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苦手なりの受験英語

 

2014年11月10日

なぜ英会話能力が身につかないのか?(6)

原因4・英会話ができない理由を学校教育(文法)の所為だと信じている


英会話ができない理由を学校教育の所為だと信じている方々は、「今の学校教育は↓こうである」と信じていると私は思っている。

会話がないがしろで、文法ばかりやらされる。だからだめなんだ。

違うだろうか?

そう思っていらっしゃる人に2つほど問う。


1・戦後の文部省・文部科学省が決めた英語教育方針の中で「英文法」という授業科目が定められた期間は何年間あると思うか?(ちなみに現在は、英文法がよっぽど嫌われて、英会話がよっぽど好かれるのか、「英文法」という授業を文部科学省では定めていない。)

 これを私は色んな人に聞いて回った。皆様から聞く返答で多いのは10年から20年である。

戦後は今年で69年で、もうすぐ70年になるが、正解を発表しよう。

 正解:1年もない

たった1年もないのだ。にもかかわらず「文法ばかりやらされた所為」となぜ世間ではよく言われるのだ? 私は不思議でたまらない

「たった1年もない」ことについての詳しい話は、以前この辺で書いた。ぜひ参照して欲しい。

ではなぜ、「英文法」という科目があった時期が1度もないのに、多くの人は「文法ばかりやらされた」と思うのか? 以下は推測で書く。(私が書けばどうしても推測になる。なぜなら私は皆様と違い、「文法ばかりやらされたという印象が全くないから」である。前回で書いたように、私の場合は学校が特殊なのだ。私には「中学高校では文法をしっかりやらされた印象が全くない」のだ。私の場合、皆さんと大きく違い「中学高校では英会話ばかりやらされた」という印象しかない。)

●リーダーの教科書で出てくる文法事項に嫌な印象を持った。
「英文法」という専門の授業はないが、リーダーでは普通にその時に出てきた文法事項は毎回習う。「その文法事項が理解できなかったため、「文法が分からなかった」という印象が残った所為。

●英語表現的な授業(多くの場合これが英会話になる)で、活用できる「英文法事項」をここでも習う。「その文法事項が理解できなかったため、「文法が分からなかった」という印象が残った所為。

 ここで皆様の一部はは「ほ~らやっぱり文法を習うじゃないか! その所為だ!」と思うかもしれない。ではお尋ねしよう。

2 ・ではやらされたはずの英文法をあなたはどれくらい覚えているのか?

 例えば

・自動詞と他動詞の違いがあなたに分かるか?

・関係代名詞と関係副詞の違いが分かるか?


もし「本当に文法ばかりやらされたと言える」のなら覚えていて即答できるはずだ。しかしおそらくあなたは即答できないだろう。違うだろうか? ではなぜできない? それはつまりこういうこと。⇒「文法をしっかり覚えるほどあなたは文法をやらされていない」からである。実際には学校では「文法は【しっかり】やらされていない」のだ。「文法はほんのちょびっとしかやらされていない」。だから実際は「文法を覚えていない」のである。

したがって、私に言わせれば、

・会話がないがしろで、文法ばかりやらされる。だからだめなんだ。

ではなく

文法がないがしろで、文法をしっかりやらされていない。だからだめなんだ!
である。

繰り返すが、これに関しては過去に話題にした。「日本人は文法に詳しくなんかない。だから英語が喋れない」というシリーズ(全11回)である。ご一読いただければと思う。

「自動詞と他動詞」なんて、英文法の初歩の初歩だ。これすら多くの日本人は知らないなのになんで日本人は文法のやりすぎだと言われるのか、が私には不思議でならない。

金曜日はいつもの文法放送。この続きは来週の月曜日です。

(↓目次はこちら)
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Comments

mk様、エリオット様
 遅くなりましたが、私からも、実際の状況を教えていただいた事に対し、お礼を申し上げます。ありがとうございました。
(余談ですが、(「リーディング」でなく)「リーダー」、(「ライティング」でなく)「コンポジション」「コンポ」という響が懐かしいです)

