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執筆 まつだあいこ
『50/50 フィフティ・フィフティ(2011)』
英会話に生かせる! 映画フレーズつまみぐい

生存率50%のがん宣告を受けた若者の姿をコメディータッチで描く。ラジオ局に勤める27歳のアダムはある日、脊髄に腫瘍が見つかりぼうぜんとする。戸惑うガールフレンド、認知症の夫を介護しながら心配する母親、ぎこちない新米セラピスト、気のいい患者仲間、そして相変わらずの親友。彼らに囲まれ、アダムは闘病を続ける。

『50/50 フィフティ・フィフティ』 [DVD]
販売元:Happinet
Tough break.
フレーズ活用度:★★★

セリフ抜粋


Adam: Nice to meet you. Oh. I'm Adam Lerner, schwannoma neurofibrosarcoma*.
Alan: Wooh! What the fuck is that?
Mitch: Tough break. The more syllables, the worse it is.
アダム:よろしく。あ、僕はアダム・ラーナー。悪性神経鞘腫(しょうしゅ)、神経線維肉腫です。
アラン:おいおい、なんだそりゃ?
ミッチ:気の毒に。言葉が長いほど悪いっていうだろ。


解説


化学療法を受け始めたアダムは、同じくがん闘病中の高齢男性アランとミッチと知り合う。セリフはそれぞれが名乗ったシーンから。アダムのかかっている病名の難解さにアランは驚き、ミッチは同情を示す。Tough break. は、「ついてないね」「それは残念」「それは大変だね」「惜しかった」など、不運だと思う相手に掛ける言葉としてよく用いられる表現。tough は「ままならないこと」、break は「運」を指し、tough luck でも同意。一方、「幸運」つまり「ラッキーチャンス」のことは lucky break と言える。 Tough break. が聞ける作品は他に『ロボコップ』(87)、『バック・トゥ・ザ・フューチャーPART 2』(89)、『ショーガール』(95)、『バスケットボール・ダイアリーズ』(95)、『L.A.コンフィデンシャル』(97)、『ビッグ・フィッシュ』(03)、『ジャーヘッド』(05)など。

*schwannoma neurofibrosarcoma = 前半のschwannomaは単純切除で根治できる良性腫瘍ですが、ここでは続くneurofibrosarcoma = 神経線維肉腫と合わせて放射線化学療法など集学的な治療が必要な悪性(malignant)腫瘍を指しているため、DVD版字幕訳と同じ語にて訳出しました。より専門的には「悪性末梢神経鞘腫瘍 Malignant peripheral nerve sheath tumor(MPNST)」と分類される腫瘍にあたります。 協力:石田雄介(病理専門医)


こんなふうに使ってみよう


Cobb: You didn't get into Stanford? Too bad. Tough break. Where else did you apply?
コブ:スタンフォードに合格しなかったの? 残念。ついてなかったわね。他にどこを受けたの?
『オレンジカウンティ』(02)より


あいこのつぶやき


本作は、脚本を書いたウィル・レイサー自身のがん克服経験を基にした物語です。レイサーは、主人公の親友役で、実際に彼の闘病生活を知るセス・ローゲンらの勧めで執筆したそうです。重いテーマを扱う中、軽妙な雰囲気を損なわない力強い描写で好評を得た本作。好評の理由は有名人や映画を引き合いに出すといった、リアリティーあふれる会話の演出にありそうです。(ネタバレになるかもしれませんが)俳優パトリック・スウェイジ、ハリー・ポッターの宿敵ヴォルデモート、『愛と追憶の日々』(83)、『ソウ』(04)……。映画が生活に密着し、話題や流行が会話を豊かにしていると実感できます。


Not good.

『バービーのくるみ割り人形(2001)』

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