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苦手なりの受験英語

 

2013年12月 2日

日本人は文法に詳しくないから英語が喋れない(4)

【事実】
今現在英語が好きで得意で英語がペラペラ喋っている日本人の多くは、文法に詳しくない。(つまり文法に詳しくなくてもペラペラ喋れている


↑これは私には(も)事実と思う。しかし「だからといって文法に詳しくなくていい」という話には簡単にならない


なぜ「だからといって文法に詳しくなくていい」という話には簡単にならないのか?
この理由は大きく分けて2つ。
(1)【無意識の】慣れの問題
(2)才能の問題、特に「英文そのものを覚える能力に長けているか」の問題
この2つです。この2つの要素がそれぞれ50%ずつあって、「だからといって文法に詳しくなくていい」...という結論にならないと思う。


前回は
(1)【無意識の】慣れの問題
について話しました。「慣れだけでなんとかしなる人」は【無意識で慣れようとする】のです。詳しくは前回のログをご覧ください。


今回はこの話の続きです。
(2)才能の問題、特に「英文そのものを覚える能力に長けているか」の問題
について話します。


まず少し再放送をします。オリジナルはこの回


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 ●語学には才能がある。才能がある人ほど、文法は要らない。しかし才能に長けていてない大多数は文法が必要と思う


こう書くと「語学に才能なんてない。みな同じく等しい」と言う人が出てくる。その人向け


たとえ話


をしよう。
・ここに100人の人を集めて、100mの徒競走を行うとする
そうしたら100人が100人別々のタイムになるはずである。100人が100人みな同タイムでゴールしないはずである。
 このように等しくないのだ。


これと英語は同じ。
・ここに100人の人を集めて、英単語100個記憶テストを行うとする
そうしたら100人が100人別々の点数になるはずである(そりゃ同点になるケースも多数存在するが)。少なくとも100人が100人みな同点にはならないはずである。
 このように等しくない


(以上が再放送)
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では、英語における才能とはどういうものか?......


「核となる才能」は「英文そのものを覚える能力に長けているかどうか」...これだと思う。そしてこれはが「文法の必要度」と大きく関わっている。


 『英文そのもの』を「すっ」と【あなたは】簡単に覚えられるであろうか?
  もっと言えば
 単語1つ1つの意味を覚えるよりも、「例文を覚えるほうが簡単に感じるか?」
どうでしょうか?


おそらく
例文を覚えるほうがはるかに簡単に感じる方』は
 「そうに決まってるだろー! 例文の覚えのほうがはるかに楽だ!」
 とおっしゃると思います。


しかしそうではない人が大勢います。(代表例は「私」です)
私は例文をそう簡単に覚えられない脳みそです。


私のように『例文を覚えるのに苦労する方』は
「んなアホな! 例文なんか簡単に覚えられるものか! 単語1つで精一杯に決まってる!」
 とおっしゃると思います。


 あなたはどちらでしょうか? そしてお互いに【逆の感覚の人がいることが信じられない】のではないでしょうか?


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 私がかつて通った中学・高校はかなり特殊で、英会話に随分力を入れた学校でした。そこでは、主に「例文記憶」をさせられました英語の成績がいい人は、「ひょいひょい例文を覚えて」きました。は、彼らより覚える時間を5倍ぐらい多くもらっても「ちーっとも覚えられません」でした。おかげで私は「英語の歌の歌詞さえ覚えられず、嫌な体験」をしました。おかげで私は英語がますます嫌いになりました。


 英語に困らなくなった後、小さな塾で英語を教えていたとき、ある劇的な発見をしました。
●「単語1つ1つ覚えるより、例文を丸ごと覚えるほうが楽に感じる人がいる・これができる人ほど英語の成績がよい」ということを発見しました。
参照
これこそ「語学の才能の代表的な例」だと思います。 例文を丸ごと覚えるほうが楽に感じる生徒は、文法なんかロクに知らなくても、成績がものすごく良かったのです。文法問題を解かせると、彼らは「勘」で正解が出せてしまうのです。