>エリオットさん
追加情報ありがとうございます。大変助かります。

とすると、
1960年(昭和35年)~1984年(昭和59年)の時期
高校生の英語科目は
「英語A」、「英語B」のどちらかを学んだ。

1970年(昭和45年)以後増えた「初級英語」「英語会話」は定時制高等学校、もしくは主に英語Aを選ばれた学校向けでしょうか?(英語Bの学校も選ぼうと思えば選べたかもしれませんが)


教科書
「英語A」⇒1種
「英語B」⇒1973年まで2種(読本・作文文法)/以後4種(読本・文法・作文・総合)

英語Bは1973年以後は3年間で
パターン(1)⇒総合×各学年分(…3年で3冊の教科書が存在)
 あるいは
パターン(2)⇒読本×各学年分(…3年で3冊の教科書が存在)
        文法…3年間で1冊
        作文×各学年分(…3年で3冊の教科書が存在)

 ↑上のパターン(1)か(2)のどちらかであった

ということになるでしょうか?

====

20人に1人か2人ぐらいの割合で存在する「語学の才能がある人」だけは文法が要らず、
それ以外には文法が必要。
↑というのが私の見解です。

普通英語ができる人(英語の先生になる人を含む)は「語学の才能がある人」で、彼らには文法が要らない…だから現在こんな困惑した現状の一要因になっていると思います。

マウスバードさん、こんにちは。
概ねiさんの言われるとおりだと思います。
「英語B」を履修する場合、「総合」の教科書を採用するのか(3年間で3冊)、「読解・作文・文法」と3種類に分かれた教科書を採用するのか(3年間で計7冊)、ということだったのでしょうね。ただ、総合の教科書については初めてその存在を知りました。

昭和38年から新たに科目設定が行われ、「英語A」「英語B]の2科目が授業で教えられ、、「英語A」は実用面を重視し、3年間で9単位履修、「英語B]は文字言語重視で、3年間で15単位履修ということになりました。前者は職業科や定時制向きで、後者は全日制普通科向きということだったのですが、「英語A]は学力が低いとみなされる風潮があって、職業科や定時制も「英語B]を履修するのが一般化していったようです。それで、昭和48年から新たに「初級英語」「英語会話」の2科目が加わったのではないかお推測しています。この時期から能力差に応じた指導が謳われ、学業不振者への配慮もあったと思います。総語数も減りましたからね。「初級英語」3単位2冊、「英語会話」は3単位1冊でした。

昭和56年新米教師として定時制で教えた時のカリキュラムは、「初級英語」を1・2年で3単位ずつ、「英語会話」を3・4年で2単位ずつ理由ということになっていました。「初級英語」の内容ですが、主に中学校英語の復習だったと思います。現在の科目で言えば、「コミュニケーション英語基礎」に近いものだと思っています。「初級英語」は2年間で終わる予定が実際は3年以上かかった感じがします。「英語会話」の教科書はほとんど使わなかったような気がします。文法指導重視ということなら、なかなか学習指導要領に合わせるわけにはいきませんから。

iさんが紹介されていた論文を拝見しましたが、読解・作文・文法の分割指導がいいのか、総合英語としての指導がいいのか、当時の現場の教師の悩みがひしひしと伝わってきますね。その影響か、昭和57年に新たに総合英語としての「英語Ⅰ」、翌年には「英語Ⅱ」が設定されました。「英語Ⅰ」5単位のうち2単位をグラマー称して市販の文法教材を使用して系統的に文法を教えました。残りの3単位はリーダーと称して英語Ⅰの教科書を使用しました。もちろん試験も2種類ということになります。

とにかく文法の教科書がなくなって、どの時期にどうやって文法を教えるか、現場の教師はずいぶん悩んできたのではないでしょうか。その中で、流行りの外国の教授法に飛びついて文法軽視に走る教師も出てきましたし、文部科学省の方針もブレたりしています。本当に困ったものですね。


>mkさん
なるほど! 英語Aを取るか英語Bを取るかだったのですね(今の日本史A・Bと似てるなあ)
英語Bの教科書は4種なのか3種なのかはっきりしませんが、文法の教科書が3年間使われていたのは驚きです。私が某進学校の生徒を教えていたとき、文法は1年間で終わらせていました。(ちなみに私が浪人のときは私の予備校は文法を約半年で終わらせていました。)
私がもっと早く生まれていればなあ! 文法高校時代にしっかりやれて英語嫌いではなくなっていたかもしれません。しかし実際は私に学校は文法がろくになく、英会話を多くさせられました。その結果、今でも治らないスーパー英語嫌いになりました。
 ↑
世間ではこの逆のように言われるので、ホンマに腹が立ちます。

