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苦手なりの受験英語

 

2009年1月29日

高校の英語の授業を英語でしたら...(1)

高校の英語の授業を英語でしたら...


The poor English learners in high school never listen to any great English teacher who teaches them English in his class ONLY IN English, as you never read one English sentence like THIS.


今回から、新シリーズ「高校の英語の授業を英語でしたら」をお送りします。


高等学校の英語の授業を、日本語を使わず英語で行おう、という動きが昨年発表されました。その直後、このブログで1名の受験生、iKnow!のフレンドから1名(既に受験を終えている社会人)から、連絡をもらいました。内容は概ね同じものです。それは以下でした。


「英語で行う英語の授業について意見をください。何らかの形で意見を発表してください」


というものでした。両者とも、もともと英語が苦手だった方です。お二人とも私に求めているものはすぐに分かりました。それは


「反対意見を発表してください!」


というものです。お二人とも「英語で行う英語の授業」に賛成なら、私に意見を求めるわけがありませんから。


英語が苦手な受験生が「英語で英語の授業をして欲しくない!」という実感になるのは当然です。それに加えて、受験を終えられた社会人の方が「英語で英語の授業をしてほしくない!」、「反対意見を発表してください」、という依頼をしてくださいました。彼はもう高校で英語を習うことがないのに、それでも反対して欲しいわけです。彼は自分の高校時代を思い出し、英語で英語の授業をされた場合の『無意味さ』や『嫌悪感』を想像されたのかもしれません。


 本当に「英語で行う英語の授業」が高等学校で行われるかどうかは分かりません。ただ、実際ごく一部の私学では既に行われているでしょう。ということは、本当にそうなる可能性は高い、と言わざるを得ません。


私の見解は以下です。


 もし実際に、高等学校の英語の授業を英語のみで行われれば...


英語が苦手な人は高校で英語を学ぶ機会を完全に失うだろう。
もしかしたら、苦手な人のみならず、平均以下の学生すべてが高校で英語を学ぶ機会を完全に失うだろう。
その結果、高校生全体の英語力を下げるだけの結果にしかならないだろう。
その結果、日本にますます英語が普及しないだろう


「高等学校の英語の授業を英語のみで行う」とは「現場を知らぬ偉い人の妄想(ファンタジー)」である。


というものです。なぜそうなるかについて、今後数回に分けて連載しようと思います。
まずは、「現場を知らぬ偉い人の妄想(ファンタジー)」についてから話を始めようと思います。
この続きは、月曜日です。


明日は、いつもの文法放送です。




あ、文頭に英語を書いたっけ。一応意味を書いておきますね。↓


「高校の英語が苦手な英語学習者は、どんな優れた英語教師の授業でも、英語だけを使った英語の授業ならば、その話を聞かないだろう。あなたが「この英文」を読み飛ばすのと同様に。」


(↓目次はこちら)
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Comments

>清水恭宏さん
三単現のSも知らずに、英会話をやろうとする方がいらっしゃることが、私には不思議です。こういう人は英語が得意なわけがないので、英会話をやろうと思い立たない、と思っているからです。自分の意思でやろうと思ったのならば、どういう理由でやろうと思ったのか知りたいところです。

 このレベルの高校生が沢山いるのですから、英語で英語の授業ってどうなんでしょうか? ましてTOEFLなんて、生徒はもちろん、教師も大方は合格点が取れないと思います。でも導入されるんでしょうね。
 私には太平洋戦争前の政治家さんたちの発想と同じだと思っています。
・やればできる(勝てる)はず。

実際にやるのは(戦うのは)、学生(兵士)たちであって、政治家さんたちではない。政治判断をする政治家さんたちは、導入(開戦)の結果、学生(兵士)たちがどんなに辛くなっても(死んでも)、痛くも痒くもない。だから、無茶な判断を平気で下せるのだと思います。

英会話を習いたいと思い、入会される生徒さんの中で、基礎ができていない方のほとんどは、3単現のSでちんぷんかんぷんの状態です。英会話だろうが、受験だろうが、やるべきことは同じなのです。3単現のSが分からなければ、現在形の疑問文はできないので、先に進めないのは自明のことです。中学レベルの文法もろくに理解していない生徒がいる中で、「英語で英語を教える」なんて時間の浪費でしかありません。日本語で教えても理解できない生徒もいるのですから。
今度はTOFELの受験での導入を提言するようですが、生徒に受けさせる前に、教員採用試験で採用するのが先ではないでしょうか。それほど難しいテストであることさえ、頭の悪い政治家の先生にはわからないのでしょうね。

>清水恭宏さん
苦労が偲ばれる書き込みありがとうございます。
私が最近高校生の生徒を教えるときに、気がついたことがあります。
「三単現のSを知らない高校生がいかに多いか」
ということです。中1で最初に習うルールを知らないまま高校生になっているのだから、恐ろしいです。

