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苦手なりの受験英語

 

2013年9月30日

5文型をなぜやるか?(3)

前回も問題を出して終えました。以下のような問題でした。


> 問題:
> 2・A dog has Ken.
> の意味を【常識】で考えてしまった人は、各単語を次のように考えた。


> A dog 「(一匹の)犬」
> has 「(この場合は)飼う・飼っている」
> Ken 「ケン」


> 実は↑この部分には、1つ大いなる「認識間違い」が入っている。その所為で文全体の意味を間違えたと言って良い。
> ではどこがどのように間違いか? 正しくはどう理解すれば良かったのか? それを説明せよ。


という質問を出して終わりました。
正解を発表しましょう。


------
 A dog 「(一匹の)犬」
 has 「(この場合は)飼う・飼っている」←ここがおかしい
 Ken 「ケン」


正しくは
 has 「(この場合は)~を飼う・飼っている」
である。
------


さて皆様。これに対してどういうご感想をお持ちになったでしょうか?
・「はあ~~? そんな目くじら立てるほどの違いなの?」
・「同じやんけ」
とでも思う方が大勢いらっしゃると私は思います。そう思う方が「英語が得意」であるなら別に問題はないと思います。
ですが、そう思う方が「英語が得意」であれば、大問題だと思います。~を」がなかったら大間違い。致命的で重大な間違いです。


英語が苦手な人向けに返事をしますね。
・「はあ~~? そんな目くじら立てるほどの違いなの?」←はい!
・「同じやんけ」←いいえ! 全く違います
という返事になります。(ここを認識できないから、あなたは英語が苦手なのだ、と言えるくらいものすごく大事だ、と私は思います)


試しに、高校生以上向けの辞書で、have を調べて下さい。
そこには
 「持っている」や「飼っている」という訳語は書いていないはずです。
必ず
 「~を持っている」や「~を飼っている」という訳語が書いてあるはずです。


~を」がものすごく大事なのです。


辞書にある have をよく見て欲しいです。まず[他]というマークがついていると思います。
もしお持ちの辞書がジーニアスなら
 ○で囲まれた 他 というマークが見つかるはずです。
そして①には
 [SVO]a)(物理的に)<人が>(手元に・身近に)<物>持っている
と書いてあるはずです。


 ←これが大事。「」があるかないかが、ものすごく大事です。


ジーニアスにはこの意味だと
 [SVO]
  ↑こんな記述がありますね。5文型を少しでも学んだことがある人なら、「これは5文型のある形を表している」と分かるはずです。SVO は「第3文型」を表します。


 ここで大事のは
 「V(動詞)の直後)は O である」
 ということです。


↓これを考えましょう
A dog has Ken.


 V(動詞)はすぐに分かるはずです。has です。
では has の右(直後)は? ⇒ Ken ですね。Ken は has のO目的語)なわけです。目的語とは「を」の「に当たる部分の【名詞】のことです。


 has の意味は「(この場合は)~を飼う・飼っている」
でした。つまり
  has Ken ←ここだけ見たら
 ×ケン飼っている
 ○ケン飼っている
  という意味になるのです。


これは「have が第3文型(SVO)の構造を取るから」という理由によって導かれるのです。
だから


A dog has Ken. ←この意味は
 × ケンは犬を飼っている
 ○ 犬はケンを飼っている
となります。


ここまでいいでしょうか?


-------


英語は「語順が大事」なのです。


Ken has a dog. が「ケンは犬を飼っている」となるのは
 has a dog ←で「犬を飼っている」になるからです。


A dog has Ken.が「犬はケンを飼っている」となるのは
 has Ken ←で「ケンを飼っている」になるからです。


このように「語順」で意味が決まるのが英語なのです。


一方日本語は、助詞さえくっついていれば、語順はあまり関係ない


・ケンは犬を飼っている
  [ケンは] と [犬を] の位置を逆にしてみましょう。
⇒犬をケンは飼っている
  どうでしょうか? 意味は変わらないですよね。


ここまでどうでしょう? 英語で5文型をなぜ学ぶか分かったでしょうか? たぶんまだ「いまいちピンと来ない」と思います。はい、それでまだ正常だと思います。では次の例を出してみましょう。


問題:次の4つの英文の和訳例を書きなさい。(ただし1つは普通は文法的に正しくない英文である。したがってその英文は和訳例ができないはずである。無理に作ることは可能)


1 He gave the book.
2 He had the book.
3 He gave me the book.
4 He had me the book.


さあ、やってみて下さい。続きは来週の月曜日。金曜はいつもの無料文法放送です。


(↓目次はこちら)
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Comments

>清水恭宏さん

 英語ネイティブにとって英語の語順は教わるまでも無い「感覚」と言ったレベルだと思います。彼らは下手をすると「語順の感覚」は誰でも、つまり、日本人でも自然にできる、と思い込んでいるかもしれない、と私は疑っています。彼らが「英語の語順」を教える場合、【感覚で自然にできてしまう】ので、「慣れればできる」としか言えないのが普通だと思います。

 一方「慣れればできる」とのみ教わる場合、日本人英語学習者側はどう受け止めるでしょうか? 【割とすぐに】「(語順の感覚に)慣れる」かどうかは【個人の資質】の問題だと思うのです。「個人差」というものです。すぐに「語順感覚」に慣れる人もいれば、いつまでたっても慣れない人もいると思います。大多数はその中間だと思います。本当の意味で「慣れやすい資質を持っている人」は20人に1人ぐらいだと思います。残り19人は「英語の語順感覚に慣れにくい」と思います。

 【語順の感覚】を体系化したものが5文型だと思います。したがって慣れにくい資質の日本人の初学者の多くは5文型をきっちり学ぶ必要があると私は思います。

MOUTHBIRD様
日本語と英語の根本的違いに触れている今回のシリーズは非常に大切な示唆を多く含んでいます。まさに、ネイティブ英語教師(例えプロであっても)が分からない、日本人学習者の悩みです。最近は、携帯メールの普及で日本語はどんどん単語の羅列になっていく傾向にあると思います。読書離れと、まともな日本語を使う機会の減少で、ますます日本人の英語習得は困難になっていると、日々指導していて感じています。MOUTHBIRD様が主張していることを、最近私は20代前半の生徒さんに話します。目からウロコのようです。、

I went to Tokyo yesterday.を例にあげると、
私は昨日東京へ行きました。
昨日私は東京へ行きました。
東京へ私は昨日行きました。
昨日東京へ私は行きました。

と日本語では助詞さえ合っていれば様々な言い方が可能です。この話をするとなぜ文法が必要なのか、初めて分かってもらえます。

マーフィーは確かにコミュニケーションの道具として文法を習うには良い本ですが、日本人教師による五文型の補足は絶対必要だと考えます。そうしないと生徒さんは「木を見て森を見ず」という状態になってしまいます。個々の細かい文法事項を習っても、それらが大局的につながらないと使える知識として定着しないからです。

例えばsee somebody do/see somebody doingというユニットやhave something doneというユニットが中級編にありますが、これらを単なるフレーズのように捉えて個々に学ぶだけでは、あまりに効率が悪いと思います。ここに5文型のベースがあれば、切れ目ない(seamless)学習ができ、応用が自在になります。

以上のことから英語はある程度のレベルになるまでは日本人教師について習うべきです。