江川泰一郎さんはこの時代に活躍されていたのですね。(「英文法解説」はもちろん持ってます(念のため)。)

少し追記します。
 i様のおっしゃる通り、英語Aと英語Bのどちらを履修するかは学校ごとに決まっていて全日制の普通科ではほとんどが英語Bであったように思います。英語Aを履修するのは実業高校や定時制など偏差値的にはやや低い学校(失礼❗m(_ _)m)が中心でした。高校3年間で修得する単位数も英語Bがたぶん16単位前後なのに対し、英語Aはもっと少なかったように思います。
 英語Bの教科書が3種類に分かれていたのもi様のおっしゃる通りでグラマーの教科書だけは1冊を3年間通して使いました。私が使ったのは江川泰一郎先生の"A New Guide to English Grammar(もちろん文部省検定教科書です)"でしたがすごく良かったですよ。今でもこの教科書大好きです。これを使って授業してみたかった(ToT)。新しく文法事項を習うたびに理解できる英語がどんどん増えていくので英会話みたいな派手さはなくても英文法の学習は好きでした。現在50歳台以上の英語教員は英文法好きな方も多いのではないでしょうか。
 
 

>iさん
なるほど。
そんな感じで分割されているのかもですね。
また英語Aをとると英語Bは受けられないかもですね
エリオットさんから情報をいただけるとありがたいのですが…(タイムラグで入っててくれないかな~)

>mkさん
はじめまして。コメントありがとうございます。
>自分が高校生だった頃の英語の授業はリーダー(週3時間)とグラマー,コンポジション(週2時間)に分かれていて、それぞれ別の英語の先生が担当しており、定期テストも別々に行われました。
なるほど! 下でiさんが示して下さったような感じでしょうかね?
教師になった頃はオーラルコミュニケーション重視に変ってしまい、かつオーラルコミュニケーション重視に不満を表現することがはばかれるとは…><
 現在は既にそうなって既に22年以上なのに、相変わらず今でも偉い人や世間の多くの人が「文法重視」とか世間で言われる…
 現場の声は本当に届かないですよね。はあ…
もし、mkさんが高校生の頃のカリキュラムを覚えていらして情報をいただけるとありがたいのですが…(タイムラグで入っててくれないかな~)

1979年高校入学、1986ー2013年度まで県立高校で英語教員をしていた者です。自分が高校生だった頃の英語の授業はリーダー(週3時間)とグラマー,コンポジション(週2時間)に分かれていて、それぞれ別の英語の先生が担当しており、定期テストも別々に行われました。成績も1、2学期はRとGandCの成績が別に出てかなりみっちりグラマーの勉強を高校でしていました。どこの高校もあの頃はそうだったと思います。
しかし自分が大学を出て教師になってみるとグラマーの教科書も授業もなくなり、オーラルコミュニケーション重視の時代になっていました。はっきり言ってやりづらかったです、相当。同僚の先生もリーダー、グラマー、コンポジションのあのカリキュラムが一番良かったって言ってましたし。でも今の風潮だとこんなことを口にするにも憚られる感じです。

 もう1点。これも推測ですが、前提として、今までのことを言い換えれば
 同じ生徒が同じ学校で、「英語A」と「英語B」の2科目を(同時にであれ順番にであれ)両方履修するということはありえなかった、どっちか片方しか履修しなかったのではないか、ということです。
 (卒業後、別の高校に入り直すなどの特殊な場合を除き、)「英語A」を履修する場合は「英語B」は履修しない、「英語B」を履修する生徒は「英語A」は履修しない、と。
(なお、「初級英語」と「英語会話」の扱いは、私には想像がつきません)

>エリオット様
 私もためになりました。ありがとうございました。
 特に、「英語A」は実用面重視、「英語B」は文字言語重視、という点は気付きませんでした。

>マウスバード様
 まず、もしエリオットさんが説明してくださるようであれば、そちらのほうが正確なはずですから、この書き込みは無視して下さい。私はあくまで想像するより他ありませんので。