 こういう人たちもいるのは事実と思います。ただしこういう人は、私の見積もりで少数派。20人に1人ぐらいだと思います。


 逆に言えば残りの19人(95%)はそうではないと思います。例文より単語一つ一つを覚えるほうが簡単に感じると思います。
ところが、

・例文のほうが簡単に覚えられる人は、例文を簡単に覚えられない人がいることが信じられません。
 ↑
そして普通は、「例文のほうが簡単に覚えられ人」ばかりが英語が得意になるのです。私はこれを「語学の才能」と呼んでいるのです。


今週の金曜はいつもの文法放送。次回は来週の月曜日です。


(↓目次はこちら)
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Comments

>清水恭宏さん
ふむふむ。やはり、例文を覚えるのはたやすい人のようですね。

>たまたま、まだ学校で登場していない受動態の文があったのですが、前後から「___される」という意味を文脈で導きだしていました。なんでそうなったか聞いたら、「分からない、何となく」と言っていました。

 こういう方は国語力で単語を類推できてしまうのです。「日本語において我々が分からないような難しい単語(大体は難しい漢字を使った熟語)を見たときどうするでしょうか? 前後関係などでその単語の意味を類推するはずです。同じようなことを、彼女は英語で行っていると思います。そして今後もずっと同じやり方を続けます。そしてどんどん英語力を上げてしまうと思います。
 これは私が大学で英語部(ESA)にいたときに発見したのです。
/beginner/article/mouthbird/2006/01/post_101.html

 こういう人は基本的に文法が要りません。ただしこういう人は時制と仮定法はつまずきやすいのです。ぜひ注視してみてください。

MOUTHBIRD様
なかなか興味深い分析ですね。ためしに土曜日の前回の授業で、SUNSHINE教科書の裏のベーシックダイアログ(基本文集)をどの程度覚えているか、いきなりテストしてみました。驚いたことに英文和訳、そして和文英訳も、既習範囲はほぼ完璧に覚えていました。どうやら例文を覚えることは全く苦でないようです。

長文を教えていて発見したのは、未知の単語が出たらすぐに辞書で調べようとはせず、文脈(ストーリー)の中から類推しようとすることです。たまたま、まだ学校で登場していない受動態の文があったのですが、前後から「___される」という意味を文脈で導きだしていました。なんでそうなったか聞いたら、「分からない、何となく」と言っていました。

MOUTHBIRDさんのおっしゃる例文派である可能性が高そうです。きっと高校入学後も指導することになると思うので、仮定法が登場したら、どう反応するか注意して観察したいです。

>清水恭宏さん
国語力が高い人も文法なしで、単語だけ拾って英文を読めてしまう人が多数いらっしゃるようです。(私の友人に1人該当者がいます) 可能であれば、ぜひ折りを見て確認して欲しいことがあります。
 この方は
・例文を覚えるのが(平均的な人よりも)上手いかどうか? (早く覚えられるか、大量に覚えられるかどうか?)…英会話なら、たぶんスクリプトを覚えることがあると思うので、すぐに分かると思います。

・例文を覚える際、単語の意味を覚えようとするか?(例文記憶が得意な人は、意味、特に単語の意味は後回しなのです。与えられた英文を「さっ」と丸覚えし、その後でようやく英文(文であって単語一つ一つではない)の意味を確認します。)


 このような例文派だと、おそらくは関係詞はめちゃめちゃ得意になります。語順が大事だからです。反面、仮定法はスーパー苦手になります。時制も苦手になりやすいです。時制は語順はあってても時制が違えば×になるからです。さらに時制をずらす仮定法になると大パニックを起こします。彼、彼女らは例文を記憶するのはたやすいのですが、「それが事実に反する仮定なのか」をいちいち考えて、さらに時制を1つ下げるて変化させる作業を難しく感じるようです。彼、彼女らは、語順は簡単に覚えます。反面、覚えた英文を時制の所為で動詞を変化させるのが苦手なようです。どんな時制にしても、意味が違うだけで英文としては正しいからです。彼、彼女らは「英文を覚えるのが先。意味は(けっこう)後回し」なのです。


 例文派ではない私は、時制や仮定法が楽で楽でしょうがなかったです。時制を変える作業なんて、単語1個変えればいいんだもん! 簡単でしょうがない! 私が英語の得意な人に楽勝で勝てる部分は仮定法でした。ご参考に。

