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ことばの仕組み(文法)

分類:その他(活用の変化形)

「呼ぶ」はなぜ「呼ぶだ」ではなく「呼んだ」と変化する?
 日本語母語話者に対する学校教育では平仮名表記で活用を学習するため、音便は活用上の例外のように見えます。もともと日本語の使える母語話者にはこれで十分かもしれませんが、日本語学習者には暗記事項として負担が増加することになります。

 しかし音便化には音韻的なメカニズムが存在し、例外というよりは必然的なものと考えられます。日本語にはもともと現在のような形での音便は存在せず、長い歴史を経て音韻が変化した結果現在のような音便が生じてました。例えば現代語の「呼ぶ」のテ形は音便化して「呼んで」となりますが、古語ではテ形でも音便化せず「呼びて」のように規則的に変化します。なぜ音便化が起こるようになったのかということに関しては少々複雑であり、教育にそのまま導入できるものでもないので省略しますが、ここではご質問の撥音便を例外ではなく規則的なものとして学習する方法を提示します。

 「呼ぶ」「噛む」の語幹はローマ字表記するとそれぞれ「yob-」「kam-」のようになります。これに「a, i, u, e, o」が付くことで活用するわけですが、音便が起こるテ形、タ形では語幹に直接「te」や「ta」が付くと考えます。すると「yobte/yobta」 「kamte/kamta」のようになります。しかし日本語は原則として「-bt-」「-mt-」のように子音が連続することを許しません。しかし「本棚 hondana」のように「鼻音[n]+子音」という連続は許されます。そこで「b/m」が鼻音化を起こして「n」になることで、子音の連続を回避します。この鼻音化のプロセスの中で「te/ta」は「de/da」となります。鼻音化の結果これらは「yonde/yonda」「kande/kanda」となります。

 まとめると、「-b」または「-m」で終わる語幹に「t-」が付くと「-nd-」になるということです。この教え方のポイントは日本語が子音連続を許さないという点と、鼻音は子音と連続できるという点にあります。



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