 とりあえず、1980年(S50年)時点を例に。
 例の検索システムで、使用年度を1980年に固定すると、例えば、研究社がThe New Ageというシリーズを出していたことが分かります。それを列挙すると
THE NEW AGE READERS 1(英読404)
THE NEW AGE READERS 2(英読507)
THE NEW AGE READERS 3(英読612)
THE NEW AGE COMPOSITION 1(英作402)
THE NEW AGE COMPOSITION 2(英作506)
THE NEW AGE COMPOSITION 3(英作611)
THE NEW AGE GRAMMAR(英文402)
の7冊になります。(リーダーとコンポが3冊ずつあること、また検索システムでは「使用学年」の欄に、それぞれ1,2,3と数字が割り当てられていることに注意。)
 恐らく
1年次:
THE NEW AGE READERS 1(英読404)全部
THE NEW AGE COMPOSITION 1(英作402)全部
THE NEW AGE GRAMMAR(英文402)の前3分の1
2年次:
THE NEW AGE READERS 2(英読507)全部
THE NEW AGE COMPOSITION 2(英作506)全部
THE NEW AGE GRAMMAR(英文402)の真ん中3分の1
3年次:
THE NEW AGE READERS 3(英読612)
THE NEW AGE COMPOSITION 3(英作611)
THE NEW AGE GRAMMAR(英文402)の後ろ側3分の1(残り)
というのが、理想的な履修ケースだったと想像できます。
(エリオットさんが紹介してくださった論文によると、実際には理想通りに全て終わらせるのは大変だったようですが)

 エリオットさんが最初の書き込みで「3年間同科目を履修するという状態」(がS53年改訂の指導要領で廃止された)と書いていらっしゃいますよね。つまり、
今のように、1年生で英語I、2年生で英語II、というように、別科目としてステップアップしていくような履修の仕方ではなく、
「英語A」と決めたら英語A、「英語B」と決めたら英語Bという科目を3年間履修し続ける、指導要領もそのつもりで、同一科目の中で3年分のカリキュラムを示している、ということだと思っていました。
(例えば、現行指導要領でも、「保健体育」という教科には、「体育」と「保健」の2科目しかない、一般的な全日制普通科高校であれば、「体育」という1つの科目を3年間かけて履修する。それに似ているのかも知れません)
 「総合」というのは、リーダー・コンポ・グラマーが1冊にまとまった教科書のことのようです(これは先日紹介した伊藤 悟由「総合英語の試み(一年生に対する指導の工夫)」から読み取れます)。つまり、「英語B」という科目を履修させる場合、教科書選びの段階で、「英総」の教科書を採択するのか(3年間で3冊)、「英読・英作・英文」と3種類に分かれた教科書を採用するのか(3年間で計7冊)を選択する、ということだと、私は理解しています。

>iさん、エリオットさん

まとめてですみません。(エリオットさん、お久しぶりです。お元気でしたか?)
コメント大変嬉しく思います。

お二人の意見を伺い、教科の認識について
http://dspace.lib.kanazawa-u.ac.jp/dspace/bitstream/2297/27564/1/AN00081790-23-89.pdf
も参考にして考えたのですが、どうにもまだはっきり分かりません。

こうではないか、というまとめを書いてみます。
1960年(昭和35年)~1984年(昭和59年)
科目は
「英語A」、「英語B」、それに1970年(昭和45年)以後は「初級英語」「英語会話」が加わり4科目

教科書
「英語A」⇒1種
「英語B」⇒1973年まで2種(読本・作文文法)/以後4種(読本・文法・作文・総合)
(※教科書データベースから、昭和52年~昭和54年(1977~1979)の読本の教科書の存在を確認)

---

以下は例えばで書くのですが、

昭和50年頃の高校生は
(例えばですよ)
高1時 「英語A」、「初級英語」、「英語会話」の3つを履修
高2時 「英語B(読本)」、「英語B(文法)」の2つを履修
高3時 「英語B(総合)」、「英語B(作文)」の2つを履修

 という感じだったのでしょうか?
これがよく分からないです。

もしお分かりでしたら、ご教示いただけないかと思います。

こんにちは、昨日のコメントに誤字脱字がありました。
英語Ⅱ(作文)→英語ⅡC(作文)、ライテキング→ライティングに訂正します。

昭和46年、私が高校に入学した時は、文法・作文の教科書は1冊になっていたかもしれません。昭和48年度入学生から2冊に分かれたと思われます。

「金沢大学学術情報リポジトリ」にこんな論文を見つけました。昭和48年前後の文法指導について書かれています。
dspace.lib.kanazawa-u.ac.jp/dspace/.../AN00081790-23-89.pd...

