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苦手なりの受験英語

 

2006年8月22日

英語ダメ人間のなり方(12)

続きです。 このLLの授業のメインはヒアリング能力の構築やスピーキング能力の開発ではありませんでした。英文暗記をさせる能力の構築でした。先生オリジナルの英文を暗記、いや暗誦させるのです。「口頭テスト」と呼ばれるものがありました。先生の前に呼び出され一人、一人、段落ごとに英文をほぼ長文全部を暗誦させるのです。


得意な人ならきっとわけないことでしょう。当時の私の同級生はいとも簡単に暗誦していました。彼らは普通のリーダーの英文さえ暗誦できてしまう能力の持ち主でした。きっとここをお読みになっている方も「べつにそれくらい、頑張ればできるよねえ」と思っていらっしゃる人が多いと思います。


ところが私はこれが極端に苦手でした。このブログで何度も言っています。私は例文がどうしても覚えられない脳みそを持っているのです。1文すら覚えられません。まして長文丸暗記なんぞできるわけがない!


しかも暗誦で求められるスピーキングスピードは「ネイティブ並み」でした。 私は友人の5倍以上は暗誦勉強時間に掛けたと思います。ですが記憶できた量は友人の10分の1以下でした。


毎回、毎回、頑張って頑張って勉強しました。でもテストで満足に暗誦できません。そうするとこの悪魔は決まってこう言いました。 「勉強していない! なんで勉強してこないんだ?」


このときの気持ちが得意な人にわかってもらえるでしょうか? 私は得意な人の5倍は時間をかけて勉強しました。でもテストでは得意な人の10分の1も暗誦できません


その結果は……
・赤点
・(勉強したのに)勉強していないと怒鳴られる!
・(勉強したのに)勉強していない殴られる


というものでした。


ちなみにペーパーテストもこの授業にはありました。
・暗誦した英文を書かせる。
・先生オリジナルの訳例(前回参照)を一字一句間違えないように書かせる。
というものでした。
私はこのテストで学年最低点を1度取りました。(ちなみに別の授業(リーダー)でも学年最低点を高1のときに記録しています。くしくも両方とも【7点(100点満点)】でした)

つづきはこちらです

Comments

>Dr. Sさん
たびたびコメントありがとうございます。

>これは確かに悪魔的ですね
そう言っていただいて大変嬉しく思います。ありがとうございます。
伊藤和夫師のおっしゃるとおりだと思います。ありがとうございます。


この授業が先生から何の批判もなく続けられたのは、うちの学校特有の特殊な事情があったからであると思います。2つ考えられます。


(1)うちの学校は英語が得意な人が8割以上いたというかなり特殊な学校であったこと。
ほとんどの生徒が英語がずば抜けてできました。つまり普通の英文なら訳せるのが当たり前。たとえこのN先生が変な訳例を作ったとしても、彼らは脳みそで自分の訳例に変換できてしまうのです。いえ普通は逆で、脳ではちゃんと美しい訳例を作るのですが、あえてそれをN先生の訳例に(定期テストのために)変換していたのです。だからこの授業は大多数の生徒にとってさほど問題ではなかったのです。英語ができる私の同級生はこれをこのように評しています。→(N先生の授業は確かに変で厳しい授業ではあった。しかしこのくらいでないと俺達は遊んでしまう。丁度いい勉強を与えてくれた素晴らしい先生)
彼にとっては丁度良かったのです。
 問題は英語が得意な人でも「厳しい」という感想をもつ授業に私のようなアンポンタンがついていけるかどうか……という点にあると思います。無理ですよね。でも授業は存在していたので私はやらないわけにはいかなかったのです。この学校には苦手な人のフォローが全くなかったわけです(普通の学校にはあるのかどうかはわかりませんが)。わが校では苦手な人はごく少数なので「無視」されていたわけです。<<だから私は「苦手な人専門のサイトとブログ」を立ち上げているのです。 わざわざ<得意な人向けではけっしてない! 苦手な人専用だ!>と謳っているのはそのためです>>


(2)英語科の先生方の90%が早稲田閥であったという事情。
このN先生はなんと東大出身なんです。N先生は普通の人はもちろん、たとえ英語が得意な人から見ても相当な「奇人」には見えました。間違っても生徒に好かれません。うちの学校はかなり特殊な学校で、先生のほとんどが早稲田閥で占められていました。学校全体で東大を毛嫌いする風土があったのです。この変な授業を織り込むことで「東大というのはああいう変な人間を生み出す学校だ。だからお前らは早稲田に入れ」というメッセージを暗に伝える役目も持っていたのではないかと思います。

どうもDr. Sです。前回で、これは確かに悪魔的ですね。しかし、これまた、故伊藤和夫先生のネタですが、著書の「予備校の英語」に書いてあったことを思い出しました。入試の英文和訳の採点基準に関することで、少々長いですが、引用します。

学生が辞書を持って試験にのぞむのでない以上、単語の訳についてはできるだけ広いはばで認める、少なくとも辞書に記載がないというだけの理由で減点することは避けるべきだとするのが筆者の立場である。・・・教室で訳語の適否を通じて英文の内容を考え抜くという作業を教師と学生が一体になって行うことと、大学入試ような場面で考え方も顔も知らない生徒の能力を一枚のペーパーだけから判定しようとすることとは、次元がちがうのである。後者のような場合、いたずらに厳しい立場を権威主義でつらぬくことは、学生から学習の喜びを奪い、英語嫌いを助長する結果しか生まないのである。

このLLの事例は教師の授業であって、ペーパーテストではないですが、それ以外はまさにドンピシャの指摘だと思われます。それにしても、マウスバードさんの学校には、このような批判をする、他の先生はいなかったのでしょうか。