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ことばの書き方(文字表記)

分類:漢字の書き方(漢字)

「たんたんとした口調」の「たんたん」は「坦々」それとも「淡々」?
 もともとの漢語を考えると、「坦坦」の「坦」は「平坦」の「坦」であり、したがって「坦坦」は平坦である様子を指します。一方「淡淡」は、文字通り淡くぼんやりした様を表します。

 両者の意味を文字通り厳密にとった場合、「たんたんとした道」とは「平らな道」のことですから、漢字では「坦々」になります。一方「ぼんやりとした道」というのは常識的には不自然ですから、「淡々とした道」というのもやはり不自然ということになります。

 しかし、現代日本語では「坦々」は必ずしも「物」が平らである様子だけを指すのではなく、抽象的な事柄であっても起伏がなく変化の少ない場合は「坦々とした日々」などと表す場合があります。この場合の「坦々」は物理的な平坦さから抽象的な変化起伏のなさに転じているといえます。

 そして「たんたんとした日々」は、また「淡々とした日々」と表すこともできます。この場合は「淡くぼんやりとした」という物理的視覚的様子から、抽象的にメリハリのない様子を表すようになっています。

 このように意味が物理的な事柄から抽象的な事柄を示すようになった結果、「坦々」と「淡々」は、「変化が少ない」「印象が希薄」という点で意味的に接近してきているといえます。こうなると「坦々」や「淡々」は漢語というよりはむしろ擬態語的な用いられ方をしているともいえるので、どちらの漢字が正しいかという判定は難しく、個人差のあるものになってくると思われます。

 結論としては抽象的な事態を指し示す「たんたん」の場合、どちらの字を用いるかは個人の判断によると思われます。ただし先にも見たように物理的なものの場合は使い分けが存在します。



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