もしよければ参考にしてください。

続きになります。

少なくても現在48歳の人は文部科学省(旧文部省)検定教科書を使用して文法の授業を受けなかったことは確かです。

平成元年の改訂版では中学校で週4時間の授業の確保が可能になりました。この時期から盛んにコミュニケーションという言葉が使われだしました。JETプログラム(AET、今のALTとのティームティーチング)の導入も決定しました。高校では総合科目「英語Ⅰ、Ⅱ」に加えて、オーラルコミュニケーションA,B,Cが設定され、そのいずれかが必修になりました。旧課程の英語ⅡAや英語会話の科目の履修状況が芳しくなかったのでしょう。進学校では一般にオーラルB(聞くこと)を設定しますが、実際は市販の文法教材を使っていましたから、世間では「オーラルG」と皮肉られました。オーラルの科目の他にリーディング、ライテキングの科目も新たに設定されました。

平成10年になるとオーラルA,B,CがオーラルⅠ、Ⅱに変更になり、その他の科目は確かそのままだったと思います。そして現在の指導要領ではコミュニケーション英語基礎、コミュニケーション英語Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、英語表現Ⅰ、Ⅱなど、となっています。科目がコロコロと変わり、現場では混乱しています。個人的にはリーディング、ライテキングの科目がなくなったのが残念です。

ネットで「第6章 学習指導要領における英語教育観の変遷」(小泉 仁)の論文を見つけました。この論文を参考にして書きました。

久しぶりです。毎回楽しく拝見しています。
文法の教科書についてですが、昭和46年(1971年)に高校に入学した時「英語B」という科目で読本・文法・作文の3種類の教科書を使用しました。昭和35年改訂版から新たに科目設定が行われ「英語A」「英語B」の2科目が設定され、前者は実用面を重視し、後者は文字言語を重視しました。すでにこの時期に文法の文部省検定教科書は存在していたのではないかと推測していますが、確認できていません。昭和45年の改訂版では「英語A」「英語B」の他に、「初級英語」「英語会話」が加わり、4科目になりました。

昭和56年(1981年)教師になり定時制で教えましたが、「初級英語」「英語会話」の科目を担当しました。全日制の3年生の選択英語も教えていまして、その時に使用した教科書は英語Bの読本でした。ですから、昭和56年の時点では確実に文法の文部省検定教科書は存在していたと言えます。昭和53年改訂版で3年間同科目を履修するという状態が廃止され、初めて総合科目「英語Ⅰ」「英語Ⅱ」が設定され、さらに4技能れぞれに特化した英語ⅡA(会話)英語ⅡB(読解)英語Ⅱ(作文)が設定されました。この時期に中学校では週3時間体制になり、高校では校内暴力が話題になっていました。大きな転換期だったと思います。

翌年(昭和57年)に全日制に移り、この年に入学してきた生徒から新課程に入り、文法の教科書は使用できなくなりました。英語Ⅰ(総合英語)6単位のうち2単位は市販の文法教材を使って授業をしていました。文部省検定教科書が廃止になったとはいえ、文法の授業は何らかの形で継続してきたわけです。しかも、中学校では週3時間ですから、本来学ぶべき文法事項が高校英語に回されました。

>1973年(昭和48年)~1984年(昭和59年)の時期には
>英語Bという科目があり
>⇒総合・文法・作文 の3種類の教科書が存在
「読本・文法・作文・総合」の4種類だと思います。(「読本」が抜けている)

