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執筆・解説 辰巳友昭

つぶやき英語表現 Vol. 118
1/16 Up
a/the six-month mission
(半年のミッション)
Tatsumi's Pick Up
「半年のミッションでどれだけできるか。私自身の次にもつながるし、将来の探査にもつながる」「月や火星、小惑星の探査。現役の間に機会があれば挑戦したい」
― 宇宙飛行士 油井亀美也さん

I'll try to get as much done as possible during the six-month mission. That will be for my own benefit as well as for the future of the probe. / Before I retire, if I have a chance to, I'd like to engage in the exploration of the Moon, Mars, or some other small planet.

解 説

背景
今年5月から国際宇宙ステーション(ISS)で半年間の長期滞在を行う予定の油井さんが、筑波宇宙センターでの訓練のため、1月2日に一時帰国し、5日に記者会見で意気込みを語りました。昨年、若田光一さんが初の日本人ISS船長を務めたのは、記憶に新しいところです。今回はそれに引き続いての抜擢ということで、日本人宇宙飛行士の活躍が続いています。


表現解説
今回は句読点(punctuation)の1つであるハイフン(-)の効果的な使用法について解説します。ちなみに英語のつづりはhyphenです。

このハイフンには大きく2つの使用法があります。1つは「単語を切る」というもので、単語が行に入りきらない場合に、いったんハイフンを入れて次の行に残りの文字を書くという使い方です。ただしこれは、近年パソコンのワープロソフトを使って執筆することが主流なため、実際に使うのは稀でしょう。もう1つは「複数の語をつなぐ」というもので、まとめて1つの単語にすることができます。これはうまく使うと英語表現の幅が大きく広がる、一種の裏技ともいえるもので、僕は高校3年生の頃に英語の先生から「ずるいからあまり使うな」と指導された覚えがあります。

何が「ずるい」のでしょうか。一般的によく見掛けるハイフン付きの語は、semi-conductor(セミコンダクター、半導体)、eco-friendly(環境に配慮した)、pre-19th century(19世紀以前)、e-mail(電子メール)のように、もともと存在した語に新たに接頭語を付けたものがほとんどです。これらの語が一般に定着するにつれ、ハイフンが取れる傾向にあるため、例えば今ではe-mailと書く人とemailと書く人の数は、どちらが多いか分からないほどです。これらは伝統的な「ハイフンを用いた語のつなぎ方」の例で、特に画期的でも何でもありません。

僕のかつての師匠が「ずるい」と呼んだのは、より柔軟に「何でもつないで1つの形容詞にしてしまう」というやり方です。これは非常に便利で、的確な形容詞が浮かばない場合の逃げ道となり得ます。例えば「草食動物」は「草を食べる動物」のことですが、herbivoreという名詞やherbivorousという形容詞をすぐに思いつく人はそう多くないはずです。思いついたとしても、自信を持って発音できるでしょうか。こういう場合に、grass-eating animalsと言い換えてしまえば、十分コミュニケーションが成立します。他にも「白黒の(monochrome)」はblack-and-whiteと言えば分かりやすいですし、「四足の」や「汗にまみれた」などは、それぞれfour-legged、sweat-coveredと言わずにどう表現すれば良いのか分かりません。

「丸顔の」はround-faced、「動きの鈍い」はslow-moving、「受賞(作品)」はprize-winning (work)、「世界的に有名な」はworld-famous、「2週間の」はtwo-week、「50歳の」はfifty-year-oldなどなど、例を挙げればきりがありません。これら「ハイフン付きの形容詞(compound adjectivesと言います)」は、語彙に限りのある英語使用者たちが、適切な表現を求めて探しながら会話をする際に自然に作り出されるもので、完全に即興の場合もあれば、すでに正式な表現として定着している場合もあります。

便利な反面あまりこれに慣れてしまうと、有り合わせの語彙で何とか表現するという力ばかりがついて、語彙が増えなくなる恐れがあるため、先生は高校生の僕に「(まだ)あまり使うな」と助言したのでしょう。しかし実生活で英語を使用する際には、このハイフンの使い方を覚えておくと、とても役に立ちます。

なお、細かい点ですが、「2週間の」をtwo-weeks(×)、「50歳の」をfifty-years-old(×)のように、単位を表す名詞を複数形にすると誤りとされるので、注意しておきましょう。また、これらの形容詞はふつう名詞の前に置かれますから、通例そのさらに前に冠詞のaないしはtheが置かれます。すなわち、今回の油井さんの発言にある「半年の(=6カ月間の)ミッション」は、一般的な話ならばa、今回は特定のミッションなのでthe six-month missionとなります。

起き寝るから、ハイフン付き形容詞の例を2つ挙げます。


今回の起き寝る関連表現
I wish I could run a hundred-million-yen project some time in the future.
(いつか、億単位のプロジェクトを動かしてみたいなあ)
起きてから寝るまで英語表現700 オフィス編』P. 144 No. 35

This has passed the best-before date, but is it OK [to eat]?
(賞味期限切れてるけど大丈夫かな?)
起きてから寝るまで英語表現700』P. 76 No. 12

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