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プロが薦める勉強法 File#05 茂木健一郎さん(2)

プロが薦める勉強法 カリスマ講師陣が惜しみなく公開
File#05 英語学習体験談  茂木健一郎さん

  言語習得のキーワードは広い意味での「異文化受容」

大学時代には、アメリカで日米学生会議に参加。英語の講演を聞きながら、質問時間に真っ先に手を挙げようと、客席で頭をフル回転させる茂木青年の姿があった。質問を考えながら話を聞くのは、このころ編み出した秘策だ。脳科学者となった今、そのメカニズムを「プライミング」という言葉で説明する。

茂木健一郎さん

「プライミングとは、ある刺激が次の刺激の情報処理能力に影響を与える、呼び水効果のようなものです。質問を考えたり、自分は何を話そうかと考えたりしながら人の話を聞くと、プライミング効果によって、リスニングが即スピーキングの準備になるわけです。それを英語でやることで、脳の英語領域が鍛えられます」

発見と工夫満載の茂木流英語人生。その歩みを振り返る時、先生は「異文化受容(アカルチュレーション)」をキーワードに挙げる。

「早い話が、英語をめぐる文化をどれくらい自分が受容しているかということで、この異文化受容と英語力との間に、相関があるのではという仮説があるのです。知覚性言語中枢であるウェルニッケ野や、運動性言語中枢のブローカ野は、さまざまな脳の回路とつながっています。だから英語力を伸ばすには、より総合的な回路を脳に作ることが必要だというわけです。僕自身の経験でも、語学的な知識というより、英語文化への理解が深まるにつれて、言葉が定着してきたように思います

英語学習者にとっての異文化理解は、これまでは主に英語圏の文化を指していた。だがこれからは、それでは足りない。

「英語はもはや、イギリスのものでも、アメリカのものでもありません。文字通り世界の共通言語で、あらゆる地域の人たちが、英語を話すコミュニティーに入ってきています。世界各地の文化に関心を広げ、多文化の中で自分をどう表現するか。その力が、これからの英語の話者には求められるでしょう」

  朝英語が効果的な理由は? 知って納得、脳の学習メカニズム

脳の仕組みは奥深い。英語学習のヒントも、まだまだ無数にありそうだ。
「大半の日本人は幼児期に日本語を覚え、その後第2言語として英語を学んできました。こういう場合、脳における認知の領域には、日本語領域と英語領域がそれぞれ形成されます。この2つを瞬時に切り替えられるようになると、日本語と英語が楽に使い分けられるのです」

切り替えがうまくいかないのは、英語に日本語を介在させてしまうから。日本語領域と英語領域の間を行ったり来たりしていては、いつまでたっても英語領域がしっかり確立しない。いちいち英語を日本語に訳さない、英英辞書を使うなど、学習中は英語モードに徹する工夫をしてみよう。

「いっぽう発音には、運動性言語中枢のブローカ野が関係しています。でも実はこれは、音楽のリズムやハーモニーなどを聞き分ける時に活動する場所でもあります。つまり脳は、言葉を音楽のように捉えている。だから音楽と同じように、英語の音そのものに集中してネイティブスピーカーの発音を聞き、自分の発音を近づける練習が効果的なのです」

1日の中では、朝が学習に最も適しているという。バラバラに蓄積された前日の記憶が睡眠中に整理され、朝には再び新しい情報を受け入れられる状態へと、脳がリフレッシュしているからだ。

集中して何かを学ぶなら、このゴールデンタイムを逃す手はありません。前もってやることを決めておくと、短時間でも中身の濃い朝学習ができますよ。大切なのは、少し難しいと感じる教材を選ぶこと。脳はこのレベルで、非常に活発に働くからです。僕もよくやるのですが、ブログやツイッターも英語に集中しやすいです。日本文化に関心が高いインテリ外国人も国内に多いので、彼らのブログを探して英語でやりとりするのもお勧めです」

脳のメカニズムと、茂木先生の実体験に基づく英語習得の極意、今日から早速、応用してみよう。


脳の仕組みを学習に生かす6カ条

  1. 最初は全然分からなくても、脳が英語に慣れてくる。繰り返すことで脳に英語モードを定着させる。
  2. 質問を考えたり、返事を考えたりしながら聞くと、「プライミング効果」で、リスニングが即スピーキングの準備になる。
  3. 「異文化受容」もキーワード。英語文化への理解が深まるにつれ、言葉が定着してきた。
  4. いちいち英語を日本語に訳さない、英英辞書を使うなど、学習中は英語モードに徹する。
  5. 英語の音に集中してネイティブの発音を聞き、自分の発音を近づける練習が効果的。
  6. 集中して何かを学ぶなら、記憶が睡眠中に整理され、再び新しい情報を受け入れられる朝が最適。





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