>ご紹介いただいた1980年の論文から察するに、英語Bという科目には学校側が「3種類(以前は2種類)」から教科書を(おそらく1つ)選んで使っていたようですね。
 そうではなく、3冊(読本・文法・作文)を並行して(例えば、リーダーはA教諭で週3回、グラマーはB教諭で週1回、コンポはC教諭で週1回、というように)行っていたのだと、私は解釈しましたがどうでしょう?
 ちょっとばかり違うかもしれませんが、例えば今で言えば「国語総合」の教科書は、1冊本のものと、「現代文編」と「古典編」に分冊されたものとがあるようです。で、前者に当たるのが「英語B(総合)」、後者に当たるのが「読本・文法・作文」の3分冊本なのではないかと推測しているのですが。(あくまで推測。ただ、そう考えたほうが、「リーダーとグラマー」と並べて言われていることと整合性があると思う)
 さらに、これも推測なのですが、今の「(コミュニケーション)英語I→英語II」のように、順番に違う科目を履修するのではなく、英語A、英語Bそれぞれ、全日制であれば3年間ぶっ通しで履修することを前提にしているように思います。(一応の根拠として、例の検索システムを見ると、読本・作文・総合が1~3の3冊あることと、当時の学習指導要領に、英語Aと英語Bそれぞれ、学年ごとの新出単語数の基準が書かれている)
 この辺り、これからの調査で是非確認していただければと思います。

追伸:アルクのHPがリニューアルして、「初心者英語」がトップページに表示されなくなったようで、このブログが探しにくくなってしまいましたね……

>i さん
なるほど! 科目「英語B」=文法ではなさそうですね。私の見解の間違いを正していただきありがとうございます。

1973年(昭和48年)~1984年(昭和59年)の時期には
英語Bという科目があり
⇒総合・文法・作文 の3種類の教科書が存在

それ以前にも英語Bがあり、
⇒読解・作文文法 の2種類の教科書が存在

ということになりそうですね。

ご紹介いただいた1980年の論文から察するに、英語Bという科目には学校側が「3種類(以前は2種類)」から教科書を(おそらく1つ)選んで使っていたようですね。

そうだとすれば、1984年よりも以前は高等学校に文法の授業があったりなかったりしたことと、文法の検定教科書自体は存在していたこと…に合点がいきますね。

ご専門でもないのに、調査及び追加の情報提供、誠にありがとうございました。m(_ _)m

>とすれば、この時期は授業科目名は「英語B」でも、実質「英文法」を教えられていた…ということになりそうです。
 公式ではありませんが、こんな論文を見つけました。
伊藤 悟由「総合英語の試み(一年生に対する指導の工夫)」(下記ページからPDF閲覧可)
http://ci.nii.ac.jp/naid/110001054375
この冒頭より、1980年前後、「英語B」という科目に対し、「読本」「文法」「作文」の3種類の教科書があったことが伺えます。
 これは、昨日紹介した検索システムでも、年代を合わせて「英語B」で検索すると、確かに3種類見つかります。ただし、それ以外に「英語B(総合)」という教科書もあるので、すべての教科書が分冊だったわけではないのかもしれません。ここは憶測。
 また、それ以前の「英語B」は、「読解」と「作文文法」の2本立てだったみたいですね。(これも検索システムより)

 学習指導要領やそれに合わせた教科書の変遷をまとめた文献がないとは思えないのですが、あいにく私は英語教育どころか英語学も教育学も門外漢なもので、ググるのが精一杯です……

>i さん
なんと素晴らしい情報でしょう! ありがとうございます。
早速試しました。おっしゃるように英語B(文法)という分類で教科書が存在していたようですね。

このデータベースの中で「教科書記号」というものに気がつきました。それは「英文」という記号なのです。もしも「英文」が英文法を表す記号ならば、これらは英文法の教科書と認識されていたことになります。「英文」で検索したところ、全ての期間で調べて41件がヒット。種目は全て英語B(文法)。「英文」の教科書記号の使用期間は昭和48年から最長で昭和59年です。とすれば、この時期は授業科目名は「英語B」でも、実質「英文法」を教えられていた…ということになりそうです。

 もっと正確に調査し、結果をまとめていずれ(来年5月以降)にここでレギュラーの話題として発表できればと思います。(すみません、大体先々の話は既に決まっているのです><) もしそれまでにいい情報が見つかりましたら、ここなどにご一報いただければ嬉しく思います。
 ありがとうございました。m(_ _)m

