苦手なりの受験英語

 

2014年6月 2日

分詞って何?(5)

このシリーズはここからがメインです。高校生以上になったら、分詞(現在分詞・過去分詞)と言ったら、ここからの話を指すことが多いのです。


まず、以下の例文を見てください。


(1)I know the beautiful boy.
(2)I know the running boy.
(3)I know the boy running in the street.
(4)I know the kicked boy.
(5)I know the boy kicked by her.


この5つの英文の意味が分かるでしょうか? 得意な人は易しいでしょうが、苦手な人ほど出来ません。
特に(4)と(5)は英語が苦手な人ならばほぼみんな間違えます。


今回は(1)~(3)をやります。よろしいでしょうか?
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ではまず(1)。これは易しい。
(1)I know the beautiful boy.


気をつけたいのは beautiful の役割です。このbeautiful は boy を修飾している形容詞です。
すなわち、
 beautiful → boy
 美しい  → 少年
という感じです。したがって


(1)I know the beautiful boy.
この意味は「私はその美しい少年を知っている」となります。


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では次に(2)。
(2)I know the running boy.


これはやや苦手な人でも無理やりできるかもしれません。ですが順を追って説明します。
前回進行形の話をしました。


 The boy is running.(その少年は走っている)


↑このとき(進行形の時)の 「running」という「~ing形」は実は「現在分詞」なんだ、という話をしました。
これを基準にして考えて欲しいのです。


これを基準に考えると、いささか強引ですが「running だけの意味」を日本語考えるとどうなるでしょうか?
 ⇒「走っている」となります。
つまり、強引に考えると、
 ⇒「現在分詞のrunning」の意味は「走っている」となる。
ということです。


これを踏まえて
(2)I know the running boy.
の意味を考えましょう。どうでしょうか? ピンと来たでしょうか?


さっきの(1)で beautiful boy という表現がありました。
それは
 beautiful → boy
 美しい  → 少年
という感じで、
 ⇒「美しい少年」
という意味でしたね。


(2)I know the running boy. の running boy も↑これと同様に考えましょう。
 running → boy
 走っている→少年
という感じで
 ⇒「走っている少年」
という意味になります。


全体で、(2)I know the running boy. この意味は
 ⇒「私はその走っている少年を知っている」
となります。


このように現在分詞は、あたかも普通の形容詞のように名詞を修飾できます。
ここまでよろしいでしょうか?


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では(3)に行きましょう。
(3)I know the boy running in the street.


この running現在分詞です。だから実は(2)と同様に、running の意味は「走っている」となります。
現在分詞だから(2)も(3)も running は同じ意味なんです。
でも、(3)は(2)とは語順が違いますね。


(2)は running boy
(3)は boy running


の順です。どうしてか?


実は(3)の場合はおまけ(in the street)がついているのです。


(2)の場合
 running → boy
 走っている→少年
なのですが、boy(少年)を修飾しているのは running というたった【1語】だけ。


それに対し、
(3)の場合は
 running in the street → boy
 その通りを走っている → 少年
としたいのですが、boy(少年)を修飾しているのは running in the street という【2語以上】あるものなのです。


つまり、<現在分詞を使って【2語以上】名詞を修飾したい場合>は
 × running in the street boy
 ○ boy running in the street
という語順になるのです。


したがって全体で
(3)I know the boy running in the street.
の意味は「私はその通りを走っている少年を知っている」となります。


この running ももちろん現在分詞ですが、1語ではなく「おまけがつく塊で→名詞を修飾」しています。この場合は、前からではなく、後ろから修飾させる語順になります。


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(2)I know the running boy.
(3)I know the boy running in the street.


 ↑この2つを見た瞬間、あなたは意味が分かるようになっていなければなりません
 (2)でもつまずく人はつまずきます。大丈夫でしょうか?
 (2)は大丈夫でも(3)はつまずいてしまう人も大勢います。


難しく思う人は、どういう場合に前から、どういう場合後ろから名詞うを修飾するのか...これらしっかり覚えましょう。そしてこういう英文でもすぐに意味が取れるようになりましょう。できない人がすぐにそうなるのはなかなか難しいですけどね。


 今週の金曜日はいつもの文法放送。この続きは月曜日です。


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Comments

>清水恭宏さん

 なるほど、2語以上という発想だと、関係詞などと一緒に後置修飾としてくくれますね。場合によってはこうしたくくりで説明したほうが良い場合もあると思いました。

 「ここら辺は出来ない人が多いだろう」とか「この辺は苦手な人は難しく思うだろう」というのはほぼ全て私の実体験で、私の感想です。私は間違いやすいポイントのほぼ全てで間違えまくったのです。それを浪人当時の先生が私にどう教えたのか、を私は書いているだけです。説明方法ははっきり言って浪人時代の先生の説明のパクリです。

 なお私の場合は教えていると、「逆のこと」を感じるケースが多いです。私がかつて出来ずに困ったポイントをこのように丁寧に説明すると、できる生徒から「先生はなんでそんな楽勝なところをくどくど説明するの? そんなの説明不要でしょ?」と言われるのです。
 おそらく多くの英語の先生はこの真逆なのだと思います。多くの先生は「こんなところを間違える人がいるなんてびっくり! 信じられない」と思う人が多い一方、私は「ここを間違えない人がいるなんてびっくり! 信じられない!」となるのです。

MOUTHBIRD様
お久しぶりです。
後置修飾に関連しますが、OXFORD GRAMMAR PRACTICEに次のような例題がありました。そのまま引用します。

Look at the information and identify which one is meant. Use the shortest way of identifying where possible, e.g. the tall boy, not "the boy who is tall".

the boy (he is tall) ==== the tall boy
the man (he has a beard) === the man with a beard
the woman (she plays golf) == the woman who plays golf

分詞の場合の【2語以上】で名詞を修飾したい場合、という説明と関係詞の場合も同じですね。生徒さんにもよりますが、後置修飾をテーマ化して不定詞、分詞、関係詞、形容詞句などをまとめて教えた方が効果的な場合もあるように思います。後置修飾の攻略は受験はもちろんのこと、英語における表現力を豊かにするのに必須の部分だと感じています。

いつも感心しますが、説明が大変ていねいですね。しかも長年の教授経験から、間違えるだろうというポイントをあらかじめシュミレーションできているのが、自ら英語で苦労された経験があるからこそできる業だと思います。効果的な英語指導の一つの鉄則ではないでしょうか。生徒のミスは教材の宝庫だと思います。英語で苦労したことのない先生に大きく欠落している点ですね。