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苦手なりの受験英語

 

2014年3月17日

なんで余計な教材・参考書をやるの?(4)

まずいつもの前提を書きます。
 今回のターゲットは「英語が苦手な人」です。偏差値が40台かそれ以下の人と考えて下さい。少なくともいつも平均以下の点数しか取れないような人がターゲットです。また「高校生・浪人生」をターゲットとします。ここは「苦手なりの受験英語」ですから。浪人生も含めますが、基本的には「予備校生」を想定しています。宅浪生は想定していません。


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 今回は、前回取り上げた「英語で物語を音声付で聞く教材」が...実は別に悪い教材だったわけではなかった悪いのは自分であった、という話をします。


 私の場合、浪人時代に予備校でごく普通に学習した結果、英語の成績が上がったわけです。学習内容は別に特殊ではありません。
・単語覚えて、・熟語覚えて、・授業科目だった2つの英文法の授業を予習・復習し、・年間で150ぐらいの長文問題を読解した
だけです。予備校ではそれが課題として与えられたわけですから、それをきちっとやっただけです。


 今日は【英文解釈】の話しましょう。予備校のテキストは過去の入試問題を元に内容が編集されていました。どこかの大学で出された長文問題が、詰め込まれていただけです。もちろん、最初のほうは短くやさしく、後になればなるほど、長く難しいわけですが。


 当時どう学習したか...単純です。
●予習をきっちり行う
 ・分からない単語・熟語は全部自分で調べる。
 ・自力で和訳例を作る。

●授業で
 ・自分の和訳例を直す。赤ペンで間違った箇所を逐一訂正する
(30長文ぐらいはノートに書いていた。その後は書かない方法に切り替えた)
●後々の復習
 ・意味を思い浮かべながら音読する


別に特別なことは何一つしていません。ごく普通の学習だと思いませんか? 結局これの積み重ねによって「経験値」を上げ、レベルアップして、敵を倒したようなものでした。


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 では改めて「英語で物語を音声付で聞く教材」を考えてみましょう。


【ごく普通の教材】です。英文が過去の入試問題ではなく、単に物語になっているだけです。だから当時だって(やろうと思えば)これを使って学習することは可能だったはずです。


 ・分からない単語・熟語は全部自分で調べる。
 ・自力で和訳例を作る
これらは「やろうと思えば」できはたず
です。


 ・和訳例を直す。赤ペンで間違った箇所を逐一訂正する
これはやや微妙ですが、ある程度以上はできたでしょう。難しいところは説明が書かれていたのですから。
 ・意味を思い浮かべながら音読する
  ちゃんと自分の訳例が訂正されていれば可能だったでしょう。


なんのことはない。「英語で物語を音声付で聞く教材」は、
・単に教材が「物語」なだけ
・「音声が特別についている」だけ

で、
巷で売られている、長文読解の問題集となんら変わりはない
というものでした。


 この教材はおそらくちゃんと使えば、それなりに英語力はアップするものと思います。別に悪い教材でもなんでもなかった。普通の教材だったのです。


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問題だったのは「それをまともに使いこなそうと思わなかった自分にあった」わけです。ただし...当時の私ではどんなことがあっても「この教材を使いこなすことは不可能だった」と思います。ではなぜ「普通の教材」を学習することが私には不可能だったのか...? あなたに分かりますか? その理由については次回お届けします。(別に複雑なことではありません。実に単純な理由です)


今週の金曜日はいつもの文法放送。この続きは来週の月曜日です。


(↓目次はこちら)
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Comments

>清水恭宏さん


>訳例を自ら作る(自信のない、もしくは不明な部分には下線を引く)→疑問点を明確にして授業を受ける→なぜ誤訳したのかが分かる→これをつみ重ねることで間違いが少なくなっていく


 素晴らしい方法だと思いました。(ただ私が中学・高校のときにそうやることになったら、全文の80%以上に下線を引くことになりそうだー)「なんとなく」という部分を排除して、「ここがこうなっているから、意味はこう」という具合にするのは非常に大事だと思います。

 学校の授業で「文構造の解説を配っての予習」ですか…苦手な人は大喜びでしょうね。英語が全くできない当時の私なら「なんていい先生だ。ついでに訳語もみんな書いてあれば嬉しいのに」と思ったと思います。授業で当てられたときや定期試験の学習時に大いなる効果を発揮したでしょう。
 ただ、模試や受験への対応策としては疑問符がつきます。英語力が乏しい学習者では、この方法だと自力で文構造を見抜く力を養うのは難しいと思います。(ただ↓例のAタイプのうちの何%かにはいいんじゃないかとは少し思っています。)
/beginner/article/mouthbird/2013/12/post_1085.html#comment-1954449


 Bタイプには「逆なら良い」と思いました。つまり「プリントを見ずに予習をちゃんとする⇒終わったら構造プリントで確かめる」と使うのです。ただ普通の英語嫌いはこうは使わないでしょうね。彼らは英語に時間をかけたくないですから。当然「プリントを見て⇒予習する」という方法を取るはずです。苦手な人がどうしてもこの方法を使いたいなら、別個に「構造を見抜く練習が必要」でしょう。文法もしっかり学ばないといけないと思います。
 

