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プロが薦める勉強法 File#13 柴原智幸さん

プロが薦める勉強法 カリスマ講師陣が惜しみなく公開
教材や学習法で迷っているヒマがあったら、まずは実践! という同時通訳者の柴原氏に、トレーニングの極意を聞いた。

柴原智幸

上智大学外国語学部英語学科卒業。イギリス・バース大学の通訳翻訳コース修士課程修了、ロンドンのBBC に入社。帰国後は、NHK の放送通訳、大学・英語学校・通訳者養成学校などで英語と通訳の指導を行う。2009年4月より神田外語大学専任講師。アルクの通信講座「1000時間ヒアリングマラソン」の「トレーニング・ジム」のコーチを務める。

取材・文◎足立恵子 Ayako ADACHI

  聞き流すだけでは、内容理解はできない

通信講座「1000時間ヒアリングマラソン」で「アクティブ・リスニング」というトレーニングを指導している柴原智幸先生。このトレーニングはシャドーイングなど、通訳者の訓練に使われる手法を通して、ただ黙って音声を聞くのではなく、自分から積極的に内容を聞き取る姿勢を養うメソッドだ。

最近は、単行本『オバマの英語 徹底トレーニングブック』で、就任演説を使ったトレーニングを提案。オバマの英語を自分のものにしつつ、リスニング力とアウトプット力を高めるための方法を教えてくれた。

「リーディングに多読と精読があるように、リスニングにも、ひたすら量を聞く多聴と、一言一句精緻(せいち)に聞いていく精聴とがあります。学習者の方々からはよく、『1日3時間英語ニュースを聞いていますが、なかなか聞き取れるようになりません』といった話を聞きますが、ただ聞き流しているだけでは、内容を理解できるようにはなりません。精聴によって音に対する理解を高め、自ら発話できる力も養うのが、私の提案しているトレーニングです」

  プロソディーを理解し、一瞬の間をつかむ

具体的には、1つの素材につき、「リスニング」「リピーティング(聞いた音声を音声後のポーズで繰り返す)」「シャドーイング(音声を聞き取ったら即、声に出す)」「音読」「区切り聞き通訳(意味の固まりごとに区切って日本語に訳す)」「オーバーラップ(音声にピッタリ合わせて言う)」を組み合わせ、多角的に聞いて声に出す練習を繰り返す。最終的には、「Repeat & Look Up(英文から目を離して暗唱すること)」ができるのが目標だ。

「聞く、読むといった練習を重ねることで、プロソディー(prosody)を身に付けてほしいのです。プロソディーとは、その言語特有の発音やリズム、イントネーションのことで、それが身に付いていれば、音を聞いてすぐ、一字一句正確に聞き取れるはずです

例えば、I want to go ... と言う場合、want の[t]が脱落するといわれているが、実際には舌がいったん、[t]の音を発音する形になるので、音にならない一瞬の間ができる。その間がつかめると、英語をさらに正確に聞いたり話したりできるようになる。「聞いて理解できた音を自分の中に染み込ませ、それを忠実に再現する。そのトレーニングを繰り返すことによって、リスニングと同時に、スピーキング力も伸びるのです」

  オバマの英語はパワフルさが魅力

柴原先生がこの方法を確立したのは、自ら実践してきたさまざまな英語学習の成果と、大学や英語学校、通訳者養成学校などで教えてきた経験によるもの。先生自身は、海外留学を経験したのは大学を卒業してからで、中学・高校と、自分なりに工夫しながら勉強を重ねていたそうだ。「アメリカのポップスを聞きながら、後について歌ったり、歌詞を書き取ってみたりしていました。思えばそのころから、そうとは知らずにシャドーイングやディクテーションをしていたんですね」

卒業後は英語学校などで教えていたが、やがてイギリスの大学院に留学し、BBCで放送通訳を務めることに。帰国後は、NHKで放送通訳として活躍する傍ら、複数の大学の教壇に立ってきた。「私の授業は、講義ではなくトレーニング。学生は授業中に何度も音声を聞いて、口に出して、また聞いてということを繰り返します。時々『ちゃんと講義をしてほしい』と言われるのですが(笑)、英語を聞いたり話したりできるようになるには、説明を聞くよりも、自分でひたすら実践するほうが、はるかに近道なのです

その実践にはさまざまな方法があるので、自分に合っていると思うものを選べばいい。柴原先生が提案するトレーニングにしても、必ずしも示された手順の通りに学習しなくてよい。順番を変えたり、回数を加減したり、自分なりに工夫して構わない。ただ、できるだけ長期間継続してほしいそうだ。



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