>文科省の指導要領が著しくコミュニカティブになった、まさにゆとり世代の方が私のスクールでは進歩に苦しんでいます。

本当に皮肉ですね。

おっしゃる通りと思います。
これからの10年ぐらいは、多くの高校生が地獄の生活を送ると思います。
喜ぶのは、語学の才能がある、極々1部の方々だけと思います。
が、たぶん、偉い人は「そんなはずはない」と考えていると思います。


>マーフィーのケンブリッジ英文法(日本語版もしくは英語版)という本がありますが、初級編、中級編のどちらかをノルマとして課しています。コースブックだけでは、英語習得は不可能です。なぜなら絶対的練習量が不足するからです。私は何もしないで週に1時間だけレッスンを受講しようという方は入会をお断りしています。なぜならお金の無駄にしかならないからです。

素晴らしい英会話スクールと思いました。今すぐ金沢に引っ越そうかと思ったくらいです。
今後のご活躍を祈っております。

そうですね。英語を話せるようになるための前提となる知識の欠如が、確かに進歩の阻害となります。皮肉なことに文科省の指導要領が著しくコミュニカティブになった、まさにゆとり世代の方が私のスクールでは進歩に苦しんでいます。なぜなら、辞書の使い方さえ教わってきていないからです。なので、マーフィーのケンブリッジ英文法(日本語版もしくは英語版)という本がありますが、初級編、中級編のどちらかをノルマとして課しています。コースブックだけでは、英語習得は不可能です。なぜなら絶対的練習量が不足するからです。私は何もしないで週に1時間だけレッスンを受講しようという方は入会をお断りしています。なぜならお金の無駄にしかならないからです。

話を戻しますが、高校生が効果的に英語を学ぶ上ですべきことには、次のようなものがあると考えます。

(1)中学レベルの文法事項の総確認
ここで欠けている部分があったら先へ進めません。
(2)文型の理解
修飾語句の要素を抜いた5文型では不十分だと考えるので、7分型で教えています。ここでは各品詞の働き、文型要素における守備位置の確認=SVOCの各要素のどこで、どの品詞が使われるか、をします。
(3)辞書スキル
文型を指導しながら、文脈の中で品詞を考えながら辞書を引くスキルを指導します。けっこう時間がかかります。
例)I stay fit by going jogging every morning.
大半の高校生は品詞を考えて辞書を引くことを知りません。ここでのfitの意味を調べるには、品詞が何か考える必要がありますが、そういったスキルを文型と絡めて指導している学校は皆無のようです。
(4)構文の学習
これは最近敬遠されがちですが、単語・文法の知識だけでは英語は読めません。ある程度のパターンの蓄積のもとに、そのイメージをかぶせながら、英文の先の展開を瞬時に予想できてこそ、正確でしかも速い読解が可能となると考えます。
(5)長文
最初は中学レベルのものを正確に速読させます。
He speaks English well.
He speaks good English.
例えば、上の二つの例文の訳が、どちらも「彼は英語を話すのがうまい」と同じ訳をする生徒さんは黄信号です。確信犯的にそう訳すなら別ですが、大半は品詞の役割が分かっていないことを示唆するからです。
(6)発音記号の徹底指導
未知の単語を自ら発音できずに、どうやって予習ができるでしょうか。大半の英会話スクールもそうですが、発音記号の読み方を指導していないので、自ら学ぶことができないのです。

まだまだありますが、「英語を英語で教える」以前に上に挙げたようなことを、高校では徹底的にやるべきだと考えます。結論を言うと、ゆとり世代以前の英語教育は、確かに問題も多くありましたが、現在よりはるかにましではないでしょうか。過去を全否定するのではなくて、良い部分は残し、悪い面は改善する、そういった健全な作業が求められていると思います。

>清水恭宏さん
ご意見があまりに素晴らしく、ツイッターで囁かせていただきました。
質のいい英会話学校なのではないかと思いました。またその現場の真摯なご意見だと思いました。

以下は感想です。
====

生徒さんの中には
 意味はよくわからないけど、なんとなく英語のフレーズを声に出せればかっこい。
 相手が言ってることもよくわからないけど、なんとなく「こんな意味かなあ」と思えればそれでいい。
 曖昧でも、ネイティブさんと話せる体験をしたい

と考えて英会話学校に集まってくる方が相当数いらっしゃるように見えました。英会話学校もこれをいいことに、極論を言えば<英語を身につけさるノウハウもなく、ネイティブと「英会話ごっこ」をさせて、身につかないまま高い授業料をふんだくるだけ>…ということが可能だし、悪徳なところほどこの傾向が強い気がします。これがどこが「学校」なのでしょうか?


