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ことばの仕組み(文法)

分類:助詞(と)

「お金があると旅行します」「お金があったら旅行します」「お金があれば旅行します」はどう違う?
 「~ば」「~たら」と「~と」は、前者では仮定条件を表すことができるのに対して、後者ではこれができないという点で異なっています。すなわち、「お金があれば旅行します」「お金があったら旅行します」という文には、「お金がないので旅行しない」との含みが読みとれますが、「~と」を用いた「お金があると旅行します」には同様の含みはありません。このため、「~ば」「~たら」の場合には、「お金があれば旅行するのに」「お金があったら旅行するのに」と事実に反する条件文に用いることが可能ですが、「~と」の場合には、「お金があると旅行するのに」のように許容できない文となってしまいます。このように、「~ば」「~たら」が仮定条件を表す場合、「~ば」は一般的な因果関係に基づく仮定を表し、「~たら」は後に続く結果が生じるための状況設定をするといわれています。したがって、より一般的な事態について述べる文では「~ば」が用いられやすく、個別的な事態について述べる文では「~たら」が用いられやすいという傾向が見られます。

 また、習慣的な関係を表すか否かという視点から、三つの表現の違いを考えることも可能です。「~ば」「~と」は、「兄はお金があると(決まって)旅行します」「兄はお金があれば(決まって)旅行します」のように習慣的に反復される事態を表すことができますが、「~たら」を用いてこの関係を表すことはできません。これは、「~たら」の上述のような個別的事態について状況設定をするという性質と関わるものだと考えられます。

 以上から、お挙げになった三つの文の違いは次のようにまとめられるかと思います。

 「~ば」を用いた文:仮定条件を表す解釈と習慣的な関係を表す解釈の二通りが可能。
 「~と」を用いた文:習慣的な関係を表す解釈のみが可能。
 「~たら」を用いた文:仮定条件を表す解釈のみが可能。



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