左右2つあるわけで、英語で表現される時はほとんどが複数形になるというわけです。

したがって、患者さんがhandsfeetといった複数形で表現している場合、それは単に「手」や「足」を意味しているのではなく、必ず「両手」や「両足」といった、左右両方のものを表していることになります。複数形の英語を聞いて左右両方を意識できないと、思わぬ事故につながる可能性もありますので、「複数形」から「左右」への連想はしっかりとできるようになっておいてくださいね。


「症状」は“symptom”?
このほか、日本語では単数形として意識されていても、英語ではそうでない表現もあります。例えば、「その症状はいつから続いていますか?」というように、日本語で単数形として意識されている「症状」の場合、英語ではそのままsymptomと単数形にはなりません。多くの場合、「症状」であるsymptomは単一ではなく複数で表れることが多いため、「その胸痛」というように単数の症状を指す場合でも、無意識のうちに the symptoms のように複数形で使われることが圧倒的に多いのです。

これ以外にも、英語では無意識のうちに複数形で使われるものが数多くあります。「排便」を表す bowel movement は通常1回ということはありません。したがって、これも bowel movements と複数形になります。また「アレルギーがありますか?」という表現も“Do you have any allergies?”と複数形になるので注意してください。

また、単数形が複数形に変わるだけで、その文章全体の意味も変わります。「血液検査の結果」と表現する場合、日本語ではあまり意識していませんが、血液検査結果が1項目ということは通常あり得ません。したがって、これは the result of your blood test ではなく、the results of your blood test と複数形になります。この場合は、blood test が単数形ですので、行なった血液検査は1回のみということになりますが、the results of your blood tests となれば、「過去に何度か血液検査を行なっていて、それら複数の検査結果を示している」ということになるのです。

日本語では普段あまり意識しない複数形ですが、これから英語を使う際にはぜひ意識して、「無意識に」使えるようになるまで練習してみてくださいね。



看護に役立つ!実践メディカル英語 トップへLesson30へ>>


  • アルコムワールドで日記を書く

メルマガ登録