清水恭宏さんの英会話学校は、このような「英会話ごっこにならない」指導をなされているように感じました。生徒さんも「真摯に英語を身に付けたい」と考える方が多いのではないでしょうか? しかし、生徒さんの多くが「その前提となる知識」をあまりに知らなさすぎる、と感じていらっしゃるのではないかと思いました。

それから
教える側は「英語を喋れるようにしてあげたい」
のに
1部の生徒さんは「英語で楽しめればいい」と感じている。
というギャップに苦労されているように感じました。
どうでしょうか?
=====

私は英会話学校はよく知りません。もしかしたら<英語を身につけさるノウハウもなく、ネイティブと「英会話ごっこ」をさせて、高い授業料をふんだくってるだけ>というところが想像以上に数多くあるのかもと思いました。生徒側も、教育側もこうした状況をもっと考えて欲しいと思わずにはいられませんでした。

日本のような、普段の生活で英語が必要ないEFL環境で英語が話せるようになるには、文法力や読解力の土台があることは大前提です。そのことを正直に唱えずに、楽しく「英会話ごっこ」レベルのことしかしてこなかったのが、大多数の英会話スクールの大きな責任です。想像するに、高校現場では読解力のない生徒のために「訳先渡し」が当たり前になり、その分を他の活動に当てようとするのではないでしょうか。そうなれば本末転倒も甚だしいです。また、長文の単語リストを渡している学校も少なくありません。その結果、自ら辞書を引いて、品詞を判断し、文脈に合った訳語を探すという当たり前のスキルが高校生には身についておらず、教えるのが一苦労です。これは教育哲学の欠如にほかなりません。高校生は自立した学習者になれません。だから、将来、英語が必要となった場合困るのは自明です。独力で読解する入口の基礎的スキルさえ身につかないのですから。基礎力の裏付けのない、いい加減なトップダウン方式の読解指導は無意味です。やはり一文一文を正確に読むことのボトムアップが、優先されるべきでしょう。

>清水恭宏さん

 まず、清水恭宏さんが英会話学校の方だということに驚きました。英会話学校の方ならば「高等学校の英語の授業が英語のみで行われることに、批判的であることはない」と思っていましたから。
 英会話学校の方であるからこそ、日本人英語学習者の多数が抱えている問題がわかるのかもしれないと思いました。おっしゃることは概ね同意いたします。
 英語だけの英語授業推進派や大学受験TOEFL導入派は、「英語ができる人たちだけに見える都合の良い妄想」を推進しているように思います。
 英語が「嫌い」な学生さんたちがこれから「ドッと」増えると思います。でも彼らは「英語が普及した」と言い張ると思います。

コメントありがとうございます。大変違和感を覚えるのは、英語でのコミュニケーションの定義が「話すこと」偏重になっていることです。社会で英語を使っていれば、すぐに分かることですが、国内での英語使用で一番大切なのは「読み書き」の能力なのです。メールが良い例です。少しでも誤解を生むような表現があれば、利益は全て飛んで行ってしまいます。製薬会社では、英語で書かれた膨大な量の英文を読むことの方がよほど大切です。実際、TOEIC受験者の多くの悩みはREADINGセクションが時間内に終わらないことです。書いてある英文の内容がきちんと分からないで、ディベートだとか、自分の意見を述べるだとか、論理が飛躍しすぎています。きっとおっしゃる通り、振り子現象が再び起きるでしょうね。どんな教育手法を取ろうと、必ずプラスとマイナスがあります。今までの英語教育のマイナス面ばかりを強調する感情的議論ばかりしていても、生産的ではありません。英語でディベートする前に、日本語できちんとディベートできる能力を身につけることの方が、はるかにこの国(特に政策を考える人)には必要だと思うのですが。

>清水恭宏さん

コメントありがとうございます。
もう4月から「英語で英語の授業」は始まってしまいますね。その結果たぶん、すぐに弊害が頻出すると思います。その結果、表立って反対運動をする人も多少は出るでしょう。残念ながら効能はあまりないように思いますが。

 受験英語にTOEFLを導入しようとする動きもあります。こちらもまともには可能とは思えません。ただTOEFLも導入すること自体は可能でしょう。その結果、大混乱が起こると思いますが。
 ゆとり教育が元に戻ったの同様に、早く元に戻ることを祈るべきではないかと思います。その間の、高校生はまさに「被害者」だと私は思います。太平洋戦争中に特攻隊などの無謀な作戦によって若い兵士たちが犠牲になったのと同じように…。

結局、この政策のおかげて儲かるのは塾と予備校だけである。英語が苦手で、経済的理由で塾に通えない生徒にとっては教育機会が奪われることになってしまいます。そもそも、英語がろくに話せない教師が多い中、こんな政策はブラックジョークです。確かに、単なる英文の訳読はよくないことは分かるにしても、そのことが=日本語使用全否定というところに、文科省の役人が英語教育のイロハも哲学もないことがわかります。例えば、東大で出されるような、まとまった英文を日本語で要約するような問題は悪いのでしょうか。単なる訳読と読解の違いも分からない人たちの言うことは支離滅裂としか言いようがありません。反対運動が噴出することを期待します。