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プロが薦める勉強法 File#08 恵比須大輔さん

プロが薦める勉強法 カリスマ講師陣が惜しみなく公開
「中学英語でかなりのことができる」とよく耳にするが、その中学英語でさえ、本当は習得できていないことが多い。英語の土台作りの重要性を説く恵比須氏に、中学英文法のやり直し法を聞く。

恵比須大輔

兵庫県神戸市出身。英語・英会話講師、留学カウンセラー、ダイビングインストラクターなど多彩な経歴を持つ。現在は「やりなおし英語JUKU」を神戸で主宰し、学生から大人まで初心者を対象とした使える英語学習指導に従事している。『Mr. Evineの頑張る英語人応援ブログ~略してエビログ!』も更新中!

取材・文◎木和田志乃 Shino Kiwada 写真◎上野好子 Yoshiko Ueno

  実は分かっていない中学英文法

canとbe able toは言い換えることができる、と中学の英語の授業で教わる。ところが、その過去形であるcouldとwas(were) able toは単純に言い換えができない。しかしこのことを把握している人は、英語の上級者でも多くはない、と恵比須大輔先生は言う。

couldは使えずwas able toでなければならない、という状況があります。例えば、バスケットボールの試合で相手と対峙し、ドリブルで相手を抜いたという場面では “I was able to beat him.”(彼に勝てた)を使います。couldは『仮定の能力』、つまり、やろうと思えばできる、という意味を持っているので、“I could beat him”は、『勝とうと思えば勝てる』という意味になり、まだ実際に試合で勝ってはいないことになるのです。具体的な個々のケースに合わせて使い分けなければなりません」

同様の例として“Will you help me?”(手伝ってくれませんか?)の答え方を挙げる。“Can you ~?”と“Will you ~?”は日本語で「~してくれませんか?」という助動詞の会話表現の定番で、この場合、中学では「can=will」のように習う。しかし実際にはcanは「能力」、willは「意志」と両者には異なる用法がある。

例えば“Will you help me?”を断る時に、“Will you ~?”の助動詞に合わせて“No, I won't.”を使えば、相手の機嫌を損なう恐れがある。“Will you ~?”で聞かれているのは意志だ。この場合、聞かれているのは「あなたは手伝うという気持ちがありますか?」であり、“No, I won't.”は「手伝う気がない」という意志を伝え、“No, I can’t.”は「事情があって手伝えない」という意味になる。違いを理解していなければ、自分の真意が伝わりにくくなる。

  いまさらcanやwillを見直す!?

中学3年間のカリキュラムではこういった違いについて習わない。学ぶべき文法事項があいまいなまま学年だけが進み、しっかりとした土台ができていないところに、難しい文法事項を積み重ねていっているのが現状の英語教育だといえる。しかし、何かおかしいと感じても、中学で習ったcanとbe able to、willとcanを見直そうとする人はまずいない。英語学習者には受験英語こそが「英語が話せない」元凶だという思い込みがあるためだ。上級者になるほどその考えは強くなり、「今更中学英文法なんて……」と文法学習を敬遠しがちだ。しかし、恵比須先生はこの傾向を「全くの思い込みです」とくぎを刺す。

「単語やイディオムについては、中学で習うものだけでは大人の会話には足りませんが、英文法は中学レベルのものがしっかり身に付いていれば、大人が英語で自分の意志を伝えることは十分可能です

恵比須先生の塾にはほかの英会話スクールから移ってきた生徒も多い。英会話スクールでは、感覚やニュアンスに比重を置き、基礎的な文法事項や文型の説明を省く教え方になりがちだ。だから恵比須先生は、英会話スクールで学んだ経験がある生徒や、「中学校レベルなら大丈夫」と話す生徒にもゼロから教える。多くの場合、英語学習の土台ができていないからだ。

  ワーキングホリデーで気付いた中学英文法の重要性

そんな恵比須先生も、学生時代から中学英文法をしっかり習得していたわけではない。大学では英語を専攻していたので、英語の知識面については自信があったものの、自由自在に英語を話せるわけではなかった。にもかかわらず、周囲から「ペラペラ」と思われていることが苦痛だったと振り返る。このギャップを埋めるため、大学卒業後、就職せずにワーキングホリデーを利用してオーストラリアに滞在した。

初めはあいさつ一つ、自己紹介一つ満足にできず、「今まで学んできた英語は何だったんだろう」と悩んだ。そこで、ネイティブの友人に「もしも何を言っているのかわからなければ、注意してほしい」と頼み、“I'm walking.” “I'm shaving.” “I'm opening the window.” などと、自分の行動を口に出すようにした。“Thank you.”さえも言い直させられながら、恵比須先生は会話力を身に付けていった。そんな悪戦苦闘の中で、「高度な文法にこだわらず、ベーシックな事項だけを使って会話をするという勉強をしてこなかったな」と気付いたのだ。

帰国後はダイビングインストラクターを経て、英語の講師として学習塾に勤めるようになった。当初は教科書に載った表現も生徒に説明できずに困惑し、文法用語の意味を国語辞典で引くことから始め、分からない点をこつこつと調べていった。それらをウェブサイトに掲載したのがきっかけとなって 『Mr. Evineの中学英文法を修了するドリル』が生まれた。「これは5文型や品詞などの文法用語を積極的に採用し、英語の土台を作っていこうというものです。その土台があるからニュアンスやネイティブの切り口が理解できるのです」




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