翻訳ジャンル:実務翻訳 プロに必要な仕事環境「わたしのセレクト」

・取り扱い分野:医薬 ・取り扱い言語:英日、日英 ・翻訳者としてのキャリア:25年

update:2016/08/01

森口理恵さん

※以下の各項目で、◎印は「購入を強く推奨する商品・サービス」、△印は「予算に余裕があれば購入したほうがいいと思う商品・サービス」を示します。

なお、掲載されている価格は、筆者の方が執筆時にインターネット上などで確認した金額であり、現在の販売価格と異なる場合もあります。ご購入時に各自でご確認ください。

1.パソコン

  • ◎ Windows 10が動くPCで、複数のディスプレイが接続できるもの。
  • △ メインマシンとサブマシンの2台あれば安心です。
推薦する理由
  • 複数のディスプレイが接続できるマシンをお勧めするのは、ディスプレイの面積が効率を左右するので。OSはWindows 10でなければWindows 8.1以降。エクスプローラーの検索効率が格段に上がり、スキャンしてOCRをかけたPDFファイル(いわゆる「自炊本」)の文字列も検索可能となりました。
  • PCの故障で業務が止まったり、データを失ってしまったりするのを避けたい場合は、メインマシンとサブマシンの2台(もしくは3台以上)を持ち、データを同期させておくと被害が避けられます。

2.マウスやキーボード、モニター、外付けハードディスクなど
PC関連のアイテム

推薦する理由
  • 上記のように設定しておくと、2台のPCが1台のように使いこなすことができます。ソフトウエアを使うと2台のPC間をシームレスに移動できコピー&ペーストも可能です。これに併せてハードウエアを使うのは、一方のPCをリセットしたり、一方のPCだけを使ったりするときに便利であるため。

3.デジタル系アイテム(iPad、kindleなど)

  • △ iPhoneなどのスマートフォン(仕事メールのプッシュ通知を得るため)
推薦する理由
  • 客先からの重要なメールを逃さないようにするため。設定次第ではスマートフォンに必要なメールだけプッシュ通知させることができます。急ぎの仕事をメールで依頼してこられるお客様が増えたため、着信を直ちに知る方法が必要になりました。仕事場で仕事をしていても、外出先でも、このプッシュ通知があれば着信の有無を確認する必要がないので、便利です。
  • (1)iPhoneのVIP機能を使う
    逃したくない顧客のアドレスをVIPに指定し、プッシュ通知させる。
  • (2)メールを転送する
    仕事用に使っているメールのプロバイダの設定を変更して、特定のアドレスやドメインに該当するメールだけを、iPhoneにプッシュ通知ができるアドレス(@me.comなど)に転送します。このアドレスは他で使わないようにすれば、仕事関係のメールだけがプッシュ通知されるように設定することができます。ドメインを設定すると、得意先の別の担当者から届いたメールにも即対応可能です。
  • スマホをバッグに入れていたり、仕事場から離れていたりするときにプッシュ通知に気づかない事態を避けるため、dittoというデバイスをポケットに入れています。

4.辞書

  • △(1)日外25万語医学用語大辞典英和・和英対訳
  • ◎(2)リーダーズ英和辞典
  • ◎(3)ビジネス技術実用英語大辞典V5 英和編&和英編(「海野さんの辞書」)
  • ◎(4)英辞郎 on the WEB
  • ◎(5)学習者用の英英辞典、CD-ROMつき

辞書ではありませんが必須の日英対訳資料として(いずれも無料)

推薦する理由
  • (1)25万語医学用語大事典をおすすめするのは、訳語を早く知りたいときに便利であるため。CD-ROM版を購入して、ハードディスクに格納しておけば便利です。△をつけているのは、今は英辞郎やWeblioでも医学用語の意味を知ることができるため。いずれの場合も、選んだ用語が適切かどうかは、手がけている題材と同内容の文章で使われているかどうか、関連学会で用いられている用語かどうかを検証する必要があります。「学会用語集」で検索すると、ウェブで閲覧できる用語集も数多く出ていますので、適宜参照してください。
  • (2)(3)一般的な英語辞書として持っておくなら、リーダーズ英和とビジネス技術実用英語大辞典V5 英和編&和英編(「海野さんの辞書」)の2冊をお勧めします。「ビジネス技術実用英語大辞典」は医薬に関する表現はあまり多くありませんが、翻訳に役立つヒントが数多く得られます。いずれもハードディスクに格納しておくと、日英辞書としても活用可能です。
  • (4)英辞郎 on the WEBは、専門用語の検索に役立つほか、医薬翻訳者の必須資料であるICHガイドラインの文章の日本語版と英語版の対訳が検索できるなどの点で優れています。例えばfull analysis setはICHガイドラインでは「最大の解析対照集団」と訳されていますが、これが英辞郎 on the WEBを検索するだけで確認できるのは大きなメリットです。
  • (5)コウビルド、マクミラン、ロングマンなど英語学習者向きの英英辞典は、CD-ROMがついたものを購入し、PCにインストールして頻繁に参照するようにしてください。医学用語の場合は、例えばmyocardial infarction = 心筋梗塞と確認できれば解決するのですが、一般的な表現に使われる単語は英和辞書の表現があてはまるわけではなく、辞書にある訳語がイメージを妨げてしまうことも往々にしてあります。英英辞書を日常的に用い、英語の意味を英語で知るプロセスを習慣にしてください。

5.翻訳支援ツール

  • 翻訳支援ツールの導入をお勧めします。使いやすく、手に入りやすい価格のものなら何でも。
推薦する理由
  • (1)用語集を構築し参照できる、(2)過去に扱った原文と翻訳を参照して類似部分を提示してくれるという基本機能を備えた翻訳支援ツールを早い段階から導入することをお勧めします。試用版を使ってみて、自分で扱えそうと思えば、ぜひ試してみてください。私は、DejaVuを使っています。無料で使えるFelixを活用している翻訳者も多いようです。
  • 医薬翻訳の分野では、ICHガイドラインや、日本薬局方などの資料を参照した上で訳文を作成することが求められます。ICHガイドライン、日本薬局方ともに日本語版と英語版が無料で公開されているので、繁用表現の日本語と英語を翻訳支援ツールに入力しておけば、訳文作成の効率が大幅に上がります。

6.周辺アイテム(椅子、マッサージ器具など)

推薦する理由
  • (1)一日中、立って仕事をしています。デスクは10年以上前に仕事場を改築した際、立って作業ができる高さに作り付けました。きっかけは腰痛対策でした。Moveという立ち座りができる椅子を使い、立ち座りしたり立ったりして仕事をしてきました。昨年末、長年使ってきたMoveの座面がぐらぐらし始めたので(買い換えるにしても、座面を修理するにも3カ月程度かかりますので面倒臭くなり)、椅子を全く使わないようにしたところ、快適なのでそのまま立ったまま仕事をしています。何時間でも問題なく働けます。
  • (2)ディスプレイは目の高さに合うよう、壁にマウントアームを取りつけ、2台のPCに接続した4枚のディスプレイの高さを調節しています。
  • (3)運動不足の解消に、スタンディングデスクの足元に踏み台昇降運動ができる台を置いています。片足をかけたり、爪先をかけて踵を下げる運動(アキレス腱伸ばし)をしたり、PC画面を眺めながら踏み台昇降運動をしたりしています。

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