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プロが薦める勉強法 File#07 羽根拓也さん

プロが薦める勉強法 カリスマ講師陣が惜しみなく公開
「英会話本を何冊も買って練習したのに、なかなか身に付かない」とお嘆きの方へ ― 数多くの大企業で英会話指導を行ってきた羽根さんが、必ず成果の出る練習法を伝授!

羽根拓也

同志社大学卒業。アメリカの大学で日本語講師に。ハーバード大学の正規教員となり、優秀指導証書を授与される。帰国後、企業研修プログラムなどを開発する株式会社アクティブラーニングを設立。経済産業省、社会人基礎力委員、文部科学省、就業力審査員などを歴任。

取材・文◎足立恵子 Ayako Adachi 写真◎劉 成吉 Sun Gil You

  教師より学び方が大事

アメリカのハーバード大学で「優秀指導証書」を得、帰国してからは株式会社アクティブラーニング代表として、企業研修や企業改革のプログラムを開発してきた羽根拓也さん。羽根さんが提唱する勉強法のユニークなところは、教師よりも、「学び方」に注目するところ。そのきっかけは、学生時代の経験だったという。

「ある塾で英・数・国・理・社の5教科を受け持ち、日本語学校で外国人相手に日本語を教えてもいました。そんな中で気づいたのは、『学び方』を意識して工夫する人は、成績が急激に伸びるということだったんです」

例えば同じ教師から習っていても、自分なりに工夫してみる人(自分流の単語帳をつくるなど)は、理解度がかなり高い。いわゆる「デキル人」たちは、そのあたりを無意識のうちに実行しているのだという。

「それなら、自分で工夫することができない人には、ノウハウを一から教えてあげればいいのではないか」と考え、塾や日本語学校で実践してみたところ、実際に多くの成功例を得られた。

正しい学び方さえ身に付ければ、教材や勉強時間にかかわらず、だれでも成果を上げることができる。これは、これまでの日本の教育の中で、スッポリ抜けていた部分だと思います」

大学を卒業後も指導の仕事を続け、その後アメリカの大学へ日本語講師として派遣されることになった。アメリカでも「まず学び方を教え、それから学習に入る」という授業を実践したところ、学生たちから高い支持を得るようになる。いくつかの大学を経て、ハーバード大学で正規教員として採用されることになり、学生の評価によって決まる「優秀指導証書」を得た。

  語学学習に大切な「2つのM」

帰国後はその経験を生かして学び方に特化した学校を開設し、特に語学を指導。やがて語学のみならずマネジメントやプランニングなどビジネス関連の研修を行うようになり、「人間の成長する力」を育てる現在の会社を作り上げたのである。語学習得に大切なのは、Memorization(定着)とMotivation(動機付け)の「2つのM」だそうだ。

「Memorizationとは、単なる単語の暗記ではなく、言葉を使えるように定着させることです。定着しているとはすなわち、『反射的』に出てくるということ。語学は一種のスポーツで、必要な時に必要な言葉が反射的に出てきて初めて、本当に使えると言えるのです

一般に日本の学校の英語の授業では、教師が文法や解釈を教え、生徒がそれを理解したところで終わってしまい、使うための徹底した練習をする機会があまりない。「アメリカの大学の語学の授業では、知識を吸収するだけでなく、必ずそれをアウトプットするための時間を確保しています。lecture(講義)とdrill(訓練)ですね。このdrillがないと身に付きません」

さらに、語学の習得にはMotivationの維持も大きな意味を持つ。「多くの人は、自分の意志が弱いから学習が続かない、と考えていますが、一人でコツコツと続けられるような意志の強い人は、そうたくさんいません。大事なのは、意志が弱くても継続できるように、自分をマネジメントすること。たいていの人が、そのことに気づいていないのです」

例えば、一人で続けるのが難しければ語学サークルに入って一緒に学ぶ相手をつくる、TOEIC(R)テストに申し込んだり海外旅行の予約をしたりして期限を設定するといった状況を作るといいそうだ。「半ば強制的に自分をそういう状況に追い込むのです。私たちはこれを『公力効果』と呼んでいるのですが、一人ではなかなかできないことも、人と約束していたり、期限が決まっていたりすると、やらざるを得なくなるものです。この状況を意図的につくり出せる人とそうでない人との間には、大きな差が出ます」

  時間を計ってやる気アップ

では、羽根さんが提唱している「Memorization」と「Motivation」をマネジメントする英語学習法とはどのようなものなのだろう。

羽根さんの手法のユニークなところは、まず「教材を限定しない」ということ。「『この教材がいいです』と薦めることはしません。手元にあるものの中から、仕事で英語を使うならビジネス会話の、海外旅行をよくするなら旅行会話のダイアログを選べばいい。ただ、長さは8~12行程度がいいですね。短過ぎると練習にならないし、長過ぎると覚えられませんから」

まずは声に出さず目で追いながら読んでみる。その時間をストップウォッチで0.1秒単位で計り、「ネイティブスピード」すなわちネイティブスピーカーが普通に読むときの速さとする。CDなどの音声があればその秒数を計ってもよい。

次にこれを、「ラフ暗記」する。反射的に話せるようにするためには、会話のやりとりを暗記しておく必要がある。ただ、すぐに全部暗記するのは難しいので、最初は時間をかけつつ、どうにかテキストを見ずに全文を口に出して言えるようにする。

覚えられたら、再びストップウォッチが登場。最初は「ネイティブスピード」の1.5倍のタイムを目標に、暗記したダイアログを言えるようにする。「このストップウォッチで計るというのが、Motivationに大きく影響しているんです。企業研修などで実施すると、年配の方々でも『よし、1秒縮まった!』と子どものように喜びます。ただ『繰り返し読んでください』と言ってもやる気は出ませんが、時間を計ることで、繰り返すことが面白くなってくるのです」

最後に目指すのが、ネイティブスピード。最初に計ったときと同じ速度で、暗記したダイアログを声に出して言えるようにする。これが難なくできるようになると、「使えるレベルまで定着している」と言えるそうだ。「ネイティブスピードになると言葉が反射的に出てくるので、考えるとか思い出すという過程なしに、言葉が出てくるようになります」。この方法で自分に必要な分野のダイアログを50も習得すれば、単語を入れ替えて応用ができるので、かなりの英会話力が身に付くという。



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