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プロが薦める勉強法 File#09 大島希巳江さん

プロが薦める勉強法 カリスマ講師陣が惜しみなく公開
世界中で英語落語のプロデュースを手掛ける大島希巳江さん。大島さんが指導した、英語嫌いの落語家さんたちが英語を身に付けた方法や、日常会話にユーモアを生かす方法を伺った。

大島希巳江

高校卒業後、コロラド州立大学ボルダー校へ進学、学士号取得。帰国後、青山学院大学大学院にて修士号、国際基督教大学大学院にて博士号取得。現在文京学院大学外国語学部准教授。専門は社会言語学、異文化コミュニケーション、ユーモア学。1996年から英語落語をプロデュースし、海外公演ツアーで世界各国を回る。著書に『英語で小噺』 『英語落語で世界を笑わす!』(以上、研究社)など多数

取材・文◎杉谷知子 Tomoko Sugitani 写真◎高梨光司 Koji Takanashi

  認知度が上がる「英語落語」

Tsunami(津波)、Otaku(オタク)、Akita(秋田犬)、Tofu(豆腐)など、今や英語になった日本語はたくさんある。この流れに続けとばかり、目下快進撃を続けているのがRakugo(落語)だ。

その活動の旗手となっているのが大島希巳江先生。落語を英訳した”Sit-down comedy”ではなく、”Rakugo”という言葉自体が広く知られる日を目指して、世界各国で英語落語の普及に努めている。最近ではその成果が実り始めたようで、国内外での認知度が上がり、自分たちで公演してみたいというグループや英語落語サークルも増えてきた。

  落語家さんたちの驚きの英語習得術

「今でこそ、英語が得意、英語が話せるという若手落語家さんが出てきましたが、私が英語落語を始めた10年前には『英語なんて大の苦手。英語を話すなんてとんでもない!』という方たちばかりだったんですよ」

そんな英語嫌いの落語家さんたちが、15~20分もの長さの英語落語をどうやってマスターしたのだろう。そう尋ねると、大島先生は笑いながら、こう答えてくれた。「文法など基礎からやっていたら、何年かかっても高座に上がるところまでたどり着けません。だから、とにかく丸暗記! 全部にカタカナのルビを振った英語落語の台本と、私が英語でしゃべっている音声材料を渡して、『この通りに覚えてくださいね』とお願いします」

意味が全く分からないカタカナの羅列、しかも15~20分もの長さ。普通の人ならなかなか覚えられそうにないが、落語家さんたちはこれを3、4週間ですっかり覚えてしまうのだという。そこから実際の稽古に入り、しぐさをつけたり、発音しにくい英語を言いやすいものに変えたり、覚えにくい表現を工夫したりと、演者に合わせた細かい調整をしていく。

そしていよいよ高座に。落語家さんたちは噺の大まかな流れは分かっていても、一つひとつの単語やせりふの意味まではほとんど分からない。しかし何回かしゃべっているうちに、お客さんたちの表情やリアクションを見て、「なるほど、ここはこういう意味なんだ」などと推測ができてくるのだという。

  英語落語で覚えた表現を日常会話に活用

こうして2年半余り公演をしているうちに、丸暗記した英語落語が理解できるようになり、文法も少しは分かるようになってきた。

「中には自分で英語を基礎から勉強し始めた人もいますし、噺にアドリブを加える人も出てきました。また、自分のレパートリーの噺に出てくる英語フレーズを活用して、英会話ができるようになってきたようです。最初の海外公演では自由時間があっても決して単独行動をしなかった落語家さんたちですが、今では積極的に食事に出かけたり、買い物に出かけたりするようになりましたから」

英語落語も、日本語の落語と同じように会話だけで構成されている。例えば英語版「時そば」には”I would like a bowl of soba.(そば、一杯もらおうか)”というせりふが出てくるが、このフレーズをちょっと応用するだけで、カフェやレストランで注文ができるようになるというわけだ。

ただしリスニングはいまだに苦手な人がほとんどだとか。「スピーキングは話すことでうまくなります。落語家さんたちは繰り返し英語落語を演じるし、とにかくよく話すので、スピーキング力はぐんぐんついていきます。反対に英語を聞く機会はあまりないので、リスニング力はあまりアップしないようですね」

  自分らしい英語を話すことが大事"

大島先生の話を聞いているうちに、ある疑問がわき上がってきた。落語がうまいけれど、英語はからっきしダメという人と、落語は新米だけれど英語はぺらぺらという人。どちらが聞き手にうけるのだろうか。

「うーん、英語がうまい人よりも落語がうまい人のほうがうけますね。例えば立川志の輔さん。英語落語を始められたばかりなので、流ちょうな英語ではなくて、ジャパニーズイングリッシュですが、やっぱりすごくお客さんにうけます。ご本人は発音に自信がないようですが、ほとんどのお客さんは発音の良しあしなんて気にしていないんですよ




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