 是非、こちらかQ-Engで調査結果を教えて頂きたいと思います。

 ご参考までに、先ほど見つけたページを。
「教科書目録情報データベース 検索画面」
http://mokurokudb.textbook-rc.or.jp/kyoka/KYL010.aspx
文科省のページ
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyoukasho/mokuroku.htm
からリンクが張ってありましたので、「準公式」と言ってよいのではないでしょうか?
 使ってみたところ、上手く表示されなかったりして少し使いづらそうですが、調べてみたところ、確かに「英語B」という科目の一種として(「英語B(文法)」という形で)「英語文法」の検定教科書が存在したこと確認できます。3年間で1冊だったようです。(時期は1980年以降として検索)

>iさん
またラグですね。ごめんなさい。
情報ありがとうございます。
英文法 検定教科書 を検索しました。確かにヒットしましたが、公的な記述ではないようですね。こちらも独自の調査を始めています。きっかけを与えて下さり感謝しています。私より年配の人たちは英文法の授業をグラマーと呼び、学んでいた時期があるという情報を2件掴みました。
 しかしそれがなくなって既に32年経っているようです。無論私はなくなっている世代です。

 最近は学習者の初歩的な文法知識の乏しさを酷さを感じます。例えば三単現のSを知らない高校生がざらにいます。俄かには信じられませんでした。

>i さん
コメントありがとうございます。

投稿のタイムラグの関係でコメントがずれてしまいましたね。

>よく見たら、下のコメントからリンクが貼られている記事に、
>「高等学校の必修科目から、「英文法」というものがなくなって、30年ぐらいになる。」
>と書いてありますね。
>先ほどの質問は取り消させていただきます。

いえいえ。これは知らなかったのです。この記事を書いた頃と、教育指導要領を詳しく調べた時期は違うのです。

 30年前には文法の授業はあった…というのは i さんと同じ感覚です。私の頃は既になかったですが、私より以前に高等学校教育を受けた方は「グラマーがあった」と伝聞で聞いていたのです。その分岐点が30年前だったのです。この頃は詳しい事情を知らなかったのです。ですが iさんのおかげで謎が解けました。教育指導要領で英文法という科目は戦後1度もなかったけれども、教科書は存在していた…ということですね。だとすれば1982年以前の高等学校では、現在よりも文法の授業があちこちで行われていたと推察できます。もっと調査が必要と感じました。ありがとうございました。
 現在言えるのは…1982年に高等学校で英文法の文部省検定教科書廃止ならば、現在47歳以下の人は完全に高等学校で英文法の文部省検定教科書を使っていないことになりますね。ならば、少なくともそこから以後の約30年間、文部省(現在は文部科学省)は文法に力を入れていない…とは言えそうです。

あ、ご存知ありませんでしたか。なら書いたかいがありました。

>どこかネット上などに詳しい記載がありますでしょうか?
私には探し当てることはできませんでした。
Googleで「英文法 検定教科書」で検索して、1982年施行の指導要領で廃止されたことを突き止めるのがやっとでした……
昨日の書き込みで挙げた『改訂版・英文法総覧』の前書きに、旧版では三層構造だった(ものを改訂版では単層構造に組み替えた)という説明があります。教科書も恐らくそのような体裁だったのでしょう、と憶測するしかありません……

よく見たら、下のコメントからリンクが貼られている記事に、
「高等学校の必修科目から、「英文法」というものがなくなって、30年ぐらいになる。」
と書いてありますね。
先ほどの質問は取り消させていただきます。
お騒がせして申し訳ありませんでした。

>i さん
コメントありがとうございます。

>英文法の「文部省検定教科書」があったことを踏まえた上でのお考えなのでしょうか?(1982年版の指導要領で廃止されたそうです)
いいえ! 存じませんでした。詳しく知りたいです。どこかネット上などに詳しい記載がありますでしょうか? もしもご存じでしたらぜひご教示いただければと思います。 どのような内容だったか、またいつから存在していたのかを詳しく知りたく思っています。

>リンクが貼られている過去記事は昨年読ませていただきましたが、
お読みいただきありがとうございます。

>実は、そこで初めて「英文法」という科目が指導要領で設定されたことが戦後一度もないことを知り、驚いた次第です。正直、最初は「嘘でしょ??」と思いました。文科省のサイトなどで過去の指導要領を調べ、やっと事実を受け入れた次第です。疑ってすみませんでした!