MOUTHBIRD様
今月入会したばかりの中学生を教えていて、MOUTHBIRDさんのおっしゃる意味が何となく分かる気がします。彼女は、現在中2で大変意欲満々です。3年生の文法事項はもちろんまだ習っていないのに、関係詞が入った文でも、現在完了の入った文でも前後の文脈だけで、おおよその意味をとってしまいます。(ちなみに国語の成績は抜群です。)細かい文法の知識なしでも、英語が入っていくタイプなのかもしれません。年明けに英検準二級受験を希望していますが、合格する可能性は十分あると思います。きっと彼女はMOUTHBIRD様のいうまれなタイプの生徒かもしれません。

>清水恭宏さん

清水恭宏さんは構文の書籍で例文を覚えられたのですね。参考になります。私は全く例文を覚えていませんので。

>最低限五文型が分かっていないと、構文の丸暗記というのは至難の技だと思います。

これは残念ながら、清水さんと私とは現在のところ意見の相違があるようです。

5文型など全く分からなくても、例文をさっと覚えられてしまう人はいくらでもいると思います。

私が大学時代に小さな塾で教えていた時のことです。英語がかなりできる高校2年の生徒(クラスで2位)に、あることを聞いたことがあります。
 わし「自動詞・他動詞ってどう違うか分かる?」
 生徒「分かります」
 わし「言ってみて」
 生徒「…」
 わし「どうぞ」
 生徒「えー」
 わし「(にやにや)」
 生徒「えー」
 わし「にやにや」
 生徒「えー… 風景が!」
 わし「(かなりびっくりして、その後いやににやけて) ほー 風景が…?! (にやにや)」
 生徒「風景がっ!」
 わし「風景がっ?(にやにや)」
 生徒「風景が…」
 わし「おー 風景が どうしたの?」
 生徒「……間違ってますか?」
 わし「うん。間違ってるよ」

ご覧のような感じですがこの生徒は成績優秀。例文はというと、これがさくさく覚えられていました。

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このログでは、5%と割り切っています。上記の生徒のように(5文形を含めて) 文法なんか知らなくてもさくさく例文を覚えられる人が5%だと私は考えています。
後の95%がいきなり例文が覚えいにくいのではなく、段階があると思うのです。
 ・5文型の知識があればさくさく覚えられる人
 ・5文型の知識があれば、さくさくではないが、かろうじて覚えられる人
 ・5文型の知識があろうとなかろうと、例文はさっぱり覚えられない人。
 といった具合です。私は例文はさっぱりダメだったのです。

DUOなどの例文で覚えるタイプの本は、例文が覚えやすい脳味噌の人用だと私は思います。普通英語の才能がある人は例文が覚えやすく、かつそれで英語ができるようになっているわけです。。「英語の才能がある人」が主に参考書を作るわけですから、「英語の才能がある人(のみ)」が大いに役立つ参考書ばかりが
書店に並びやすいと思います。

MOUTHBIRD様
この論点で思い出すのは、高校時代に学校で覚えさせられた、古典ともいうべき「英語の構文150」という参考書です。私は英語が好きだったので、例文を覚えるのが苦でありませんでした。現在、翻訳の仕事なども依頼されますが、日本語→英語で教養ある英米人が読んでも恥ずかしくない英文を書けるのは、構文の蓄積があるからだと思います。

そもそもそういった本で学習できる人は、英文をある程度独力で読む力が既に備わっています。最低限五文型が分かっていないと、構文の丸暗記というのは至難の技だと思います。MOUTHBIRD様も同じだと思うのですが、独力で英語が学習できる段階に、まず導くのが私たちの仕事ですね。(指導の結果、英文を読むのが苦痛にならなくなれば成果ありです。)

DUOとか速読英単語とか、いま受験生にはやりの教材は、英語がある程度出来る人向けで、そもそも英文を読めない人が取り組んでも意味がないと思います。私は、まずそういった教材が使えるレベルに生徒さんを引き上げていくのが、仕事だと心がけています。例文が容易に覚えられる(才能のある)人の視点で考案された、教材は最近多いな、と感じます。