 学校は「教科書をレベルの高いクラウンにして体裁・体面」を保つ、というのはあるでしょうね。ただここで大きな問題があると思います。クラウンをやらされているのは「生徒である」という点です。先生は英語が得意ですからクラウンだって難なく読めるはずです。しかし学習者の生徒はどうでしょう? 生徒の全員が得意ではないのです。苦手な人にとっては地獄でしょう。(なお私の学校もクラウンでした。私は死にました。ただ私の学校のレベルとしてはクラウンで良かったと思います。私の学校は、英語が得意な人が大半を占めていましたから)


 受験の長文問題対策は本当に難儀ですね。センターでさえあんなに長い英文を読ませるのですから、英語が苦手な人でも早くから長文に取り組む姿勢が必要…と私は考えています。

MOUTHBIRD様
私の教えている(準二級に合格した)生徒の場合の授業の流れは次のとうりです。

訳例を自ら作る(自信のない、もしくは不明な部分には下線を引く)→疑問点を明確にして授業を受ける→なぜ誤訳したのかが分かる→これをつみ重ねることで間違いが少なくなっていく

ごく当たり前の指導だと思います。中学2年生なので勿論、体系的に全ての文法事項を網羅する時間はありませんでした。今は、文法にもかなり時間を割いていますが、何となく読んでいた部分が根拠を持って読めるようになっています。

予習もせずに、先生に与えられたプリントをこなすだけでは、自ら読解する力などつくはずもありません。あるクラウンを使っている高校では、プリントに「意味の区切り」「SV」「単語の品詞」を
明示して生徒に予習させています。これでは1+1=2ということを最初から教えるようなものです。皮肉なことに、そういった先生の配慮は成績アップにはつながってはいません。私の所にそういったプリントを使っている高校生が困ってよく来ます。理由は簡単です。自ら文構造を解析できないので模擬試験に太刀打ちできないからです。

高校は別に無理してクラウンを採用することはないはずです。授業で手助けをすれば自力で読める教科書を採用すればよいはずです。高校にはメンツがあるのでしょうか?難しいからといって「訳先渡し」をするのは本末転倒です。

泳ぎを覚える時、プールサイドでクロールの腕のかきはこうだよ?と先生は教えますが、実際にプールで練習しないのでは泳ぎは身につきません。英語も同じだと思います。文法は大切。でも、教えた文法事項が長文の中ですぐには応用できません。試行錯誤の連続です。この動詞の意味はこれかな?主語は?Vは?Oは?この格闘なくして英語学習は成り立ちません。

レベルへの配慮は大切ですが、まとまったものを読むことの連続は大切です。私は英検の過去問をよく使っています。いきなり700語、1000語というわけにはいかないでしょうから。でも、1週間に1回300語程度の和訳さえもやろうとしない生徒はあきらめます。(どうやってセンターや大学入試を受けるのか甚だ疑問です。)

>清水恭宏さん

ご無沙汰です。

・和訳例を生徒に配って、単語の意味も書いてあって
というのは生徒はとても喜ぶはずです。

 ただこれではおっしゃるように辞書スキルが身に付かない。これでは辞書がなんのためにあるのか分からないです。辞書は先生のためにあるのではなく、学習者のためにあるはずです。

 たぶん私がやってきた学習法は「見るからに辛そうな方法なので、させたくない、させたら生徒はますます嫌がるはずだし、やるはずがない」と思っているのではないかと思います。もちろん、全く辛くないはずはありません。ですが経験者としては「思ったよりずっと辛くない」という感想です。
 何より「自力で間違えながらでも訳例を作れたんだ! 俺ってすげえ~~~」と思えました。これはかなりの自信になったものです。

 6時間かけて超難しい読解問題を予習をし、間違いだらけ。しかしその経験が自信になり、その後成績が伸びた話が↓こちらです。
/beginner/article/mouthbird/2007/04/post_315.html

MOUTHBIRD様
お久しぶりです。地道な学習の繰り返しに勝るものはない、というのは私も同感です。

予習をきっちり行う
 ・分からない単語・熟語は全部自分で調べる。
 ・自力で和訳例を作る。
●授業で
 ・自分の和訳例を直す。赤ペンで間違った箇所を逐一訂正する(30長文ぐらいはノートに書いていた。その後は書かない方法に切り替えた)
●後々の復習
 ・意味を思い浮かべながら音読する

上記は当たり前にすべきことのはずですが、実は一部の高校の現場では、「和訳の先渡し授業」のような指導方法を先進的な授業方法だともてはやす動きさえあります。これは上の当たり前の前提をくつがえす、「英語力崩壊指導」に他なりません。その結果、生徒は地道に努力することを覚えず、思考力も低下する一方です。単語の訳も、先生がわざわざプリントを作って品詞まで指定して調べなさい、と導くので、辞書スキルさえも身につきません。

MOUTHBIRDさんが浪人時代にされた地道な努力は、私の高校時代、するのは当たり前でした。私の担任の先生はノートを定期的に回収して、訳が書いてなかったら再提出させていました。今度中3になる女の子がいるのですが、前回の英検で準二級に合格しました。私は毎週全訳課題を彼女に与えました。辞書と格闘しながら毎週頑張った結果、力がついたのは間違いありません。

英語教育は原点に立ち戻るべきだと信じています。学問に王道なし、の哲学を先生も生徒も見直すべきです。