とんでもない! ガンガン疑って下さい! 疑問に思うなら疑わないほうがおかしいし、まずいと思います。疑問は調査して確かめることが重要だと思います。

いきなり不躾な質問で申し訳ないのですが、1点、確認させていただきたいことがあります。

この記事には、「戦後、学校英語教育において英文法が重視されたことは一度もない」という認識が前提にあるように思いますが、これは、以前、英文法の「文部省検定教科書」があったことを踏まえた上でのお考えなのでしょうか?(1982年版の指導要領で廃止されたそうです)
手元に『改訂版・英文法総覧』という文法書があるのですが、その「はしがき」に、その旧版が検定教科書をもとにして編まれたと書かれています。また、親からも、高校(S40年代。一般的な公立高校だろうと思います)で英文法の授業があったと、何度か聞かされています(「リーダー」に対し、「グラマー」と呼んでいたようです)。

(リンクが貼られている過去記事は昨年読ませていただきましたが、実は、そこで初めて「英文法」という科目が指導要領で設定されたことが戦後一度もないことを知り、驚いた次第です。正直、最初は「嘘でしょ??」と思いました。文科省のサイトなどで過去の指導要領を調べ、やっと事実を受け入れた次第です。疑ってすみませんでした!)

>ゆらびさん
進学校の情報をありがとうございます。

>進学校であれば,文法の重要性は当然認識しています.
>特に私学では指導要領など平然と無視します.

はい。気の利いた進学校の多くはそのような形になっていると思います。
私は過去に
「文部科学省が定める必修科目に英文法が無くても、授業科目に英文法を取り入れている高等学校は実はけっこうある。」
「実は気の利いた進学校ならば英文法の授業はあるものである。」
と書いています。

http://www.alc.co.jp/beginner/article/mouthbird/cat641/

 ここで(ゆらぴさんのみならず、ここを読んでいる皆さんに)ぜひ次の3つのことを考えていただけないかと思いました。

1、なぜ文法の授業を入れる進学校が多いのか?
2、進学校でも文法の授業を入れないケースがある
3、進学校ではない学校

1、なぜ文法の授業を入れる進学校が多いのか?
おっしゃるように文法の授業がある進学校も多いです(私にもそのような学校の生徒を教えるケースが多々あります)そういった進学校は文法の重要性を認識していると思います。そのほうが合格実績が良いと、少なくともその高校は判断していると思います。

2、進学校でも文法の授業を入れないケースがある
しかし同じくらいに、文法の授業が全くない進学校も存在します(そのような学校の生徒を教えるケースも多々あります)。ちなみに私の高校がこれが当てはまります。文法の授業の代わりに英会話の授業が山ほどありました。

3、進学校ではない学校
世の中進学校ばかりが高校ではありません。そういう学校は文法授業がありません。例えば、現在私が教えている私の姪の公立高校には文法の授業がありません。ただし進学を希望する生徒が選択で(高2で)「英語演習」という科目を取ることができます。内容は文法です。姪はこれを選択しています。しかしあくまでこれは進学希望者でかつこの授業を選択した生徒のみが受講できます。

 つまり、進学を希望する人は文法をやる確率は高いが進学を希望しないような人は文法をやらない確率が高いのです。世の中、進学を希望する人ばかりではないのです。


 最近よく出会う社会人英語学習者について書かせてください。

 彼らは例えば平気で I am like sushi. などとおっしゃいます。また、受動態ができず、Taro killed the girl. と Taro was killed by the girl. の意味が同じに思える、といったことがあるのです。こういった人たち(生徒さんたち)に私はたくさん出会うのです。

 もし彼らが本当に文法ばかりやったのであれば、こういった間違いはしないはずだ、と私は思うのです。

『 「英文法」という科目があった時期が1度もない 』、について

学習指導要領において英文法という「科目」がなかったのは確かですが,
英文法の「授業」があった高校はおそらくたくさんあったはずです.

私の通っていた高校では英語の授業が週5回あり,
リーダー3, グラマー1, コンポ1の内訳でした.

進学校であれば,文法の重要性は当然認識しています.
特に私学では指導要領など平然と無視します.